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小さな国のお姫様  作者: うるいあ


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3

小さな小さなこの国には、昔からの決まりごとがある。

昔々からの決まりごとはいつのころからか法律というものになった。


『この国の姫は、16になるまで王家指定直属の、塔でその身を過ごす事。』


どうして16までなんだとか、

どうして姫だけなのか、

どうして塔ですごさなきゃいけないのとか、


そんなお姫様の疑問に、お姫様に従っているはずの"従者"は、首を振ってなぜだか苦笑する。


(馬鹿にしているって、分からないとでも思ってんの?!)

そう思いながらも、この塔に来てからもう半年たったお姫様は、"王族のたる"態度で、その従者にたちむかった。


「あら、そんな疑問も答えられないほど、ここのメシツカイは馬鹿なのかしら?

 しょせん『庶民』からのお姫様には、くだらない家臣しか与えてくれないのね」

その言葉にかぶさるように、従者は珍しく怒りだす。


「『庶子』であるからといって、王の御慈悲を疑うような発言はよしなさい!

 王は、貴方様をあの場から救い出し、この様な豊かな場所に連れてきたではありませんか!!」



豊かな場所とは、どの様なものだろうと、姫は自嘲を含んだ笑みを人知れず浮かべた。


確かにここには、飢えがない。

確かにここには、医者がいる。

確かにここには、盗人はいない。

確かにここには、輝かしいばかりの品々が並ぶ。


そしてここに、家族はいない。

"王族"の為の、従者が存在し姫を矯正する。


何が豊かか。

何が貧しいか。

この世界はよく分からない。


正反対の世界は、よくは知らない。


姫は塔から出てはならぬ。

16歳という年齢を超えるまでは、その身を他においてはならぬ。


さて、この例外を法律はどう考えたのだろうか。

姫は目を伏せようとして目の前の従者に気づき、その態度を"王族"らしい横柄なものに変えた。

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