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二十四話

遅くなりました

~loading~


目論見通りというかやはり部下が近くに来ていた。


部下からの報告はおおむね予定通り。しいて言うのであれば全力防衛のために防衛設備が思っていた以上に残っていた事であろう。人数もあったのだろうが、その放棄、破壊の前に壁上の或いは壁下の盗賊全体の掃討に成功したという事のようで中々についている。


勢いに乗ってと言いたいが続いての報告は危惧していた物と言っていい。

想定以上に敵勢力が強いのである。正確にはそれを予測はできていたが、納得させる材料が出てこなかった部分である。

この地域の狩人の報告により強い魔物も多いという事で対魔物用の装備の用意もあるが、散発的な襲撃への対応策である。

一群となって襲い掛かってくる現状に対してはあまり優秀とは言い難い装備である。


一方頼もしそうな防衛設備、投石、弩、壺他二も幾つもの対人間、兵器用の設備がある。

だがさすがに盗賊も考えていたというか、だからこその全力抵抗なのだろう。


当たれば効く、痛めつけれられる事は確かだが、根本的に威力が足りないようである。或いは威力がある物では当たらないのである。


対抗策と言っても初めての魔物戦、どうしようもない面が多いがフルにスキルを活用させていく。

まず、この戦場に来る前に想定した魔物戦を思い出す。今こちらにいる騎士は一般人とは違う。師匠の流派は対人間用が主ではあるがさりとて魔物戦が出来ないわけではなく、無駄と言いつつ、「岩断」であったりを伝授されている。

同様に、単純に気が使えれば、威力を重視する事でちょっと強い魔物なら対抗できるが、一方でそれ以上には一般人と大差ない力しかないのと同義である。

その為、最低限の傷をつけ出血死などの対処が一般的の様だ。それは現状の状況では使えない選択肢である。


ここで、散発襲撃にも考えた戦闘方法、中隊長、あるいはそれ以上の戦闘力を持つおよそ8人がとどめ役となりそれ以外が遅滞戦闘に努めるという物である。


現状速度が求められる中、遅滞は兎も角とどめがどこまで機能するか判らないが其れが現状最良である事は直ぐに導き出される答えである。


その考えを実行しようとする際に問題となる事は主に二点と言っていい。


群れという事は一対一での戦闘が難しいという事である。とどめ役の内何人が一撃と言わずとも、高速で魔物を殺せるであろうか。できなければ厳しい戦闘、直接的に言えば死んでしまうであろうことは想像に難くない。

それ以外でも、明らかに魔物が集まりすぎている。唯魔物を脅しつけているだけなのであれば、本来関所に近付く前にばらけてしまうのだ。関所の周囲は見晴らしがよくなっている事もありそこそこの距離を魔物は移動している。あたかも統率でもされているかのようではあるが、所謂従魔師(テイマー)が少人数で従えられる数ではない。

従魔師の才能持ちが少ない事からも、根本的に大きいとはいえ唯の一団体の盗賊ではありえない統率力である。


魔物は既に城門まで防衛設備の射程の1.5倍の位置。450m圏内に侵入してきている。ついでに完全包囲。

城壁の片横、山、崖であったり特殊な地形を除けばそれ以外の全方位から魔物が攻めてきている。

同様に魔物は統率されて一丸とはいえ、全方位を埋めて囲い込む事は無理である。その為魔物が突撃をしてくることを確認した時点で逃げ出せば包囲網の穴から逃げ出せたが、距離が縮まり包囲網が小さくなるにつれ逃げる事もかなわなくなってきていた。


今更ながら砦、関所のここは対人としてみれば大いに役立っただろうが、対魔物としては些か火力にかける。


対処法とも呼べない場当たり的な対処を幾つも候補に挙げつつ現状の確認の為部隊の半数以上を門の確認であったり、城壁の点検。

一見無傷の防衛設備の確認に、残弾の確認を行わせる。


残りは現状一番射程が長い投石機を兎に角投射させる。


ここで悪魔の閃きである。まず防衛の方向を定める事を最優先とした。なので封鎖の方法をまず一か所で油を撒かせる。砦に残っていた様々な油を兎に角一か所に集めるのである。


既に足の速い魔物が壁や門にぶつかる、噛みつく等攻撃をしてきたが其処に油が撒かれる。

それは嫌がらせにはよかったかもしれないが、魔物の攻撃は止まらない。


そこで壁上の騎士は火を落とす。要するに火責めを行う。


流石の魔物も周りに火があるような環境ではないので火の存在を厭うようである。

従魔師とて唯の人、火の中に突っ込めとは恐らく命令できないだろう。遠距離から命令できればいいが恐らくできはしない。魔物の中に潜むのも良いが、火を避けるしかあるまい。


これで城門周りを八角形としてみた場合、山の1画、火の2画で3方を封鎖できた。

同様に門の強化と称し、投石で用いる岩を門壁に沿って落とさせる。


防波堤ではないが、防衛する方にも幾らか岩を落とさせる、魔物は大きい問題ないはずである。


急ピッチで作業が進むが、幾らか魔物が到達しているように間に合っていると這い難い。

火を放った方向に存在した魔物は着火し統率を乱す事に成功した副産物に対してこれを有効に持っていく事も出来ない程にこちらに打つ手がなくなっている。僅かな乱れ、延命に安堵するのみである。


また無茶をすることを決めた。使用する事が無いであろう武器を刃をむき出しにして投下する。一種の防壁、撒きビシの生成。最大限用意させた鎧に盾等防具。

岩に紛れ、盾で身を守りつつ時間稼ぎをさせ止めを刺させる壁下門前部隊の編成。

防衛設備の内、できる限り1か所に火力を投射する。これにより一種の封鎖とみなす。

8角形の内既に6か所封鎖できているが、どの様にしても2か所封鎖が出来ない。


そこで壁下門前部隊であるが、部隊を分けては一瞬で潰されるであろう。

数は力だ、そこでとどめ役に抜擢されたうち、火力不足な二人を自信と同じ部隊、もとい小隊編成で門を守る事に決定する。


門を開けては中に入られる。そこで人間相手には使えない、魔物、特に今回の場合四足獣系の魔物が多いので使えないつり縄梯子を使用する。


戦闘前に出来る事は済ませたつもりである。が、部隊の士気は相当に低く不利は明らかであり諦める方が精神的には安らかとまで言われてしまいそうである。だが諦める気が無い自分としては彼らには文字通り死ぬ気で頑張って欲しいのである。


「…さて、厳しい現状である。隊長である私の見積もりの甘さがこの苦境の一因であることは事実であろう。私を責めたい物は攻めればいい、だが…」


敢えての笑顔、強がりでも何でもない相手を気圧する笑顔を見せる。


「この程度の苦境、私がいれば何と言う物でもない、君たちの奮闘があればここにいる全員が笑顔のまま家に帰られるだろう…気の利いた事は言わない、皆の奮闘を期待する。自身の為に、仲間の為に力をふるえ。私は君たちを全力で応援する、具体的には門の一つを守るという形でな。何少し生きのいい牛が多くいるだけだ。牧場主の気分を味わいに行こうか。では出陣だ」


ここでカリスマあふれる人間であれば士気を高め兵士が全力を出せるようにできるのだろうが、自分にはできない。見せられるのは姿位である。敢えてここは自身の防衛する区画の近くに集合させていた。壁下で戦う者はアレク、自身の雄姿を見て戦う事となる。


勇気ともいえないであろうが勝算を、希望を与える事が出来るのは自分だけという状態になってしまったがプレイヤーとしては時と場合だろうが特別感があっていい。

何より気合が入る。ある種の背水の陣…


魔物の絨毯の中に文字通り、飛びいるのであった

 


~continue~


ふ、筆が進まない…。想像力が削られている。色々考えて書いているのはいいのですが、そもそも思い付きで進行してもロクな事にならない話と思い始めた今日この頃。頑張っていきたいですね…

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