八話
0時投稿がなかなかできないので、次回以降は3時投稿させてもらいます。すいません。
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「納得いかなさそうだな。理由を教えてやろう。それも今回に限っては詳しくな。まあ、この程度はチュートリアルの範囲内だ。或いはアフターフォローという奴だ。まず簡単に説明してやると試験に時間をかけすぎだな。単純な話、諦めるという選択肢がある様に、判断能力について、特に自己能力についてどの程度判断で来ているのか。また、どの様に物事に当たるのか。おおよそ二点についてみられていた、というわけだ。その観点でいえば、よく言えば粘り強く、ある程度の自己判断が出来ている。などおおよそ問題のない内容に見える結果ではあったが、その実施時間が圧倒的に長い。特に今回は試験官役の騎士グランに気に入れられ最終的に入団できているだけ特に悪目立ちをしている。まあ、簡単な話常識的に行動しろ、という事についてさんざん言われる予定が試験終了後にできてしまったわけだ」
そこで猫は一旦言葉を切り嘆息する。
「所謂UIの表示が極端に少ない設定でプレイしているのも原因だろうが、ストレージの確認等は行った方がいいぞ。これはチュートリアルの改善が必要な部分だな。はぁ。まあ、要するに進行上あまり考えていなかったシナリオだけに、良くも悪くもジャッジした妖精が悪い方向にかみ合ってしまった」
そこまで言い切ってからようやく猫は少しばつの悪そうな、或いはしかめっ面に近い猫特有の凶悪な顔つきになる。
ここまで聞けばなんとなくわかる事もある。つまり、入団試験の合格例はそのままプレイヤーが行って欲しい行動の一例。それ以外もある程度は補完されているが、根底にNPCの存在があるのだろう。プレイして直ぐに判ったように、所謂ゲームゲームしいとは別の異世界シミュレートじみた、現地住民としての権限を与えているタイプのゲーム。この手のゲームはバグが発生しやすいが、様々な方法で対応している。今回なら、恐らく騎士グランの好意、推薦の様な物で入団が決まったことに対し、試験をミニゲームとしてみた時、その評価が著しく低く本来なら落ちる状況という奴だったのだろう。ジャッジが出した判定は、上位権限をそのまま適応、一方でそのメリットに対し、デメリット、今回ならお叱りをワンセットにしただとかそういう事だろう。
理由は判った(納得はいかないし、呑み込めない部分も多いが)。一方で判らないのは、なぜUIが関係あるのかという事である。
「ふむ。ゲーム慣れしていると思ったが。或いは、ジャンルに偏りが?それは参った。少し簡単な基本動作についてスキップして、望まれるままに裏話の様な物を話していたが多かったかな?まあ、簡潔にどうしてUIを見る必要があったか教えてやる。とはいえ簡単な事だ。ゲームである以上、例えば道具が。能力、スキルが。そう、ゲーム進行に関る事がUIで色々と分かる。今回の試験であれば、自身の能力にスラッシュがあったのだから、強く使う事を意識するとかな、知っていれば挑戦、或いはゲーム経験から勝手にプレイすると思ったが。最低でも、初心者の内に何の確かめもなしにスキルの手動発動を試そうとするとは思わなかった。まあ、試験官の対応にも問題があったがな。はぁ、世界観を意識したつくりのこの世界をチュートリアルに選ぶとはなかなか鬼畜だよ、お前をここに送った奴は」
そう猫は、憐れみをこちらに向けてきた。態度の一転二転にどう対応すればいいかわからないが、猫がつぶやいた、”星の奴か”の言葉に深いあきれを感じ、たじたじとするのであった。
「さて、詳しく解説してやると言ったが、一旦ここで追想に行こうか。ここは選択する事はない。状況確認という奴だが、まあ説明する事もほとんどない。時期は大体、騎士団に見習いとして入って一年。正規の騎士となってから、たまたま騎士グランにあったという感じだ。ついでに上三位の騎士の意味を伝えておこうか。何、大体の階級として、副部隊長に必要な階級というえらい立場という奴だ。下位六の君はせいぜいかしこまる事だな。では行ってくると良い」
最後になるにつれてだんだん投げやり担う猫の言葉、歪む世界。徐々に光が落ち暗転していく。朧に世界が揺れていく。
…居眠りをしかけた時のあのがくっとなる嫌な感覚と共に世界が明転し、城門を目の前にし、一人の男、騎士グランの姿を確認する。慌てて軽く頭を下げ、偉いという事なので、丁寧に言葉をかける。
「これは、お久しぶりです騎士グラン様」
何を言えばいいかと迷っている中、騎士グランは語りだす。
「そう畏まらなくてもいいぞ。残念なことにそこまで上等な人間じゃないのでね。君はアレク君だね。うん、懐かしい。言っても入団試験は一年前だが今年は忙しかったからな。さて、折角だし少し付き合ってくれ」
その言葉と共に、騎士グランは歩き出す。
それにつられるように騎士アレクは歩き出す。
「ふむ。あの時の君は良くも悪くも目立っていたなぁ。今はどの様になっているかはわからないが、少しアドバイスをしようか」
騎士グランから見て、アレクという少年は大きく三つの良さを持っていると言われた。
諦めない事。目的を把握している事。冷静である事。
一方、悪い点も三つ言われた。
固執、或いは相談などできない事。柔軟さはあるが至らない事。誇りの捉え方についてであった。
「君は、実直に物事を成す。誰に知られずとも君の目指す騎士の姿を実践し、常に冷静にかつ、為すべき事を見据え、常にどう成すか、どう収めるべきかと考える。いい事だ。だが、人に知られずとも、と考えているせいか物を人に伝える事が下手だな。恐れずに伝える様にするとよいだろう。目的の認識、その際の冷静さ。冷徹などと呼ばれることもあるかもしれない、が組織として必ず必要になる人材だ。ぜひともこのままその明瞭たる眼を育てて行って欲しい。しかし一方で思考の飛翔には至らぬ、所謂才気を感じない。君が今後何を目指すかわからないが、人を頼る方がいい事は確かだろう。冷静で考える事ができるからと言って、答えが判るとは限らない。ぜひとも判断できる人間になってくれ。また、君の柔軟さも相まって、君の騎士像は恐らくある一線で強固な物なのだろう。或いはそうでなければ維持できぬ。だが、その考え方ではいつかその筋が断たれてしまう出来事にあってしまえば、きっと立ち上がれなくなってしまうだろう。何か、物事を成す姿を想像すると良い。長くなったな、それでは」
どこか省略された物言い、それは記憶、或いは夢だからだろうか。
期待しているぞ少年。その言葉にどこか熱を感じながら、言葉の真意を探る自分がいる。
或いはだからこそ、冷徹に、明瞭な眼を持つにいたると言われたのかもしれない。
アレクが感じる思いを少年はどこか共感をもって感じる。夢だからこそか、唯グランとなって物を見、感じるのではなく、ひどく立体的な映像として体感する。
そうして、視界は暗転し、明るい光の中で目を覚ます。
「お帰りと言っておこう。さて、騎士グランからまあ、ほめられもしたが中々にきつい事を言われたわけだ。簡単にまとめれば、身の振り方を判っているが、同時に圧倒的な才能を持っていない。だが、それができるだけでも素晴らしい、ぜひとも支えとなってくれといった所か」
皮肉げに猫は語る。
「事実はどうあれ、似たような感想を抱いたか、或いは学んだか。さて、入団から八年、正規団員としては七年の時を経て23歳の夏。猛暑の中、とある出会いを当たす。この件で君の今後が決定づけられる。心してかかるとよいだろう」
………
どこからか、猫の鳴き声がする。驚きと共に、ベットから跳ね起きる。
「あ、さっきまで猫と。だが、いまは。うん?」
全く状況は読み込めない、が取り合えず現状の確認。
猫のアドバイスを思い出し、まずはUIの確認を行うのであった…。
~continue~
満足いく小説がなかなか書けない。悲しみ。今回は、重複したような表現がかなり出ますが、今後の練習と思って見逃してください。プロットなど作らないからグダるんでしょね。そろそろ10話も見えてきましたし、物語を進展させたい
23日追記。すいません、投稿が日曜行えるかわかりません。後、3時投稿ではなく正午投稿の投稿ができる様にします。コロコロ変えてすいません。




