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19.生きるに越したことはないよ。でも
よく、生きろ、って言う人がいるよね。まあ、僕もここで言ったことがあるけども。
僕は、明日があるかわからないんだから生きろ、って言った。
人は、明日があるんだから生きろ、って言う。
人が言う方が無責任に思えるんだけど、所詮は五十歩百歩だよね。
実際、死んだらそこで全部終わっちゃうし、逆に、生きてたら何か変わるかもしれない。
そのことは、夢物語と切り捨て難いし、そうするのは、なんかこう、惜しい気がする。
けれど、生きることの意味がわからない。僕が生きているってことに、何の価値も見出だせないんだ。
だから、時の流れに身を任せているような感覚に、どうしてもなってしまう。
「そりゃあ、生きるに越したことはないよ。でも、それに意味があるのか、正直不安なんだ」
生きてる意味がないのなら、僕はいなくていい、ってことになる。
でも、意味があるのかないのかすらわからないから、どうしたらいいのか、わからないんだよ。
実際、生きる意味ってあるのかな、ないのかな。