思考のるつぼ
女がいる。
いや、女じゃなくてもいい。
男でも成立する。
でも男だと読者は身構える。
やっぱり女の方がいい。
最初は被害者だと思わせたい。
いや違うな。
被害者に見える加害者。
そっちの方が好きだ。
最近そういうのばかり考えてるな。
人間は自分の欲しいものを創作に出すとか聞いたな。
なら私は何が欲しいんだろう。
支配か。
理解か。
違う。
答えだ。
答えが欲しい。
だからミステリーばかり書くのかもしれない。
そういえば女の名前どうしよう。
千尋。
いや多い。
美咲。
これも多い。
名前なんてどうでもいいか。
どうせ最後に死ぬし。
待て。
死なせる必要あるか?
死体がない方が怖いんじゃないか。
失踪。
いいな。
失踪。
でも失踪は理由がいる。
理由。
理由。
人間は理由が好きだ。
でも現実の人間は、 案外理由なんかなく消える。
突然いなくなる。
恋人も。
友達も。
親も。
なら理由なんかなくていいのかもしれない。
いやダメだ。
読者は納得したがる。
納得したい生き物だから。
現実では納得できないくせに。
変なの。
あ。
待て。
これいいな。
主人公は妹を憎んでいる。
ずっと。
親の愛を独り占めした妹を。
でも読者には隠す。
優しい姉に見せる。
最後にひっくり返す。
いや。
違う。
それだと弱い。
妹も姉を愛している方がいい。
憎しみは一方通行より、 両想いの方が痛い。
書けそうだな。
忘れる前にメモしないと。
でも本当に書きたいのは、
妹の話じゃない。
私がずっと羨ましかったものの話だ。
ああ……
また
今夜もこんな時間まで
眠れない……。




