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02.傍観者でしかいられないなんて
地元の図書館に行ってきました。
目の前で、子供が泣きじゃくっていた。
その子のお母さんは大急ぎで図書館に入っていった。
僕は、ああ、お母さん、急いで本を返しにいったんだな。そう思った。
でも、その子は、そんなことも知らなかったんだろう、へたり込んで、大声で泣いていた。
横を通っていく人たちは、そんなその子を見て、可哀想に、この世の終わりだ、と笑って通り過ぎていった。
許せなかった。抗議しようと思った。
でも、できなかった。
僕は、その子に何もしてなんてやれなかったから。
その子のお母さんが図書館へ入って出てくるまでのおよそ1分間、ただ立ち尽くして見てることしか、僕にはできなかった。
なんだ。結局、一緒じゃないか。
ああ、情けない。
「傍観者でしかいられないなんて、僕はほんとに、弱虫だなぁ……」
ああ、自分を変えたいな。