生徒会長
生徒会長の名前は宮日明と言うらしい。
正直、鳳と話すまでは生徒会長だとかに興味がなかったから知らなかった。
でもまあ、俺に対して敵意を抱いているのは間違いのないことだ。
索敵とまではいかないが、様子見でもしおこうと思う。
というか、本当にこっくりさんをしているのか純粋に気になる。
今どきこっくりさんをするやつなんているのかという疑問もあるし、そもそも高校生にもなって呪いを使おうとする辺りが怖い。
そんなにも俺のことを恨んでいるのだろうか……と逆に興味が湧いた。
さすがに小鳥遊には女の子を覗きに行くなんて言えないので、トイレに行ってくるといって屋上から抜けてきた。
鳳のクラスは俺のクラスから二教室となりだ。
教室と教室を隔てる壁に背中を預け、深呼吸をする。
「天使様の好きな人は誰ですか。天使様の好きな人は誰ですか。天使様の好きな人は誰ですか……」
ああやべ。やっぱり帰りたくなってきた。
絶対絡んじゃ駄目なタイプの人だ。
でも……向こうから絡もうとしてきているらしいし……うーん。
「お、索敵に来たんか?」
「うぉ!? って鳳か」
「昨日はありがとな。ケーキ美味かったでぇ」
あまりにも生徒会長を意識していたので、鳳の気配に気が付かなかった。
というか、こいつ後ろから声掛けてくるあたりわざとだろ。
「んで、どうや? やばいやろ?」
「ああ……想像していた以上にやばいわ」
まさか本当に教室で堂々とこっくりさんをしているとは思わなかった。
鳳は関西弁キャラということもあって、物事を過剰に表現したりするため、ほんのちょっとだけ嘘じゃないかと思っていたのだが……。
「そして相手は頭脳明晰と来た。馬鹿なお前にあいつどうにかできるんか?」
「無理だと思う」
「即答かいっ!」
思い切りツッコミをくらった。
というか、誰だってあんな姿を見たら無理ってなるだろ。
マジで呪われそうだわ。
「……とりあえず俺は帰る。実際マジでこっくりさんをしているのかは知れたし、やばい相手だってのは分かったから」
「まあ、夏樹がそれでええんやったらええんちゃう? どうせ向こうから来るだろうし、一緒や」
「そうそう、一緒一緒――」
そう言いながら帰ろうとした刹那、
「夏樹くん! 遅いと思ったらこんなところで何してるの?」
「小鳥遊! お前――」
彼女が現れた瞬間、俺はものすごーく嫌な予感がした。
それは鳳もそうだったらしく、一瞥すると苦笑しながらどこかへ逃げる準備をしていた。
もちろん全力で捕まえたのだが。
「これはこれは! 天使様ではないですか! これもなにかの運命ですかね!」
どうやって小鳥遊の気配を感じ取ったのかは分からない。
気がつく頃には、小鳥遊の隣に生徒会長――宮日明の姿があった。
もうそれは満面の笑みで。いや、もう恐ろしい眼力で小鳥遊を見つめている。
肩を掴み、わちゃわちゃと指を動かしていた。
「あー、最悪やな。よし、うちは帰るで。だから離してや夏樹」
「無理だ。お前も道連れな」
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