表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

コスプレじゃないの?

 そんな事を考えていると、急に落下スピードが下り、一度フワッと浮いた感覚がして、体は地面に降ろされた。例えていうなら、エレベーターの止まる時の感じに似ている。

「ああああああーーっっっっ! またしても失敗かあぁぁーー!!」

 周りの様子を確認する間もなく、とんでもない大音量の声が僕の耳に飛び込んできた。

 声のした方に顔を向けると、そこに、なんとも奇妙な格好をした少女が頭を抱えてうずくまっている。

「えーと、どちらの方ですか?」

 僕は恐る恐るその少女に質問をしてみた。今の現状が分からない以上、目の前にいる少女から少しでも情報が欲しかったからだ。

「何だって! ああーっ?」

 その少女はこちらを向いて、すこぶる機嫌が悪そうに僕を睨んだ。

「いや、だから、どちらさんかな〜と思って……」

「あーあ! スーパーレアでも無い。レアでも無い。どノーマル! また、一年かけてお金を貯めなきゃいけないのか」

 少女は人の話を聞く気もないのか勝手に言葉を呟いている。

 僕は彼女の姿と言葉から少し現状を推測してみた。

 まず、彼女の格好だが、黒のとんがり帽子に茶色の革製っぽいワンピース、その上から裏地が赤色で外側が黒色のマントを羽織っている。足元は、これも革製っぽいのブーツ。

 うん。魔法使いのコスプレだな。

 呟いている内容からすると、スーパーレア、レア、ノーマルって言ってるから、ゲームのガチャの話だろうな。

 結論。

 彼女はコスプレーヤーで、コスプレしながらスマホのアプリゲームをやって吠えている少し危ない人。

 う〜ん。納得。我ながら素晴らしい洞察力。

 じーっ。じーーっ。じーーーっ。

 満足げにしている僕の顔を、凄い顔で睨んでいる少女が一人。

「あんた! 何か失礼なことを思ってないよな!」

「いやいや。失礼なことなんてとんでもない。その魔法使いのコスプレ似合ってるよ。それから、ガチャ良いカード出なかったんだ。残念だったね」

「コスプレ? ガチャ? 何のことを言ってるんだ?」

 少女は僕の方を見て怪訝そうな顔をしている。

「えっ、その服装はコスプレじゃないの?」

「お前の言っているコスプレというのが何のことかは知らないが、この服装は召喚師の一般的な服装だ」

「召喚師?」

「そうだ。わたしこそが、エラン王国宮廷召喚師 ソフィア・アライアだ!」

 少女は無い胸をめいいっぱい張っている。

 えーと。ちょっと何を言っているのか分からないな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ