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第二話 ー 氷の世界(絵付き、重さ注意)

イラストが最下部にある為、ご注意下さいm(__)m


「ん、こん位なら平気でしょ。 マスターも言ってたけど、あなた達攻撃魔法得意みたいだし、問題無し!」

「ご、合格ですか…。」


 見ているだけしかできなかったが、シンは訓練前よりも格段に支援魔法を()()にした。

 反射的に防御壁バリアを張れるようになっているし、回復魔法の発動も速くなっている。

 体力も付いたようで、更に頼もしくなった。


「当然、他の聖職者ビショップ達に比べたら劣るけど、こんなもんでしょ。」


 シンはお辞儀をして、


「ありがとうございます、リティさん!」

「私からもお礼を言わせて下さい。リティさん、ありがとうございました。」

「いやいや、お礼なんていーの! じゃ、あたし次の仕事入ったから。 それじゃねー!」


 あっさりといなくなったリティさん。『あたしに任せなさい。』とギルドに登録しただけあって、仕事が忙しそうだ。






「いやー、最初は死ぬかと思ったけど、やってみると中々支援魔法もいいもんだな!」


 シンは背伸びをしながら、私に問いかける。


「そういやファル。 度々見掛けない事あったけど、どうかしたのか?」

「ああ、ちょっとリティさんの要求額が高かったから、金策してたのよ。」

「一人で!?」

「そう。どうしたの?」

「…実力は認めるけど、一人でできるなんて…俺結局不要じゃん…。」


 シンは何だか落ち込んでいる。


「さ、もう一度ギルドに行くわよ。」

「ファル、少しは察してくれ…。」




「”ライト”?」

「何度も世話をお掛けしてしまい申し訳ありません。 私達はそれが必要なのですが、強い魔力の溜まり場とかありませんか?」


 私は率直に聞いてみた。


「うーん、高難易度の洞窟等ミッションには沢山の魔力が集まるみたいだけど、私には何とも言えないな。」

「わかりました。 ありがとうございます。」


 ギルドを出てから、


「どうすんだ?」

「『凍てつく洞窟』にいってみましょう。」

「ってえぇ!? あの何千万中生きて帰れた人間が二十人位だっていう!?」

「私も怖いけど、”光”の為よ。 以前もそういう場所には二人で行ったしね。」

「そうだけど両立するとなると、うぐぐ…。」


 シンが何やらお腹を押さえている。

 お腹でも空いたのかな。





「ここが『凍てつく洞窟』か…。 うう、寒い。」

「炎魔法で暖かくすればいいんじゃない? 敵も氷属性だと思うし。 私も寒い、参ったわね。」


 言いながら、私は目の前に揺らめく炎の玉を作り出した。


「うん、暖かい。 …そうだ、シン。」

「ん?」

「早速出番よ。 炎属性の防御壁って張れる? そうしたら丁度いいかもしれない。」


 シンは動揺しながら、


「はぁ!? 俺、そんなん習ってねえ! 通常の防御壁だって最近覚えたばっかりなのに!」

「やれるだけやって見て!」

「うぅ…ファル…。」


 シンが唱えると、ヒビだらけの炎属性防御壁ファイアバリアが展開された。




「やめよっか。」

「同意。」





 洞窟の中は、予想通り氷属性の魔物が多い。

 炎魔法で倒しながら、慎重に進んで行く。

 カチャン、と時々氷柱の落ちる音。

 ヒタ、という水の滴る音。


 流石生存者の少ない洞窟である。

 魔物が次々と、それも大量に出てくる。

 攻撃魔法が得意な私達でも、魔物にてこずっていた。


「シン! 後ろの魔物を! それから回復魔法ヒール!」

「簡単に言わないでくれぇ!」


 今にも泣き出しそうなシン。両立しないのであれば、彼もこんなには戦闘で慌てる人間ではない。だから慌てているのは珍しいけど、仕方ない。

 彼には申し訳ないけど、両立してもらわないと厳しい。


回復ヒール!」

「ありがと! ごめんね、私も魔物倒すの頑張るから!」


 前方からなら私一人でも平気だけど、囲まれると厳しい。

 シンも言わなくても回復してくれたり、防御壁を張ってくれている。

 ただ、囲まれると後方のシンも攻撃に回る必要があったりと忙しい。

 二十人位しか生き残れない訳だ。

 一人勧誘するという手もあるが、私達にとっての『三人目』はーー。


炎神域ファイアサークル!」


 私は自分を中心に足下に広範囲の円を描いた。

 この魔法の効果中は、描かれた円に触れてきた魔物を一瞬怯ませる事ができる。


「シン!」

「あいよ、わかってまっせ!」


 シンは私が発動した円に乗る。


「そうだ! 何だかんだいっておいて、それで少しは凌げるじゃん!」

「ごめん、攻撃一辺倒だったから忘れてた!」

「オイオイ!」


 笑いながら突っ込んでくるシン。

ーー問題ない。途中まごまごしてしまったけれど、この魔法でペースは戻ってきた。

 一時は乱れてしまったものの、私達のチームワークに勝てるパーティはあまりないだろう。


 私はまた魔法を放つ。

 怯んだ魔物に、シンが追撃魔法で一掃する。

 隙あらば私は背後を見て、応戦する。



 ペースを取り戻し、私達は何とかボスのいるマップへと到着した。







 ボスはとんでもなく巨大な、かつ極寒の地に相応しくない炎を纏ったゴーレムだった。無闇に近付けない。

 部屋も広い。

 だけど、炎を纏っている事を除けば、巨大とはいえ普通のアイスゴーレムだ。




私はまず「炎神域」を唱えようとすると、


「おっと!」


 シンにゴーレムの巨大な手が振りかざされた。

 これはシンが反射的に防御壁で応戦する。


「ぐっ…重い…」


 ギシギシとした音が私にも伝わってくる。

このボスには、「炎神域」は無駄かもしれない。

 何故なら、実はこの魔法は詠唱が長いのだ。

 私は詠唱を解き、まずは頭を狙って一手。

 シンも続いて炎魔法を唱えた。


『グガ…グ』


 ゴーレムはよろめいている。

 このまま足を崩せたらーー


 と思った矢先の事だった。


 ゴーレムが、手元から氷の玉を投げつけてきた。


「うおっと!」


 また反射的に防御壁を展開させるシン。


「危なかった、助かったわ。」

「礼を言われるような事はしてねぇよっ」


 私はゴーレムの足元を狙い、魔法を放つ。


炎纏剣フレイムソード!」


 ゴーレムの足元が揺れているのを、シンは見逃さなかった。


「こいつもオマケだ! 炎破壊ファイアブレイク!」



 氷の世界に、爆音が響く。

 暫く腕で目を隠して、おそるおそる目を開けると、


「やったぜ、ファル!」

「本当!? クリアじゃない!」


 煙が引いていく頃には、ゴーレムはバラバラになっているのが見えた。


「あの纏っていた炎は? もしかして崩れて辺りに降り落ちたんじゃ…」


 その時、私は閃いた。


「もしかして、」

「そそ! 俺が結界張ったの!」


 シンは自慢げにポン、と自分の胸を叩く。


「ありがとう、流石リティさんが認めただけあるわね。」

「だな、それから”光”は?」

「そうそう、お待ちかねの”光”はーー。」



……………杖、無反応。



「ここでも無理か…。」

「仕方ないわね。 そこの転移装置ワープポイントで戻りましょう。」

「これだけはいつになるか、我慢しなけりゃいけねーな。」


 こうして「ミッションクリア」した私達は、街まで戻っていくのであった。







イメージイラスト:



まだ色を塗っていないのですが、イメージとして描いてみました。


・ファル


挿絵(By みてみん)


実際はもう少し吊目です。

見にくくて失礼;



・シン


挿絵(By みてみん)


男性を描くのが苦手な為ややいい加減気味に(^_^;)





次回の更新は少し遅くなります(礼)

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