そうして私は目覚める
手探りなので文体や余白、段落等変更するかもしれません。
誤字脱字の報告も有り難いです。
楽しく続けて完走出来たら良いな!
────あつ、──あ─
──あ─────い─────
身体が、脳が、世界が全部燃えているよう
この世の全てが燃え尽きて無くなってしまうよう
熱い、誰か
熱い、怖い
熱い、助けて
熱い、熱い
熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い─────
「ケホッ」
「っ!気がつかれましたか!?
ちょっと!誰か!誰かお医者様を!」
──誰の声だろう
知らない、聞いた事のない声だ
ゆっくりと目を開ける。
まだ霞がかった意識でもここが私の部屋ではないと分かった。
いつもの白の天井ではなく木張りの天井。
汗でベタベタとした皮膚と服がまだ熱が続いている事を教える。
「あぁっ、本当に良かった!
一時はどうなるかと思いましたが…
本当に良かったです
頑張りましたね」
「…………のど、渇いた………水を…、」
「あっ!そ、そうですね
すぐ用意しますからお待ちください!」
見覚えのないその女性は慌ただしくバタバタと部屋を出た。
歳は二十代後半から三十代くらいか。
彼女が開けっ放しにした襖から白衣を着た初老の男性が入って来た。
「皐月さんは相変わらず騒々しいねぇ
さ、ゆかりお嬢さん診察しても良いですか?」
「お願い……しま、す」
「目が覚めてすぐだというのにすまないね
体温計を脇に挟んで、脈も診るよ」
枕元にある桶からタオルを絞りテキパキと汗を拭く男性は確かに医者なのだろう。
私の世話を焼きながら手元のバインダーに細々と走り書きをしている。
それにしても汗を拭かれている時に気付いたがこれは子供の身体ではないのか?
ふっくりと丸く短い手足と幼児体型、というか幼児そのものの胸と腹。
そして何より私は「ゆかり」なんて名前ではないのだ。
「お嬢様!湯冷ましお持ちしました!
さぁたくさん飲んでくださいね!」
「皐月さん、もう少し声のボリュームを落としてください
病人に響くでしょう?」
「あっ、すみません…
お嬢様に早く飲み物をお渡ししたくて、つい……気を付けます」
「………ありがとう
ところですまないのだけれど……貴方達は誰で私は誰、なのかしら?」
「?!!??!!!」
「おっお嬢様?!」
「申し訳ないけれど記憶が曖昧で…」
「……熱で記憶が混濁しているのでしょうね
順に説明して差し上げますから先ずは水と薬を飲みましょう
飲めそうですか?」
「飲んでみるわ、ちょうだい」
処方箋らしい粉薬をあおり水で流し込む。
さすがに喉が渇いていたようで薬を噎せそうにはなったが無理矢理飲み下した。
甘苦い薬はやはり子供用でドロドロとしたシロップ状の薬もなんとなく懐かしい不味さをしている。
さて、これは一体どうした事か
単純に身体が縮んだわけでもなさそうだし
私になにが起こっているのか…