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それは、一般人でも人を守る事ができる世界  作者: 眠り人
プロローグ 〜そしてキは熟した〜
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プロローグ 〜そしてキは熟した〜


この世界の技術は四半世紀前と比べると圧倒的なまでに成長していた。


その頃……四半世紀前である2025年当時、世界のエネルギーや資源量問題が事あるごとに取り立たされていた時期に突如として世界各地に現在ではダンジョンと呼ばれる洞窟のような穴が出現した。


その穴が現れた時、世界各国の対応は様々だった。


すぐさまその穴の内部を探索しだす国もあれば、他の国でも出現しているのならと静観する国もあれば、いらぬ対抗心を他国に燃やし甚大な人的被害を出した結果、他の国に吸収されてしまった国もあった。


そして、日本はと言うと一つのダンジョンを除き、自衛隊の主導で出現した穴を塞ぐように建物を建て、他の国の報告が上がるまでは静観すると言う選択を取った。


しかし、その選択が良くなかった。


と言うのも、日本が静観をすると決めたのは、出現した場所が長崎県の対馬、新潟県の佐渡島、島根県の島後島、兵庫県の淡路島、と言った本島ではない島々だったからだ。


ちなみに、静観しなかったのは淡路島に現れた『淡路ダンジョン』と呼ばれるダンジョンで、自衛隊の人員を全国から集めこのダンジョンの調査を行った。


そして、その調査により中には後にモンスターと呼ばれる生物が存在し、そのモンスターは人間に敵意を持って襲いかかってくると言う事が分かった。


しかし、その調査結果を知れたのは一週間後の事だった……




それは、各地の淡路島以外のダンジョンが氾濫し、後に特別ダンジョン指定危険区域と呼ばれる史上最悪の土地が出来上がった後だった。



特別ダンジョン指定危険区域とは、ダンジョンが氾濫した後にすぐさま対応できずにダンジョンボスが外に出てくる事によりその土地がダンジョン化してしまい、地上なのにも関わらずモンスターが湧き続ける事により、人類の撤退を余儀無くされた場所のことだ。



日本の場合は淡路島を除く三ヶ所で、他の国と違い島だったため、人的な被害は他の国と比べれば少なかった。

と言うのも、他の国では街中などにダンジョンが現れたため、氾濫が起こった際にかなりの数の被害に見舞われた。


特に、後に世界共通で制定されたダンジョンランクと呼ばれるものが高かったダンジョンでは中に入っていった者が死亡し、その後に一斉に氾濫を起こしさらに被害を拡大しながらあたり一帯をダンジョン化させた。


ここで不幸中の幸いだったのは、氾濫後にダンジョン化した土地はそれ以上ダンジョン化が広がらなかったのだ。

さらには、モンスターはダンジョン化した土地から出れないらしく、一定距離以上離れれば危険がない事が分かった。


それでも、最低で半径150km近くから最も大きくて半径約1200kmの土地がダンジョン化により住めない土地になったのだ。

その被害は計り知れない。



その後、世界各国では慌ただしい動きが各地であった。


当然、日本でもその動きはあった。

戦後で最も大きな生物的(・・・)被害を出したからだ。


最初に可決された法案はダンジョン発見報告義務だ。

ダンジョンが出来ていることを発見した人物はダンジョンには近づかず、すぐさま最寄りの警察署、もしくは市町村の自治体に連絡しなければならないと言うと法律だった。


そして、その法律が出来た後に日本では16ヶ所の新たなダンジョンが一般市民の通報により発見され、五ヶ所のダンジョンが警察により発見された。


そして、発見されたダンジョンにはすぐさま自衛隊が駆けつけ、内部の探索と必要な場合は制圧を行った。


その行動が功を奏したのか、日本では氾濫したダンジョンは最初の三ヶ所のみに留まり、さらには自衛隊の持ち帰った情報によってダンジョンの詳しい情報を知る事ができた。



まず、ダンジョンの内部には未知のエネルギーであり、後に『魔素』と呼ばれるものが満ちている事が判明した。


この魔素は、モンスターの素であり、氾濫が引き起こされる主な原因でもあった。


と言うのも、魔素はモンスターや生物がダンジョン内で死ぬと生成され、その生成された魔素を使ってダンジョンはさらにモンスターを生成すると言うサイクルを取っている。

そして、そのサイクルが途絶えた時、魔素とともにモンスターを外に吐き出して地上の生物を襲わせるとわかった。


何故そのようなことをするのかは現在でも判明していないが、説としてダンジョンは生き物であり、モンスターという免疫反応を利用し、内部へと入ってきた侵入者を排除する事によりエネルギーを得ており、氾濫は内部へと入ってくる者が少なくなりエネルギー不足により起こる免疫反応であるとする説がある。

この説は割と多くの支持者がおり、世界的にもこの説を推す者が多い。


次に発覚したのは、この魔素と呼ばれる物質はモンスターを倒す事により人間にも少量吸収され、身体能力の向上、所謂レベルアップと呼ばれる現象やレベルアップの回数に応じた特殊能力の獲得、所謂スキルの発現が起きる事が確認された。


ちなみにだが、モンスターを倒した際に人間に吸収される魔素量とモンスターを倒した際に発生する魔素量はかなりの差がある事が分かっている。

その理由はモンスターが倒されてしまった場合でもダンジョンが自身の魔素を切らさないためとされている。


それを裏付けるかのように、ダンジョンがモンスターを生み出す際に最初に魔石と呼ばれる結合型魔素エネルギーの塊を作り、そこに大気中の遊離魔素と呼ばれる体外魔素が結合してモンスターが生み出されるのだが、その最初の魔石を作るのに必要な魔素量はモンスターを倒した際に放出される魔素量より小さい。


さらには、強いモンスターほど魔石を落とす確率が上がると言われており、その理由は魔石が遊離魔素を結合した量が多いほどモンスターは強くなり、倒された際にダンジョンに吸収される遊離魔素が多くなる為、魔石を魔素に変換してまで魔素を回収する必要が無くなるからだとされている。


この魔石については、研究がかなり急速に進められ、現在では様々な機械などでエネルギー源として使われている。

そのため、ダンジョンを探索しモンスターを倒し、その魔石を回収する職業が世界各国で形は違えど存在し、日本では冒険者と呼ばれていた。




さて、ここまで長いこの世界に起きた事を語ってきた訳だが、この物語の主人公は彼、鳳優斗(おおとりゆうと)だ。


え?ではこれを語っている私は誰か、だって?


……さぁ?でも、この物語の中の1人である事は語っておくとしよう……。

書く気がある時に書きます。


なので、次回がいつかは分かりません。

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