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いろはの“い”

 



狐と契約、ゆかりというキーワードとここ数日で知った事を整理して考えるに……

どうやら熱を出す前にした事のあるゲームのようだ

死んだ覚えはないけど仕事から帰って熱っぽくてそのまま寝たような記憶がある

仕事、ということは私は元々社会人だったのだろう

この世界は学生の頃していた乙女ゲーの設定そのものだ

古い記憶過ぎて事細かには覚えていないが概ね間違いないだろう




現代日本を舞台とした和風恋愛ファンタジー。

主人公は式神使いでイメージカラーはピンク。

高校2年生で陰陽師や祈祷師といった能力者の集まる高校に編入してきた。

その街で起こる怪奇現象を解決しながら攻略対象者と仲を深めてクリアを目指す。

このゲーム、乙女ゲーには珍しく育成パートにも重きが置かれていて育成厨の私もだだハマりしたものだ。

こう、努力の末のハッピーエンドって達成感あるよね。

あと目に見えて成果があるっていうのも楽しい。

現実はイージーモードが理想だけど。



その中で私はイメージカラーが紫の主人公のライバルキャラだったハズだ。

このゲーム、ライバルの人気も高いのがウリだった。

育成にしても恋愛にしても良きライバルで互いに成長していく。

最後に攻略対象の誰ともエンディングを迎えられずラスボスを倒した場合は友情エンドという名のノーマルエンドになる。

そのクオリティが良かったのでライバルの評価と言うよりシナリオが良かったとも言えるのだけど。

まぁ厭味ったらしく影で画策するでなく真っ向勝負する辺り少年漫画さながらだった。



攻略対象者もイメージカラーがあり、白、黒、青、赤、黄、緑、水色と7人。

街の7つの怪奇現象が攻略対象に対応していた。

なんだったか……確か陰陽師や風水師、審神者にイタコとかいた気がする。

在学中に能力を伸ばしたり専門的な知識を身に付けたりと、あとは一般常識も。

ま、仏教大学があるくらいだからそういうのに特化した高校があっても違和感はないのかも。




皐月さんや先生が言ったように私は式神の中でも狐を使役するのに秀でた家の子である。

この狐というのが五行と呼ばれる火、水、土、木、金と分類される属性のどれにでも当て嵌まる生き物だ。

わかり易いところならばフクロウは金属性。

お金が貯まるとか金銭的な守護獣として有名だろうか。

そんなふうにどの生き物にも属性があるが狐はそれに属さない。

多いのは農業の神としての土属性ではあるが能の小鍛冶のように人に化けて刀を打ったりする。

刀は金属性、鍛冶場は火の属性もあるので色々種類がある、という話だ。

なんともややこしい…









「ほら、着いたわよゆかり」


「あ、はい」


「ふふ、緊張しているのね

でも大丈夫、こういうのはフィーリングよ

これって思ったコを選べば良いの」


「母さん、フィーリングは大事だが一生を共にする式神だぞ

ゆかり、能力だけではなく性格や感性が近いモノを選びなさい」


「が…頑張ります」




色々と考えていたら私の式神となる狐を選ぶ場所に着いたようだ。

颯爽と車から降りた両親に続いて車から出る。

そこは霊感とは全く関係なく過ごしてきた私でも分かるくらい空気が済んでいて特別だと分かった。

木々が生い茂る小高い丘。

小さな私にもそこが神域と呼ばれる場所だと分かった。




ここで言う五行は陰陽五行説です。

小鍛冶の「小狐丸」は実際にある能の演目。

実際の説は色々ありますがこの小説は分かりやすくアレンジしたりもあるのでご了承ください。

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