23.人を下に見てる間は
まず初めに、今、これを読んでくれてる皆に質問するよ。
君は、『あいつは自分より下だ』って思って安心したこと、ある?
まあ、当然、あるだろうね。
自分の地位や利益を求めるかぎり競争がなくなることはないし、他人とどこかで勝手に勝負して、相手を自分より下だと見ることで優越感を得て満足するのが人っていうものだからね。
でも、その自分よりも下の人が、ずっと下のままだっていうことはないんじゃないかな。
下を気にしてる間は、自分より下の奴がこんなにいるから大丈夫だ、というふうな安心感を得てしまう。
その下の人たちの順位が上がってきたら、簡単に追い越されて逆転してしまう。
上を気にしてる人は、まだこんなに上がいるってことを知ってるから、もっと上へ、もっと上へと思えることも多い。
こうなると人は成長し続けることができるから、自分の方が勝まさってると思ってる人を抜くことだってすぐにできちゃうかもしれない。
スタートラインが元の順位だったとしても、下を見て安心してる『強者』と、上を見て成長し続ける『弱者』となんだから、途中で逆転することだってあるわけだ。
その後は、上を見てる人は成績を伸ばし続け、下ばかり気にしてる人は、まだ下がいるっていう優越感に浸って、成長しようとはしないから、その差はぐんぐん広がっていく。
「人が上にいくには、成長することが大切。けれど、人を下に見てる間は、そんなことはできやしないよ。変な優越感に浸っちゃうからね」
基礎能力差の壁は厚い。でも、人は、成長することによってだけ、それを打ち破ることができるのさ。
だから、成長しようとしない奴は、どんな結果になっても文句なんて言えやしない。




