二十話
遅くなりました。ちょっと忙しく、申し訳ない。
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ステータスの確認…全体の状態を把握していく。相も変わらず超技術というか、大雑把に剣術の状態であったり、より大きな枠組みで攻撃、筋力、身体能力様々な物が手に取るようにわかる。
…前回確認したときなどと大きく違う点が三つほどあった。一つ目はまず始めに感じた多すぎる量の能力。通常のゲームでは考えられない、使いきれない量の多量のスキル。所謂アクティブとパッシブの差も判り辛いがだから尾所自由度が保証されているのだろうとは思うが、それがよりスキルの数をより多くしているのだと想像できた。
同時に、最後に体験した組内術、追想で見た槍術など武術関係の物も多ければ、料理、珍しい所であれば名前に覚えのないバグパイプの様な表記まであった。まさに万に覚えていったという事だろう。
把握しきれるものではないが、所謂モーションアシストなのかなんとなく思い浮かべるだけでも使い方が判るような感覚がある為、およそ問題はないだろうとそう考えられた。
量が多くなるだけではなく、どの程度の評価になるのかは判らないが、決して実践に使えない物ではないだろうという事をなんとなく感じた。
一方、決して万葉に感じた圧倒的な力を持っているという感じはない。
二点目は、なんと表現するべきか、例えるならば鑑定スキルという物が有るのであれば、そのレベルが上がったとでもいうか、より詳細に自身の状態を認識できている様であった。前回までのできるという感じにどうすれば、どの様にするかなど周辺状況が加わった感じだろうか。一方でケースバイケースとでもいうか情報量が増えたせいで把握が難しくなっている事は間違いない。
三点目は、アクティブスキルとパッシブスキルの把握も、という様な事を言ってはいたが、スキルの中では明確に違うと感じた物が幾つか存在した。所謂気に関るものであろうか。
入隊の時に使った斬撃、基本的な物なので斬撃表記ではあるが、カッコ表示で斬岩等と書かれている。他にもこれと似たような現状では力が足りないと感じる物、いうなれば体を温める必要を感じた物達やスキルを系統樹にでも例えれば、その最先端、或いは根本…形容しがたい位置にスキルの根の様な物を感じた。
現状は体そのものが無いので確認できることはないが、ステータス的に見れば砦の総隊長というのも納得できる、最低でもあの強そうだった大男、ガルド相手に無傷で勝てる。否それこそ三人同時に襲ってきても勝てそうな能力を持っているように感じた。
現状把握はそこそこに。ストレージの欄と、クエストの欄などを別に同時表示できることに気が付いたりしつつ、食料の多さに驚いてみたり、クエストの恐らく分岐に関るであろう、?が使われた欄を確認し、メインとなるクエストの詳細を、仕事を放棄した猫の事を思いつつ新しくウインドを開く。
『王国騎士団の任務の内には治安維持も存在する。今回は最近、近隣の村や町、流通その物に悪影響を与えている大規模な盗賊団が存在している。その盗賊団の討伐が君の所属する砦に与えられた任務である。その対処法は自由ではあるが、近日中に任務が為されることを期待されている。※確認されている盗賊団はどうにも怪しい、その戦力は異様に大きく注意が必要である』
要するに討伐依頼但し盗賊、人。剣と魔法というからには魔物討伐などがメインだと思っていたが、現状では対人メインであると考えると、本来リアル路線のゲームにし辛い魔物のない世界線なのだろうか疑問は尽きないが、手ごたえはありそうである。
取り敢えずより深い把握はできそうにないので、一旦場面に移る事にする。
クエストを選択、視界は明転する…。
一瞬の何とも言えないブレ。今までとは明確に違う転移酔いの様なそれに困惑しつつ、状況の把握を進める。
ここはどこであろうか、…執務室の様だ。なんだかんだ総隊長である。戦闘班の長たる自身の仕事の範囲は戦闘だけでなく書類仕事なども含まれるとはある意味当たり前かもしれない。………何とはなしに書類を確認していると、例の書類、詰まる所盗賊団討伐任務について国本から依頼が出されている事を確認した。
簡単に書かれた書類からはとりあえず処理しておけという雑な思想が透けて見える用であった。これについては管轄が完全に騎士団の防衛隊の為、砦の責任者に窺い立ては必要ないだろう。となればそもそも自身の権限の範囲内でどういった対処ができるのであろうか。
思考アシストとでも言えばいいか、いくつかの選択肢が思いつくと共に、メモとでも言いたいかウインドウで文字が表示される。
現状で把握した傾向について纏めるのであれば、単純明快、任務という事で出撃の号令をかけ、適正な戦力を送り出す事。これは前準備などあるが、詰まる所自力によるか帰結を望んだ場合である。二つ目は助力を願う事。助力の範囲は様々だろうとは考えられるが、指令所にはなかったが怪しい盗賊団との事である。ゲーム的にも、常識的にも普通にはありえない規模の物が発生している以上、指令書の安易な命令で動きたくないというのはある。
命令書通りであれば恐らく任務は失敗する。このゲームがどの様な感じにストーリーを進めていくのかはいまだに確認できていない為、ここで人死にが出るかもしれないと思うと今後のために避けたい。同時に、適切な戦力という物が現状一小隊、通常の盗賊団に対処する為の戦力規模しか思いつかない事が問題にもなっていた。というのも、どうにも巡回、間所であったり、駐屯兵としての役割が少なからずあるようであり、場所的に戦闘が少ないだけで他国、帝国からの侵略に真っ先に対処しなければならないなど兵士を動かせない理由も多い為、仕事をしていない割には動けないお役所状態なのである。
ゲーム内でこんな役割を演じる事になるとは、しかしだからこそのヘルプであったり、情報の精査なのだろう。智謀に関してはどうもそこそこ以上にアレクにはあるようだが一方で本職ではない以上、策略であったり等に巻き込まれても気が付けない可能性がある。
…だからこその選択肢と思えば、支援が欲しくなるという物である。
支援を受ける事を前提にどうせれば良いか考える。ここで面白い事が起こった。
実際に目の前で何かが起きたと言う訳ではないが、先程のヒントの様に目の前に幾つかのウィンドウが現れたのである。詰まる所、剣術の時に出た予測の、策略など特にじっくりと考えられる状態で補助として出ているのではないかと思えた。
複数の能力が混じっているようなので、どれを主軸に考えるのかなど指定できるようではあるが基本的にはあくまでも指定だけのようで自動で複合して試行してくれるようだ。そこで例えばどのような動作をするかの使用確認等をいつも通り始めるのであった。
とはいえ、時間加速器の機能でもあるのか、存外に早く、体幹では長かったが確認を終えた所感は、便利は便利だが扱いも難しいという物であった。
単純な話、なんとなく模擬戦ではないが戦闘シミュレーションの様な物を行ってみたのだ。過去のアレクとガルドの戦闘を再現させてみれば、戦闘者としてのスキルもある為かかなり精密に再現できているように感じる。一方でアレクは場当たり的に対応をしただけと考えてみれば非常に幸運な事が起きたとされるが、そこで自身の考えを入れてみればどこに問題点があったなど自身が判る範囲で判定し、賭けに勝ったと結果が変わる。或いはデータ入力にも補助があるのかもしれないが、先程の例でなくともコインをトスしたときの表と裏を連続で八回充てる等できたが、周辺情報、特に地形の把握に間違えが多いほど予測能力が低くなっていた。
先程の補助に戻れば、自動的にデータの取得が出来る事、データの正誤率などを感じ取れるが、一方で正誤率6割が高いとなると、予測の精度が高いのか、たまたまなのか色々と難しい物も多かった…。何をしていこうか、便利な道具も手に入った、ぜひじっくりと考えてみようではないか。
~continue~
如何にも早、いかんともしがたし…。
…悪癖怠け癖がひどくなってきていますね。頑張らねば。




