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適正給料額査定マシーン
とある企業が社員の働きを賃金に変換するAIを作成した。
社長は喜んで社員のデータを入力し、より現実に沿った給料体系が実現するとほくそ笑んだ。
最初に算出されたのはバイトの男子高校生。
「時給一二〇〇円での彼の働きは、時給換算で一九〇〇円です」
「素晴らしい! 彼が働くだけで我が社は七〇〇円の儲けだ!」
社長は喜び次のデータを一つ選ぶ。
「月給三五万円の営業課係長の働きは、月給換算で二八万円です」
「信じられん無能だ! 人事はなんでこんな奴を出世させた!」
一通りの社員の給料と働きを見比べた後、社長は最後に自身の働を現金化させた。
「年俸一億五〇〇〇万円の社長の働きは、年俸換算で一二五〇万円です」
「…………データ入力を間違えたかな?」
社長は自分のデータをより細かく入力する。
「年俸一億五〇〇〇万円の社長の働きは、年俸換算で一二五〇万円です」
「年俸一億五〇〇〇万円の社長の働きは、年俸換算で一二五〇万円です」
「年俸一億五〇〇〇万円の社長の働きは、年俸換算で一二四九万円です」
繰り返されるAIの答えに社長は溜息を吐いた。
「高い開発費を費やしたのに、これは失敗作じゃないか」




