葬送花
ちょっとしんみり系です。
聖樹が一気に枯れ果てそうになって2日後、シェルナの聖樹神殿で教皇を中心にの神職たちが、目覚めることのない眠りについた者達に別れの聖句を謡うように唱えていた。
聖句が終わる…静まり返った神殿内にチリィン…チリィン…と小さな鐘が鳴り、広間に反響する
棺は神殿の外に用意してあった馬車に乗せられていく、馬車は棺の数だけ用意してあり
最後の一つが馬車に乗せられると、鐘を鳴らす聖職者達は馬車の横に並び鐘を鳴らしながら
ゆっくりと動き出した馬車と共に歩き出す、それを見守り、送る王家の方々や各魔力位の者は白い花を馬車が通るたびに道に撒いて行った…そして最後の馬車が奥宮の門をくぐり、門が閉められるまで深く…深く…
頭を下げて見送った…
小雨の降る中での葬列…彼らの家族は家の前で待っている事だろう…国の為に引き離し、用が済むまで奥宮で囲われ、魔力切れになるまで家には帰れない。シェルナの為に子を差し出すのは
国の為だとわかっているが…なぜ自分の子が…割り切れない気持ちもあるだろう…奥宮に入れば手紙のみのやり取りのみ…そして今、馬車は各家に冷たくなった者達を乗せて大通りを進む…道端では民達が花束を道に手向けて、葬列を見送る…中には泣き崩れた女性を慰める男性が…そして一台の馬車がその女性の目の前で止まり、棺を家の中まで箱に込んだ
女性は彼女の好きな花が敷き詰められた棺の蓋を開け、数年ぶりに見る我が子の顔を見る
…16歳になった娘は女性によく似た顔立ちだった…
見間違えるはずもなく、母親は眠るような我が子を数年ぶりに抱きしめた…冷たくなってしまった体を…
…そして
「お帰りなさい…」
と涙ながらに声を絞り出して、漸く帰ってきた娘の頭を撫でる
父親も横で涙を堪えながら眠る娘の顔を眺めるのであった
それは彼女が埋葬されるまでつづく…葬送刻を知らせるの鐘の音が国中に響き渡ると共に大地へ還され、フィークス神の元へと旅立つ
我が子をそれぞれの親たちはフィークス神の元へ旅立つ我が子を見送り、子らの好きな花を墓所へ手向け…
国中が涙にくれ、それに合わせるかのように小雨が降り始めるのだった…
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