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46.世界にひとつだけの
いつの時代も、対人関係の悩みを抱えている人が多いよね。
だけど、誰にも相談しないで、ひとりで抱え込んで、答の出ないようなことを悩んでしまう。
それで苦しいのも我慢……
別にやめろとは言わないけれど、僕は、あまり我慢してほしくはない。
ずっと耐えていても、そこに居る限り、いつか苦しみを溜めるコップが割れてしまうから。
それで壊れてしまうのも、死んでしまうのも絶対にやめてほしい。
苦しいのなら、耐えられなくなる前に逃げて。
居場所なんて探したり作ったりしたらいくらでもあるけれど、命はひとつなんだから。
存在に替えは効かないんだから。
「世界にひとつだけの命なんだから、何が何でも全力で護って。世界中で何よりも大切な命を護るためなら、逃げたっていいんだ」
僕はすごく無責任なんだと思う。
けれど、静かに燃える灯火を消してしまうのは、本当にやめてほしい。
抵抗しても、逃げても、人を頼ってもいい。いいんだから。
どうか、生きて。死なないでほしい。
生きている限り、なんでもできるんだから。望む形に変えられるんだから。




