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61.人間、いつかは必ず死ぬ

 これは、僕の知人の話なんだけれどね。


 その人は、脳に生まれつきの病気を持ってたんだ。

 脳神経系の病気でね。基本症状が出ることはないらしく悪化することなんてまずないものなんだけれど、何かの拍子に一気に悪くなるかもしれない。


 病気自体が、フリー百科事典に載ってないくらいの認知度の低さだから、詳しいことはわからないんだけれど。もしかしたら、近くの血管を出血させるかもしれない。

 そうなったら、その人はすごく苦しむんだろう。気づかなかったら、そのまま死ぬ可能性だってある。


 例えるなら、いつ爆発するかわからない時限爆弾。それを、その人はいつも持っている。

 もちろん、爆発しない可能性も高いんだけれど、仮にその病気が『悪化』したら洒落にならないのは間違いない。


 それを知ったとき、僕は、その人に長く生きてほしいと思った。少しでも人生を有意義にしてほしいと思った。

 自殺することは、その人にとっては何よりももったいないことだというような、すごく無責任なことを考えた。


 実際、その人は、『生きたい』って泣いてた。

 死なないかもしれないけれど、もしかしたら死ぬかもしれない。そんな状況下に置かれていると知って、死にたくないって泣いていた。


 その人はきっと、これから先、いつ来るかわからない『終わり』に怯えながら生きていくんだろう。

 責任なんて取れないけれど、僕はその人に少しでも有意義な人生を送ってほしいと思う。


 そして、僕自身も、限りある人生を全力で駆け抜ける覚悟を決めた。


「人間、いつかは必ず死ぬ。終わりがいつ来るかなんてわからない。だから、自分の手で終止符を打つのはあまりにもったいないし、ちゃんと全力で生きていきたい」

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