表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな国のお姫様  作者: うるいあ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/19

16

 夜の光は薄暗く、くらくらとただかぶせた布が揺れた。そこから差し込む光は月の光。ひとすじ、ふたすじの光が、交互に揺れて廻る。

 お姫様の住む場所は、塔だと決められていたし、その塔の大きさも限られている。だからお姫様の部屋は誰かが住む前のように、モノがきちんと並んでいた。お姫様さえいなければ、ほんの少しのホコリがかぶるだけで、そこは何十年も誰もすまない物置に見えるだろう。手を加えればきれいになるかもしれない。でもお姫様はソレをしない。この場所が自分にはふさわしくないと思っていたし、どの道あと数年のことだとあきらめていたのだ。

 それは一国の姫が暮らすには、簡素すぎる住まいだった。

 その簡素な中なので、光が踊る様子は、よりいっそうきれいだとお姫様は思いました。

 だけれどそのきれいな光をにらみつけるように顔をしかめて、お姫様は呟きました。

「眠い」

 イヌだったら、グルルと鳴いているところである。

 昔々、お姫様が街のお嬢さんだったころは、こんな真夜中の夜に、良く逃げ出したものでした。月の光が明るい夜や、星の光がピカピカと瞬く夜などは、キョウダイだと思っていた男の子や、近所の女の子達とこっそり抜け出し遊び倒したものです。

 それでもその習慣は、もうお姫様の身体にとっては遠い過去のものなのです。

(どんどん変わるのね)

 いっそお姫様は淡々と、その事実を受け止めます。

 それは状況になれただけなのか、それとも生活習慣が改善されているものなのか。お姫様にはよく分かりません。とりあえず今日だけはしっかり起きていようと、お姫様は目に力を込め、耳を澄まし、時折手を動かしました。

 それでもいちおう、眠ったフリはしなければいけないので、お姫様は大変です。

 その買いあってか、幾度かソレをしているうちに、時はやってきました。

 耳を澄ましていなければ、気づかないようにそっと。

 ソレが気のせいかと思う前に、一片の花びらはお姫様のベットに降りてきました。

(きたきたきたー!)

 ドキドキするお姫様の鼓動に、予想外です。

 その相手に聞こえてしまうのではないかと、お姫様はあせりました。なにぶんこんな緊張は久しぶりです。眠り続けてチャンスを見なければ、じゃじゃっじゃーんじゃん!やばいじゃーん! ドキドキしながらも、お姫様はチャンスをうかがいます。

 そのうち降りてくる花びらの数は増えました。しかしソレはゆっくりと。ゆっくりと

 遠目に映る一筋の光は、窓を離れるにしたがって淡く闇と同化する。ひらひらと舞う花々は、その光と影を一身に受けて踊る。

 さて指揮者は誰だろう。

 意を決したお姫様は、 淡く光を反射する花の色は明るい。寝返りを打ったふりをして、月の光、姫はそれをもつ人の顔を見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ