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滅びゆく世界ー巫女姫と魔術師の鎮魂歌ー  作者: 花菱(ハナビシ)
第一章 ~始まりと…~
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木々の囁き

 葬送花の儀式を終えて3日経った、教皇も帰国の途につかねばならず

最後に聖樹神殿の最奥にある

医局を訪れた、そこではまだ薬湯の満たされたガラスの筒の中で胎児のように体を丸る少女の顔をみにやってきた。彼女は薬湯の中で微睡んでいた…

教皇はガラスの筒の前で跪くと片手を筒に触れ、優しく撫でた


「聖女フォルビア…どうか次に会う時までご慈愛くださいませ…」


そう言うと立ち上がり帰国の準備を済ませた神官や巫女達の元へ向かうのだった。



ー―――――――



 一方シェルナ側は別の問題に直面していた。

ゼノラータ方面に放っていた影から戦準備を始めたとの知らせを受けたのだ

やはり魔力枯渇による護国の結界の弱体をあちら側に感づかれてしまったようだ。

今のところ準備だけのようだが、こちらの影の情報だと総力戦なみの兵を集めているようだ

狙いは聖樹のその聖女だろう。シェルナは小国だが聖樹以外にも鉱山資源、農耕と大国と差の

無い国力があった。その為、フィークス神聖国は聖樹を、ゼノラータは全てを欲している

それらを凌いできたのが護国の結界と呼ばれる国全土に張りめぐされた結界だ

シェルナ国の開祖が民の為にと施したこの結界は代々王家のものが管理、魔力の供給を

行ってきた。しかし、年を重ねることにその結界を維持できる王家の者が減った

その為、他の魔力持ちと共に維持をしてきた。この国を守る為に…


そして現在…現王は王家で久しく生まれなかった白銀(ミスリル)の子

自分の役目をしっかり教え込まれ、王として立つ


「やはり感づかれたか…そのうち開戦書が届いてもおかしくない…か…」


そう言うと一つため息を吐くと、これからの事を考える

そして大将軍と軍部に入った第二王子を執務室へ呼ぶよう侍従に伝えた



ー―――――――



 フィークス神聖国側では教皇が聖樹巡礼を終え、帰路に付いたことが知らされた

…が、聖樹の魔力枯渇は伏せている、シェルナ以外の小国群、ゼノラータ帝国…そして

一番あって欲しくない自国(フィークス神聖国)…が原因なのか…それとも女神がこの世界を

見限ってしまったのか…はっきりしないうちは混乱を招くということで、教皇は付き人達に

箝口令を敷いていた。シェルナからフィークス神聖国までは馬車で一週間ほど…


「これ以上なにもおきなければ良いが…」


教皇は祈るように自国への道をたどって行く

これ以上の聖樹の枯渇は世界の終わりを意味する…

女神と女神が宿る聖樹を信仰する者の最高位…世界の安寧を祈る者

その為に何ができるか…考える事しか今は出来なかった。



――――――



 辺り一面が薄青い世界その世界に唯一ある大木の根元で一人の幼子が泣いていた、薄茶のふわふわとした髪を結いもせず背中に流し、エメラルドの瞳からは大粒の涙がこぼれる。彼女こそこの世界を支えている慈愛の女神…フィークス…

一人ぼっちの彼女…そこへ深い海の色の髪をした少女が音もなく降りてきた。

彼女が歩くたび波紋が浮かぶ。

そして泣いている少女の元へ行き、薄氷の瞳に悲しみを滲ませ抱きしめ

背中を優しく撫で始めた…


「よく頑張ったね…もう、大丈夫だから…」


あやす様な優しい声音で落ち着かせるように背中を撫で続ける


『また…まりょく、もっていかれちゃった…きえちゃうかと思った…きょうだいたちみたいに…』


神代の時代には聖樹は各地にあり、その土地土地の者達が祀り

祈ることで聖樹はそれらを還元し魔力として世界に満たしていた…しかし

いつしか人は信仰を捨て、より良い土地を求めて戦乱が各地で起こった。

そして、一本一本と聖樹は枯れ落ちて行った…

神々は神託を通じて戦乱を止めようとしたが

信仰が薄れたことにより神託を受け取れる者が激減…

戦乱は止まることを知らず、ついに神々はこの世界を見限った…

聖樹の守り手である女神だけを残して新たな世界を作る為に世界を去って行った。

女神は己の身を分けて聖樹を各地に生やし、少ない信仰…祈りを魔力へ変えていったが

それでも足りず次々に枯れてしまった…


『このままだと…わたしも…おとうとやいもうとたちとおなじようにきえちゃうのかな…?』


自分を分けて創った弟妹達…それすら失い、女神の嘆きも深い


「大丈夫…私がそうはさせない…だから、今は眠りましょう?」


2人は抱き合った状態で樹の根元へ座り、深海(ふかみ)の少女がこの国の言葉ではない

言葉で歌を紡ぐ…優しく、静かな旋律、子守歌に合わせるかのように樹の葉達が揺れて

葉音があたりを満たす…フィークスが眠りにつくまで…






もう一人の主人公のターンはす。一旦ここでお休みです

お読みくださりありがとうございます!

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