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第2話 急いで助けないと食われるらしい

魔王「ふははははは!!死ね死ね死ねい!!」

 魔王はノリノリで極大火炎魔法をそこら中にばらまいていく。停止した世界は町のオブジェを灰色にして表面を氷漬けにしたような印象だ。

 その氷部分に攻撃したりかみついたりしている白いモンスターが、蛆や蠅のごとくたかったいる。


 魔王の攻撃はこいつらに対してのものだった。レベル1500級プレイヤーでもおそらく素で食らったら一発で50回くらい爆死する爆炎をもってしてもこいつらは即死しない。俺もさっきから愛剣・マキシマムペイン13で攻撃しているのだが、すさまじく硬い。

 リルに見栄を張るためにマックス改造をした結果、神器といっていいレベルの火力の剣になっているのだが・・・。それこそこれが当たれば目の前の魔王ですらしばらくひるむほどの破壊力である。それが、目の前の雑魚にほとんどきかないのである。10発殴って倒せたらいいほうである。


「おい、魔王!!硬いぞ!?」

魔王「千里の道も一歩からだ!殺せ殺せ殺せ!!地道にやっていればいつか滅びる!!」

 魔王のくせに正論だか根性論だかわからない台詞を放つ。


手下の髑髏騎士達も善戦してはいるがいかんせん旗色が悪い。こいつらも魔王には程遠いが、ボス格の戦力なのだが、1対1ではやや分が悪いようだ。

 いかん、何体かやられてる。

「俺は骸骨騎士の援護をする。魔王はなるべく早くあいつらを削ってくれ!!」

魔王「命令するなクソヒューマン。誰に言ったか思い知らせてくれるわ。必殺、魔王スペシャル!!」

 言うが早いが一匹の白い蟹みたいな敵をつかむと(といっても5mくらいのサイズなんだが)そのまま上空に放り投げ、目からレーザーを照射する。そのまま空中に魔方陣が浮かんだあと、白い蟹みたいなやつは木端微塵に爆散した。

 あいかわらずアホみたいな攻撃力だ。

 骸骨騎士と白いアリ(これも3mくらいある)が2対1で苦戦してるのを見た俺は素早く白いアリの後ろに回り込んでマキシマムペイン13をたたきこむ。

丁度首の付け根に直撃したのか、頭が落ちたものの、まだ動いている。首の傷に何度も剣をぶちこんでようやく停止した。

 その後、イラついた魔王が町ごと核爆発呪文で粉砕して白いモンスターは全滅した。


「なあ、最初からそれでよくなかった?」

魔王「あれは使うと腹が減るのだ。あまり使いたくない」

しかし、魔王の攻撃をうけても封印された町のオブジェは無傷だった。

 時間が止まってるせいか、あの白いモンスターに壊されたところ以外は無傷というチート。

「で、どうやって封印をとけばいいんだ?」

魔王「あの白いのを倒したからな。ほっとけば数日で戻るはずだ。城の周りを解除するのに1年かかってしまった」

 魔王の火力でも魔王城の周りを解除するのに1年・・・これは本当に先が長そうだ。

ん、1年だと?

「この時間停止から1年経っているのか?」

 魔王はアホを見る目で俺に視線を送る。

魔王「正確には時間は動いていないから1年分の時間エネルギーがすぎた・・・ということだがな。たまたま移動してきていたこのあたりは浸食が遅かったが、始まりの地はだいぶ食われてしまっただろうな。あの白いのにかじられたところはもとに戻らないのだ」

 まさかとは思うが、始まりの地とは・・・。

「始まりの地ってどこだ?あれに食われると人はどうなる?」

魔王「帝国の首都エアストだ。動いてる者であれば回復呪文などで治るが、封印中の者がかじられるとそこは治らなくなる。ほれ、この角の先っちょを見てみろ?ちょっと欠けただろう?」


 そういって魔王が見せた角の先っちょはわずかに2mm程度の傷が残っていた。

「・・・それあいつらにかじられたのか?」

魔王「うむ、起きたら頭に白いカブトムシみたいなやつがかじりついていたのだ」


 リルが危ない!?

時間無制限かと思ったが、場合によってはリルが食われてしまう。幸い帝国と俺達のいた王国では距離が魔王城よりも離れているため、希望は持てるが・・・。


魔王「なんにせよ、補給線と領地を確保しながら進まないことには進めないぞ」

 魔王の癖にまともなことを言ってきやがった。



 魔王城


晩餐会中


魔王「今日の勝利を祝って宴じゃああああああああ」

どうやら出撃するたびに毎晩宴らしい。


側近「魔王様、鎧を脱ぐのはよろしいですが、部下に投げつけるのはおやめください。貴方の力で投げ飛ばされた鎧とか、砲弾より性質悪いですから!?」

 言ってるそばからテンションあがって肩アーマーを投げる魔王。


ドガアアアアアアン


盛大な音とともに城の外壁が吹っ飛んで行った。


うるさいし危ない。しかし飯のうまい城でよかった。変な肉とか目玉とか食わされるかと思ったが、ちゃんとした飯が出た。セーフだ!!

「魔王、俺は人を探している。他はどうでもいい。王国に行く方法を教えてくれ」

肉をむさぼりながら魔王に話す。魔王はマスクの隙間から血だかワインだかわからない物体をザバザバ流し込んでいる。

魔王「無理だな。とりあえず港まで進軍するからそこまで付き合え。そこからどこへなりとでも行くがいい。陸路がすべて塞がってるのが現状だ」


 ちなみに魔王城は陸上巨大戦艦だ。全長500m、積載魔族数30000人といったメガトンクラスの火力を満載している。火力、防御力ともに隙はなく。ゲーム中も苦しめられた。しかし、封印の地にいくと、壊せないオブジェクトのせいで移動できなくなってしまうという。解除するためには白いモンスターの駆除が必須となるわけだ。


「わかった。そのかわりマッハでやるぞ」


 俺はリルに早く会いたかった。それ以外はどうでもよかった。


魔王「うむ、じゃあ明日も虐殺だ、とりあえずぶっ殺す」


 こうして俺は王国を目指して封印解除の開拓使になったのだった。


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