事の真相
いつも不定期で申し訳ありません…資格試験の勉強の間に書いているので暫くローペースです。
教皇が神殿に戻って一日、綾はお昼後教皇の執務室にお邪魔することになっていたので、軽めの昼食を取った後、シンプルだが教皇の部屋に行くには丁度よい刺繍の施された薄黄色のワンピースとセットのショールを羽織る。髪もハーフアップにし、白い薔薇の生花を髪飾り代わりに髪に飾り、そして軽くお化粧をしてもらったところで教皇側の使者が綾の事を迎えに来た。
「レミア殿、教皇猊下の元までお連れ致します」
「ご苦労様です、教皇猊下のところまでお願いいたします」
そう言うと椅子から立ち上がり、クローラ女史をお供に使者の後について
白華の宮から渡り廊下を通り、暫く廊下を歩いて行くと白華より
奥に位置する場所に教皇の執務室兼私生活を送る緋蓮の宮があった
そして使者が綾を連れてきた事を扉の前で警護していた騎士の一人に伝えると
彼はそのまま部屋の中に入って行き、暫くすると戻ってきて教皇の元へ案内すると
先頭を切って応接間に案内してくれた。綾はニコニコと巫女モードで
「ありがとうございます騎士様」
「いいえ、お気になさらず」
笑顔で一礼し、扉の外に戻って行った
騎士が居なくなった部屋で、応接間のソファーへは座らず横に立った
この国のトップがまだ来ていないからである。
その間…綾は萌え死にかけていた!
正直今の笑顔と礼だけでご飯が食べられる!
ボイスレコーダーやスマホがあればっ!
一応学校カバンの中にはスマホがあるが…充電が出来ないため、電気を求めてスマホがストライキを
起こしていしまった…この世界では電気という概念がなく、基本的に魔力で日々の生活を営んで居る。そして聖樹に祈ることで祈りを聖樹が魔力へ返還し…循環するはずなのだが…フィークス神聖国の敬虔な信徒達達くらいだろう。勉強してきたことを少し思い出していると
綾が入ってきた扉とは反対側の扉から教皇が入ってきた。それに合わせてクローラ女史と共に
最高位の礼を取る。
「遅くなってすまない、レリア殿楽にすると良い」
「ありがとうございます、失礼いたします」
教皇は綾にソファーを勧めると自分も向かい側のソファーへ座った
そして、二人分の紅茶がセットされると「呼ぶまで誰もこの部屋に近寄らせるな」
と従僕の見習い神官とクローラ女史に退出と人払いを命じた
いきなりイケメン教皇と2人きりって…萌え死なない様気をつけねばとズレた決意した綾は
教皇と向かい合った。近くで見るとやっぱりイケメンだった!
ドキドキしながら教皇の言葉を待つと、教皇は紅茶を一口飲むと口を開いた
「呼び出してすまない…早速だが、君は一体何処の国の人間なのかな?聖樹の聖別をやらずに今まで白銀位であることを知らず暮らせる国はない、聖樹の聖別は各国の教会で行われる。子供を隠せば重罪だ、さて…もう一度聞こう君はどこの国の出身なのかな?」
穏やかだが怒りを含んだ声に少し怯んだ綾だったが、落ち着くために紅茶を一口飲むと
腹を括って深呼吸をしてから教皇に向き合い、今までの事を話し始めた。
「私はこの世界にある何処の国の人間ではありません、日本と言う別の世界の国から来ました。高校…高等教育を行う学び舎から家に帰る途中に光に包まれて気づいたらこの神殿の地下に居ました。その中で格が高そうな人に連れられてリーダス枢機卿の所に行って、白銀位だから巫女姫として迎えるって…だけど、翌日の礼拝の時、私は神殿前に倒れていてリーダス枢機卿が保護したと言われ、頭が混乱しました。私の中に二つの記憶があったんです。でも数日でそれもなくなりました。それと、自分の世界に戻るにはフィークス神に日々祈り、魔力を循環させて十分な魔力が満ちたらフィークス神が元の世界に帰してくれるっていってました。」
一気にまくしたてると、綾は紅茶を飲んで教皇の出方をみる
教皇は頭を抱えて「影の報告の一緒か…」と呟くと
「レリア殿、リーダスの言葉の半分は嘘だ…白銀位であるのは確かだろう、けれどその手に触れた時、貴女を操る術式を組み込んでいた可能性があったが…、何故か術が消えているようだ、術…傀儡の術は次期教皇になる貴女の後見人になる為に…帰還についても今は世界的に魔力が枯渇している、実は貴女がこちらに来た日に聖樹から魔力がごっそり無くなって枯れる一歩手前まで来ているんだ…今は少しマシだがね。」
「え?!ちゃんとお祈りしてれば帰れるって…それに聖樹が枯れたら世界が終わると習ったのですが…、後私は次期教皇になんてなりません!私この世界、この国でずっと生活する気はないです!」
綾は巫女姫レリアから綾に戻り思いのたけを教皇にぶつけた、一気にまくし立てた為息が上がって肩で息をしていた。
「私もレリア殿が自分の世界…国に帰れるよう尽力する。ただ、ここにいる間だけお願いがあるんだ」
「本当に帰れるようにしてくれるなら…」
「約束する」
教皇の強い眼差しに綾は静か頷いた
「お願いとは二つ、一つは私の次期として過ごして欲しい、二つ目リーダスに自分の術が掛かっていると思わせ続けること」
「…なんだか私を使って大鉈振るう気ですね」
「ははは、察しが良くて助かるよ、聖樹を枯らしかけた連中はこの国にはいらない、被害者のレリア殿以外はね」
「私もお願いがあります、聖樹を見てみたい…です…」
「その時は私と一緒です」
綾は苦笑しながら口約束では心配だからと誓約書(しっかり魔道具)を書いてもらい
教皇と握手をして誓約の言葉を交わすと、誓約書が光り正式な誓約書となった。
2枚書いたので、1つは教皇、もう一つは綾の手に渡ったのだった。
綾のお願いである聖樹への参拝までまだ時間があるので、そこからどうするか…
帰れる可能性が低くなったことに白華の宮へ帰ってから、綾は着替えることもせず
寝室でベッドに潜り泣きに泣いた、そしていつの間にか寝てしまった…
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