紫黒の烏と銀の花嫁
四つの国で成り立つ大陸の中で北に位置する玄武皇国は、冬は雪や氷に閉ざされ、山林に囲まれている国。
玄武皇国の第一皇女・鲁(ルー)明霞(ミンシャ)は、亡き側妃の娘ということもあり、正妃・美麗(メイリン)と正妃の娘である第二皇女・麗花(リーファ)から虐げられていた。
玄武皇国には烏族(うぞく)という諜報に長けた一族がおり、その能力の高さから重用されていた。烏族は長と皇王との契約でその国に集落を構える一族であり、現在は玄武皇国と契約している。この先も玄武皇国に尽くしてもらいたい皇王・鲁(ルー)雲嵐(ウンラン)は、次期長・崔(ツイ)颯懍(ソンリェン)と娘との婚姻話を進めようとする。
飴色の髪に翡翠の瞳を持つ美しい第二皇女を嫁がせようとしたが、彼女は激しく拒否。重用されているとはいえ、烏族は影の存在で、華やかな生活をしたい彼女には到底受け入れられない。
美しい麗花(リーファ)には華やかな世界こそ相応しい。影の一族には、地味で目立たない明霞(ミンシャ)を嫁がせればよい。
正妃・美麗(メイリン)がそう主張し、烏族には明霞(ミンシャ)が嫁ぐことになる。
一方、烏族はそんな婚姻は望んでいなかった。しかし、強引に明霞(ミンシャ)を押しつけられる。帰ることが許されない明霞(ミンシャ)を放り出すことができず、結局受け入れることに。
「仕方がないのでその身は引き受ける。だが、婚姻に同意したわけではない」
「もちろんでございます。ご恩に報いるため、精一杯尽くしてまいります」
皇女が影の一族に馴染めるわけはなく、すぐに逃げ出すだろうと高をくくっていた颯懍(ソンリェン)。しかし、皇女らしくない明霞(ミンシャ)は、颯懍(ソンリェン)の妹・春燕(チュンヤン)をはじめ、烏族が使役する烏たちとも仲良くなっていく。
皇宮を出て少しずつ自分を取り戻していく明霞(ミンシャ)、戸惑う颯懍(ソンリェン)。
二人の気持ちは果たして──?
※エブリスタでも公開しています。
玄武皇国の第一皇女・鲁(ルー)明霞(ミンシャ)は、亡き側妃の娘ということもあり、正妃・美麗(メイリン)と正妃の娘である第二皇女・麗花(リーファ)から虐げられていた。
玄武皇国には烏族(うぞく)という諜報に長けた一族がおり、その能力の高さから重用されていた。烏族は長と皇王との契約でその国に集落を構える一族であり、現在は玄武皇国と契約している。この先も玄武皇国に尽くしてもらいたい皇王・鲁(ルー)雲嵐(ウンラン)は、次期長・崔(ツイ)颯懍(ソンリェン)と娘との婚姻話を進めようとする。
飴色の髪に翡翠の瞳を持つ美しい第二皇女を嫁がせようとしたが、彼女は激しく拒否。重用されているとはいえ、烏族は影の存在で、華やかな生活をしたい彼女には到底受け入れられない。
美しい麗花(リーファ)には華やかな世界こそ相応しい。影の一族には、地味で目立たない明霞(ミンシャ)を嫁がせればよい。
正妃・美麗(メイリン)がそう主張し、烏族には明霞(ミンシャ)が嫁ぐことになる。
一方、烏族はそんな婚姻は望んでいなかった。しかし、強引に明霞(ミンシャ)を押しつけられる。帰ることが許されない明霞(ミンシャ)を放り出すことができず、結局受け入れることに。
「仕方がないのでその身は引き受ける。だが、婚姻に同意したわけではない」
「もちろんでございます。ご恩に報いるため、精一杯尽くしてまいります」
皇女が影の一族に馴染めるわけはなく、すぐに逃げ出すだろうと高をくくっていた颯懍(ソンリェン)。しかし、皇女らしくない明霞(ミンシャ)は、颯懍(ソンリェン)の妹・春燕(チュンヤン)をはじめ、烏族が使役する烏たちとも仲良くなっていく。
皇宮を出て少しずつ自分を取り戻していく明霞(ミンシャ)、戸惑う颯懍(ソンリェン)。
二人の気持ちは果たして──?
※エブリスタでも公開しています。
01.烏の巣へ
2025/11/20 18:00
01-2.烏の巣へ(2)
2025/11/20 20:00
02.皇家と烏族
2025/11/21 18:00
02-2.皇家と烏族(2)
2025/11/22 18:00
03.烏族の長
2025/11/23 18:00