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初仕事

里帰りとも違うなんともいえない感覚だった。人類の中で自分だけはポロンやトレー、ミラーと親しくなった。共に食を囲み、会話を積み重ねると、自然と信頼関係が出来るのは、全世界いや宇宙共通のようだ。

今回は採取同行なので、トレーとミラーと一緒だ。何度も言うが、Z星人にとっては2日でもヒトにとっては20日間の旅だ。その辺りの感覚はまだよくわからない。

トレーの話では、Z星では新しい補完材料の到着に今か今かと待ち構えているらしい。ペットショップのような販売のお店や、飼育の為のアイテムを作る工場など我先に建設されていることも聞いた。

なんせ300億人が望んでいる巨大市場なわけだ。当然繁殖の技術も必要になる。

ワタルはそんなことをぼんやりと考えていたら、なぜだかギン先生の顔がふと浮かんだ。


「さぁ到着したぞ!」トレーの声がした。「ワタル、いよいよ初仕事だ。しっかり頼むぞ」そういうや否や、3人は艦の外に出た。ブラック、イエロー、ホワイト色で分けると3種類存在するヒト。まずはホワイト種を捕獲しに来た。国で言えば欧米あたりだ。ワタルは今まで海外には行ったことはなかったが、まさかこんな形で行くとはなぁと、おもわず苦笑した。

 トレーとミラーの仕事は早かった。あっという間に100万人が収容された。その後もユーラシア大陸、アフリカ大陸と次々とそつなく捕獲し、300万人捕獲した。

当初の計画では、オスのみだったが、ヒトの場合、高度な思考と非認知能力も高いという事、何より80億では足らないので、繁殖の事を考えるとメスも捕獲するべきだという意見に伴い計画は変更された。

かくして一行は300万人のヒトと共に帰還を始めたのである。


地球では当然のことながら世界中が大パニックに陥っていた。なんせ1度に300万人の行方が分からなくなったのだから。各国のニュースでも、「神の仕業か!悪魔の仕業か」、「宇宙人に連れ去られた」とか「人間に扮した地底人が一気に地下に潜った」など普段なら陰謀論とか漫画の見過ぎなどと言われるような見出しを真剣に語っていた。人間というのは全く分からない事柄でも、なんとかこじつけてつじつまを合わせようとする。分かったつもりになりたいのだ。

そしてその結果、「何者」かに連れ去られて消えたという事にした。なのでそれに沿った対策の準備が必要だとそれぞれの国の首脳は訴えたが、いざやるとなると、「やれ機密情報が・・・」とか「我が国は後方支援に尽力する・・」などの意見が大半で、全くまとまらない。こんな未曾有の危機でも所詮こんなものなのだ。


そうこうしているうちに、その後さらに3000万人のヒトが一気にいなくなった。

その時はワタルは同行していなかった。ワタルは送り込まれたヒトの飼育方法をレクチャーすべくポロンとアガルと共に東奔西走していたのだ。

しかし今回、一瞬ではあるが艦を人類に目撃されてしまった。


偶然にも「何者かに連れ去られている」という仮説が当たった。しかし当たったはいいが、その捕獲方法も、時期も、何もかも分からない。それにしても300万人にも驚きだが、3000万人を一気に運ぶ方法など人類の誰一人として思いつかなかった。















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