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お姫さまの生まれたところは、よくある汚い町の中。
お姫さまの暮らしたところは、よくあるぐじゃぐじゃの家。
"王族"になる前の話。
お姫さまは、どこにでもいる娘さんだった。
ざわざわざわざわ
生まれる子どもを気にしないで、たくさんの人たちがうすいカベの向こうで何かしている。
猫を追いはらう、頑固そうなおじいちゃん。
それを残念そうに見守る、目の悪いおばあちゃん。
走る男の子は、「ひったくり!!」と叫ぶ男の人が追いかける。
そして12才になった娘さんは、そのぐじゃぐじゃの町の一員だった。
それはもう、すっかりと。
叫んで怒って、泥棒から弟たちを守る。
娘さんは、かけた窓を直すのが得意。
立てかけたドアは、蹴ったら家族総出で。
二日くらい、何も食べられないから、
弟たちは"ギャング"に入って、店の人たちに追いかけられる日々。
娘さんも"ギャング"に入りたかったけれど。
お母さんとお父さんが、そのことを必死に止めたので、けっきょく家の仕事をするばかりだった。




