プレゼント選び
「どうすっかな……」
「知らんがな。これに関してはうちはアドバイスせんで」
「そう言いながらも買い物に着いてきてくれる辺り優しいよな」
「まあな。一応は友達やし」
俺は鳳とともにショッピングモールに来ていた。
ここなら多くの店があるので、選択肢が広がると思ったからだ。
ちなみに小鳥遊はお留守番である。
一緒に行きたいとは言っていたが、彼女が来てしまったら勝負にならない。
これに関しては宮日さん、もとい生徒会長と俺の勝負なのである。
……まあ、鳳を連れてきてるから俺の方が少し有利にはなっちゃうんだけど。
「だから手伝わへんで」
「分かってるよ。いてくれるだけで助かるから」
「なんやそれ。浮気はあかんで」
「違うわ。お前の反応を見るんだよ」
何も言わなくても、商品を手にとった時の反応を見ることはできる。
それだけでもありがたい。
だが、あまり鳳のことは見ないようにしよう。
これは俺の問題だからだ。
雑貨屋に行き、商品を眺める。
「香水……いや、ここは面白い物……とかか?」
生憎と女子に贈り物なんてしたことがないので、分からないでいた。
女子が喜ぶものってなんなんだ?
いや――女子じゃない。
小鳥遊が喜ぶものだ。
俺が悩んでいると、嘆息しながら鳳が声をかけてくる。
「あのな、この対決は圧倒的にお前が有利なんや。そんなに悩む必要はない」
「……確かにそうだけど」
「お前がいつも小鳥遊にしてもらってることはなんや? それが答えなんちゃうんか?」
「俺が小鳥遊にしてもらっていること……」
考えると、ぱっと何か思いついた。
そうだ。これしかない。
これ以外ありえない。
俺はとある商品を手に持ってレジを済ませる。
「ありがとう、また何か奢らせてくれ」
「いいわ。結論出したんはお前やからな。でも、良いチョイスするやんか」
「ああ。これも鳳のおかげだ」
俺は弁当箱が入った袋を握りしめながら、帰路についた。
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