表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

観察

地球上での人類はまさに最強。短期間で生物界の頂点に上り詰めた。このことは誰しも疑いなく思う事だろう。王者として君臨し、地球上で自由にふるまい。自身の思うがままに活動してきた。そんな日は「ある日」脆くも崩れ去り、突然の終わりを告げる。人類が同種を威嚇するために地道に開発してきた武器などは全く効果なし。AIを駆使した作戦も次の瞬間には全く効果なしだった。すべてを悟った人類は、足元を静かに列をなして歩いていたアリに自身を投影させるのであった。

 この広大な宇宙に存在する生物は我々人類だけか?そんなことを問うと、皆こう言うだろう。「いやぁ、どっかに宇宙人はいると思うけどね、確証はないけど」。まぁ無理もない。見たことが無いのだから。

けれど、実はそんな惑星は無数にあるのです。更に我々人類の文明など超越している星だってたくさんある。この話は、そんな我々の文明を超越したある星の話。

 まずはその惑星の説明をしておこう。Z星。そこに暮らす生物は我々人間とよく似た生活をしている。朝昼晩と3回食事し、働き、遊び、寝る。子供は学び成長する。逆に異なる点は、宗教が無く、戦争もない。おまけに我々が100年、200年先に夢見るようなテクノロジーをすでに獲得しており、途轍もなく文明が発達している。余りにも文明が発達すると、宗教や戦争など不要となるのか?それは分からない。

 姿は木の棒のように細長く、手が2本あり、足は3本で直立3足歩行だ。目は大きく、顔と思われる場所の真ん中に1つある。鼻は無く、目の下に口と思われる器官がある。体は金属で覆われており、一見すると金属の棒に手足がある感じだ。

そんなZ星に住むごくごく普通のある家庭。


「ポロン早く起きなさい!遅刻するわよ!」母の3度目の声でようやくダラダラと起きるポロン。「昨夜は随分夜更かししちゃった」眠たい目をこすりながらリビングに向かい、用意してあったご飯を食べ始める。「早く食べて、学校行かないと遅刻するわよ!」母の声が追い打ちをかける。「チッ!分かってるよ!」朝はいつもこんな感じだ。ポロンは人で言うと15歳くらいの少年だ。思春期はどこでも同じらしい。「ごちそうさま!行ってきます!」彼は足早に学校へ向かった。

ポロンの部屋は様々な生き物で埋め尽くされている。その星全体で生息している生き物の様だ。タコに似たもの、カメに似たもの、ウサギに似たもの、アリに似たものなど様々だ。お母さんは、彼の部屋に掃除に入ると決まって辟易とする。「いったい誰に似たのかねぇ」

そんなことはどこ吹く風とばかりに。ポロンは学校へ行くと早速親友のアガルに昨夜のことを報告した。

「だんだん習性が分かってきたよ!もう少し観察すればきっといけるかもしれない」ポロンは得意げに話した。「ポロン凄いな!学校きっての生物博士だな」アガルも親友の熱心さには感心する。

「放課後のクラブの時に先生とみんなにも報告するんだろ?」

「あぁもちろん!これはきっと先生も喜ぶと思うしな。」ポロンは既に皆の前で先生に褒められた想像をしていて、にやけながら答えた。

放課後の「生物クラブ」の教室は静寂に包まれていた。所属する部員と、顧問のギン先生は興味深げにポロンの話を聞いていた。

「・・・以上、報告を終わります。」ギン先生はじめアガル、他の部員たちもゴクリと唾をのみ込み、興奮冷めやらぬ様子でしばらく硬直状態だった。窓から入ってくるそよ風が皆のクールダウンを手伝った。

落ち着きを装った様子でギン先生が質問する「と、という事は、この星でも飼育できる可能性が高い、と理解して良いのかな?」

「はい、おそらく」ポロンが即座に答える。

「おー!」部室がどよめく。部員たちはお互いの顔を見合いながら小さな歓喜に沸いた。

ギン先生は続ける。「よし!習性は君の観察で理解した。あとは、食性と非認知性の確認ができればまずは大丈夫だな。引き続き観察を続けるように。」そして最後に「よくやったなポロン。これからも頼むぞ」と言った。

ポロンとアガルはハイタッチして更なるやる気に満ち溢れた。

「Z星初!他の惑星からの新種飼育成功!なんと15歳率いる期待の若手チーム!」そんな見出しのニュースが出る日も近い。ポロンは、他に出し抜かれやしないかという焦りも感じながら、自分しかいないと言い聞かせ観察に没頭するのであった。


























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ