07.僕らしさって
クラスに、よく話す女の子がいる。厳密に言うと、よく話しかけてくる女の子、だと思う。
別に、彼女に対して特別な思いは何もないね。親友とはもちろん、友達とすら思ってない。
僕は、いつも一人でいるはぶれ者。彼女は、クラスみんなを気にかける委員長。
そもそも、住んでる世界がまず違う。
そんな彼女は僕に対して、よく、らしいね、とか、らしくないなぁ、と言う。
ねえ、『僕らしい』って何さ。聞いてみると、君のいつもの行動から、君はこういう娘なんじゃないかな、って思ったことだよ。そう返ってきた。
なるほど、そうなんだ。僕は、納得した。
――ん? ちょっと待って。
「ねえ、僕らしさって、僕の行動パターンなの?」
答えは、うん、だった……。
8割くらいは合うんだって。
ちなみに、僕のことをどう思うかを聞いてみたら、考え方とか他の子と違ってて、量産品じゃなくってオリジナルみたい、だって。
やっぱり、ちょっと酷くないかな? 人のことを、量産品って……。
普段穏やかなのに、時々凄まじいことを言うから、やっぱり人は見かけによらないな……。
彼女、やっぱり怒ったら怖いのかな……