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小さな国の、小さなお姫様は、小さな塔から出た事がない。
それは掟。
姫は人目に触れてはならぬ。
近しい者以外接してはならぬ。
この大地を踏み、
その手を下ろし、
草の感覚を味わってはならぬ。
それは昔々からの決まりごと。
お姫さまは、16まで塔の中。
かごの中の小鳥は、そこから出られないから。
小さな小さな時からオリに入れたら、
どこにだって逃げられないでしょ?
窮屈なオリしか知らなければ、
大きい世界に踏み出す事なんか、
恐くなるでしょ?
小さな国の、小さなお姫様は、小さな塔から出た事がない。




