29.正義なくして
アニメや漫画、ゲーム、ドラマ、そして小説……
元からこの国には娯楽が多くて、それらはいつも僕達に、違った世界を教えてくれる。
それらで多く正義と悪が語られるけれど、これにもやっぱりパターンがあると思う。
どれも、正義と悪が固定されていて、正義は必ず勝つ、っていうパターンがね。
今、これを読んでくれてる皆に質問。
正義と悪って、どう決まると思う?
もしくは、この2つって、一体何だと思う?
僕は、まあ、勝手な意見だけどさ。
悪って、元々は存在しないんじゃないかな。
もちろん、悪いことをしようとして行動しているのはまた別だよ。すでに悪いって言っちゃってるしね。
でも、歴史上でも、物語の中でも、元から人が抱いてるのは、自分自身の正義だよね?
そして、それらがぶつかって、勝った方が、後世に正義として語られる。
幕末、幕府と薩長が戦って後者が勝った。
その時から随分としばらくまで、前者は悪、後者は正義って言われてきた。
何も、幕府は悪いことをしようとなんて思っていなかった。ただ、幕府の正義が、薩長の正義に勝てなかっただけだ。
勝てば官軍、負ければ賊軍。ほんと、よく出来た言葉だと思うよ。
「正義なくして悪は生まれない。異なる正義が衝突して、敗れた方が悪になるだけさ」
つまり、勝った方が正義。
勝てば正義となり尊敬の対象となる。
負ければ悪となり嫌悪の対象となる。
正義だから勝つんじゃないんだ。
そして、それは今も同じ。
昔っから、なんにも変わってなんかない。
思想が異なることなんて当たり前なのに、白黒つけようとするのが、人間の面倒臭い性。
そして、繰り返すようだけど、勝てば官軍、負ければ賊軍なんだ。
結局、本当の正義なんて、本当の悪なんて、存在しない。




