33.僕の声を
警告:暗いのが苦手な人、即逃げてください。
こんな世界に生きてて、何が楽しいんだろう。
そう思うことが、何度も、何度もある。
小さな箱に閉じ込められて、身動きが取れないまま、すすり泣く声も誰にも拾われないで、壊れたようにくつくつと嗤い出す……
その時の心境って、実際、そんな感じ。
最近、訳もなく口角が吊り上がることが多くなった。
絶望したからでもない。何かを企んでる訳でも、人の不幸を悦んでる訳でもない。
でも、僕は、これを知ってる。
平面世界でだけど、いろんな所でそれを見てきた。
それは、自分自身の正しさを見失って、すべてに無気力になって、今までの価値観を一変させてしまうようなもの。
自我崩壊への序曲――
まだ、壊れたくなんかない。
やりたいことがたくさんあるんだ。
――はずだ。
でも、わからないよ。
本当は何をやりたいのか。
何を目指して今まで戦ってきたのか。
志って、何なのか――
日々、叫んでるつもりさ。
でも、僕の中から出てこない。
言っても無駄だ、なんて思ってしまう。
それでも、聞いてほしいんだ、僕のことを。
知ってほしいんだ、この情けない僕を。
「僕の声を聞いてよ! ねえ! お願いだから、誰か――」
たぶん、誰も聞いてくれないんだろう。
口から出さないと、文字に起こさないと伝えられないのに、それすらできずにいるんだから。
けれど、せめて、これだけでも届いてほしい。
口から出ることもできないで、ただ虚空をさまよい続ける、この声の、微かな、微かな何かだけでも――




