13.大切なのは
世の無常を嘆く人がいる。
文字という名の声無き声で、心に支えるものを吐き出そうとする人がいる。
ある人はこの世にすっかり失望し、またある人は、世界を捨てきれずに葛藤し続けている。
自分の思っていることが馬鹿にされるのを恐れて、誰に何を告げることもできない。
自分の思っていることを馬鹿にされて、その人だけじゃなく、自分を含めてすべての人が嫌いになる。
ああ、なんて無情で、悲しいことだろう。
無責任だろうけど、僕の話をさせてもらうよ。
初めて中二病って言われたのが、小学校三年生の時。好きな漫画の話をしていたら、その一声で吐き捨てられたね。
ああ、気の合わない人もいるんだな。その時は、悩むことなく吹っ切れた。
それから7年経って、今じゃ親兄弟にまで中二病呼ばわりされる始末。
元のゲーム漫画好きが悪化したせいってのもあるんだけどね。
年齢に合わない評論本や、みんなが勉強のためだけに使う辞書を休み時間に読んでいて、変わり者のレッテルを貼られたのが小5の時だったから、それからでも5年経ってることになる。
さすがに、疲れてきたさ。もう、消えてしまいたいと思うときだってあるしね。
でも、何と言われても、何度蔑まれても、僕は、自分の意志を曲げたことなんてない。
誰が何と言おうが、僕の心には関係ないから。
自分の意志を貫くことは、馬鹿にされていいはずない。なーんて大層なことは言えないよ。
けれど、その意志にさ、他の人は、まったく何も関係ないよね? 価値が上がるかどうかは、持っている人がどう思うか次第だから。
「人になんて言われたって構わないじゃんか。大切なのは、どう思い、どう在りたいと願うかさ」
たったそれだけを心に決めれば、どんな敵とも戦っていけるんだ。
すべては、心の持ち方次第。今回は、そんな話。