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いつまでも好きだと思わないで

作者: 羽倉了
掲載日:2026/04/03

リリーロズとロバートは幼馴染みで、そして両想いだった。

だがロバートが一年先に学園へ行き、リリーロズも一年遅れて学園へ入学すると、ある噂が広がっていた。

ロバートとマヤリーンは恋人同士であると。

リリーロズは二人を見た。イチャイチャと広場のベンチでクッキーを食べさせ合い、そしてキスをしているのを。

リリーロズは泣いた。偶々通りかかった男子生徒が心配するほどに。

それがアルバートとの出会いだった。

アルバートは伯爵家の次男であり、将来は父親が持つ子爵を引き継ぎ、飛び地の領地の当主になることが決まっていた。

リリーロズは領地経営について勉強し、アルバートと意見交換をすることが何よりも楽しみになっていった。

卒業が近づくと、二通の手紙が届いた。

一つはロバート。もう一つはリリーロズを婚約者にしたいというアルバートからの手紙。リリーロズはロバートの手紙には見向きもせず、アルバートの手紙には返事を書いた。後日、アルバートの父親から正式な書簡が届き、リリーロズは喜ぶ。それを複雑そうな顔をしつつ、リリーロズの父親は了承の返事を送った。

卒業式に向けてアルバートからドレス一式とアクセサリーが届いた。それと同じにロバートからもドレス一式とアクセサリーが届いたが、リリーロズはそれらを全て送り返した。

「リリー! どうして無視するんだ!」

卒業式の会場で、ロバートがリリーロズを見るからに怒鳴りつけてきた。

眉を寄せるアルバートは驚くリリーロズを背中に隠す。

ロバートは眉を寄せる。

「僕はリリーに話があるんだ! 関係ない奴は引っ込んでいろ!」

ロバートは気づかない。二人が互いの色を纏っていることに。

「リティは私の婚約者だ」

「はあ!?」

「君はマヤリーン・トレイロ男爵令嬢と恋人同士だろう?」

ロバートは言葉を詰まらせる。

「彼女は、ただの友人だ。恋人じゃ、ない」

「だが仲良くしていただろう? それも、リティを放って」

「そうだ! リリー! いつこいつと婚約したんだよ!? 僕たちは両想いだったじゃないか!

リリーロズはアルバートの背中から前に出る。アルバートは心配そうな顔をする。

「何もなければ、私とロバートは婚約するはずだったわ」

「ほら!」

「でも! ロバートは、私以外の女の子の所に行っちゃったわ」

「だから友人だと言ってるだろ!」

「私がいるのに、クッキーを食べさせ合ってたのに? キスをしていたのに? そもそも二人は恋人だと噂が立つほど仲良くしていたのに?」

ロバートは言葉を詰まらせる。

「それは……でも、友人だ! 結婚するならリリーがいい!」

「いつまでも好きだと思わないで」

ロバートは顔ご引きずる。

アルバートが肩を引いて、リリーロズはその場から立ち去った。膝をつくロバートに、リリーロズは振り返ることはなかった。

だが、愛おしそうに見つめるアルバートに、リリーロズは愛おしそうに見つめ返すのだった。

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