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三番艦 「皇国神話」

<前回のあらすじ>

大の船好き船舶工学大学生「碧」は図書館にあった古い本を見つける。本を開くと体が光に包まれて、目を覚ますと中世ヨーロッパの王宮の様な天井が目に入る。困惑しているとレヴァンクレス皇国皇帝と名乗る男の子から「軍神さま」などと呼ばれてしまった。

「は?…軍神さま…?皇帝?」

ただでさえ情報が整理出来ていない(あおい)の頭にさらに情報の暴力が襲い掛かる。


「はい。僕はレヴァンクレス皇帝 エゼリオン・レヴァンクレスでございm…」

「いや、二度も言わなくていい。それより軍神とはなんだ?俺はそんなのになった覚えはないぞ」

(あおい)は動揺を隠しながら冷静に質問する。

エゼリオンは先ほどとは変わって真下にうつむき黙り込んだ。


(…はっ…やばいか…もし俺が軍神さま?という者では無い事が分かってしまえばこいつらにとって俺は価値がない…そのまま追放…いや殺されることだってあり得る…ここは嘘をついてでも軍神とやらになりきるしか…)


………


エゼリオンはうつむいた頭を勢いよく上げて(あおい)の顔を見つめて言った。

「なら今からなりましょう!なれますよ貴方なら!」

……

「ん???」

(あおい)はこれまで見たことないような困惑顔で固まった。

「あの…もしもーし?あっダメだ。多分僕の話が訳分かんなくて放心してますね」


「だから言ったでしょう。なんの説明もなしにこんな意味不明な事言われたら誰だってこうなりますよ…」

貫禄ある老人の声がエゼリオンの隣から発せられる。


エゼリオンは少し間をおき、一呼吸してから放心状態の(あおい)に言う。

「貴方の名前は『アオイ』そうですよね?」


(あおい)はエゼリオンの言葉を聞き、我に返った。

「あぁ…その通りだ。だがなぜ俺の名前を…どっかであったことあるか?」

少し動揺に慣れたような口調で尋ねる。


「それについては私が説明します」

高貴な服装をした老人が一歩目の前に出て名乗りをあげる。

「私はバルドウィン・シュトラウス。レヴァンクレス皇国の宰相を務めております」

「貴方の名前が分かる理由、貴方を召喚した理由をお話しします」


バルドウィンは先ほどよりキリッとした顔で話し始めた。

「皇室には初代皇帝の時代から軍神様をこの世に顕現させる事が出来る呪文が受け継がれてきました。

それこそが今回貴方様を召喚した魔法でございます。軍神アオイは皇国を他国の脅威から守り、『知恵』を授ける存在と神話では伝えられています。初代皇帝の子にして皇国神話に登場する神、軍神アオイ。それが貴方様なのです」


(あおい)は話を聞いた後、呆れ気味に言う。

「いや俺はその初代皇帝の子でもないし、そもそも多分俺はこの世界の人でもないと思うのだけど…」

「もしかして名前が同じだから同一人b…同一神だと思ってるって事?だとしたら人…神違いだと思うが」


「いえ絶対に貴方です。黒い髪に黒い目、神話通りの姿。第一にあの召喚魔法は軍神様が対象な訳ですから」

エゼリオンは力強い声で言う。


「分かった。とりあえず俺が軍神かどうかの話は置いておこう…面倒だし。俺は召喚した理由を聞きたい」


「そうですね。本題に入りましょう」

「…今から1か月前、レヴァンクレス皇国は隣国のエルネア王国との戦争中、大規模な海戦が起こりました。その海戦で皇国海軍は大打撃を受け壊滅状態、何とかエルネア王国海軍を追い返し、戦争は休戦となりました。しかしまだエルネア王国は戦争を続ける気でいるのです。我が国は島国であり、次戦争になると現在の壊滅状態の皇国海軍では勝算はありません。今から海軍を立て直そうとしても我が国の国力では焼け石に水だと…」

エゼリオンはこれまで以上に深刻な顔で言う。


「なるほど、大体話は分かった。つまりこの国を守る為に俺に協力してほしいと」


「はい、その通りです。どうか我々に力を貸してくれないでしょうか…」


「…質問なんだがもし引き受けたら俺に船の設計とその決定権を任せてくれるのか?」


「もちろんです。我が国は貴方様の要望に全面協力する用意がございます」


「分かった…」

その解答を聞き、(あおい)は今までの落ち着いた声とは対照的な喜びをこぼした声で言う。

「船を造らせて貰えるなら俺はそれだけで満足だ。貴方の国に協力したいと思う」


なんとか異世界召喚から船造りの序章につなげることができました。更新に10日くらいかかったのもこの話のストーリー作りが原因。少し違和感がある所もあるからちょくちょく編集するかも

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