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34.世渡り上手な利口になるくらいなら
世の中を上手く生きていける人は、世渡り上手だ、なんてよく言われてる。
その方が生きていき易いんだろう、数々の成功を収め、上へ、上へと上りつめていく。
人は、そんな人々を、利口だと形容する。
頭が良くなれよ、そう人は言うけれど、良くなり方は2つある。
1つ目は、知識をよく身につける、っていう方法。
2つ目は、生きていき易くするための知恵を身につける、って方法。
大きな評価を得られるのは、いつだって後者だ。
そして、先に挙げた利口な人は、後者の方だ。
利口でない人、つまるところ世渡りが下手な人は、馬鹿だって言われることがある。
自分の考えを曲げまいとするような奴は馬鹿だ、って。
たしかに、その通りなのかもしれない。
利口な方が成功を収めることができるし、無駄な争いを起こさなくて済むからね。
でも、そのために、僕自身の意見を曲げよう、なんて思えない。
「世渡り上手な利口になるくらいなら、自分の意志を貫くような馬鹿になりたいね」




