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喫茶店!

ハロー。

僕は今喫茶店に来ている。もちろんゲーム内の。

ここはプレイヤー同士が情報交換し、攻略に役立てる場だそうだ。


「お客様。ご注文はお決まりですか?」

「コーヒーを。もちろんブラックで!」

やめろ!僕はカフェオレ人間だぞ!苦いの嫌いなんだぞ!


さて、僕が喫茶店に来た理由は勿論、情報収集だ。

決してつまらないテンプレネタをやりに来たわけではない。


喫茶店内は落ち着いたつくりになっており、いくつものある丸テーブルを複数人で囲み話し合えるようになっている。

そして現在も多くの人々が互いに情報を提供しあっており、話し合いは同じテーブル内だけでなく近くのテーブルの人々を巻き込み、かなり大規模なものになっていた。

因みに僕は人との会話に加われないため、広い喫茶店内の一番端のテーブルに一人で腰をおろし、他の人々の会話に耳をそばだてていた。

僕が口を開くとろくなことにならないからね。



さて、そろそろ聞くのに集中しようか。




*********


女1: そういえば最近PKが増えてるってマジ?


男1: マジマジ。俺の知り合いも何人か被害にあったってさ。


女2: 怖いですね。


男2: 俺もPKされたわ。


男1: マジ?経験値全損?


男2: ああ。ホント最悪。


男3: 犯人の顔は見たのか?


男2: いや、見れなかった。骸骨の仮面つけてて全身黒のローブで隠してた。


男3: それ《不死の人》じゃね?


女1: 《不死の人》?誰それ?


男3: 知らないのかよ。最近、攻略組20人をまとめてPKしたやつだよ。


女1: なにそれ。《不死の人》ってパーティ名なの?


男3: いや、単独犯らしい。どれだけ攻撃を受けても効かなかったとか。


男4 成程、だから《不死の人》か。というか、攻略組そんなにやられて大丈夫なのか?


女2: あの、一つ質問なのですが攻略組ってどんな人のことを言うんですか?


男4: まあ、簡単にいうと最前線で戦ってるやつらのことだな。このゲームは一度死ぬとLv.1からになっちまうからできるだけ危険は冒さないほうがいい。

   そんな中で危険の多い未知のフィールドに挑み続けるやつらを攻略組というのさ。


女1: 今一番有名なのは『正義の剣』と『赤の女帝』かな。


男4: 『正義の剣』は既に荒野の先の高原も攻略間近で、『赤の女帝』は森を突破しその先の沼地に挑んでいるとか。


男3: マジか。次元が違うな。


女2: そういえば、ゲームが始まった直後に森を攻略した非公開の人がいましたよね。


男4: あれは流石に運営のミスだろうな。

森はLv.5近くのモンスターが多すぎて、進むに進めない。今でも森でレベリングできるのは本当に一握りだしな。


男3: かといって荒野のモンスターの経験値じゃLv.3からまったく上がらんし、

もう少しレベル間の経験値差を縮めて欲しいもんだな。


女1: 他には『黒炎』『聖騎士』『次元の狭間』とかが有名だよな。


女2: あの……。『悪魔の舌』は有名じゃないんですか?


女1: ん?そんなのいたっけ?


女2: はい。氷山のボスを倒したとか。


男3: ああ、そう言えばそんな通知が来たな。


男1: てか、氷山ってどこだよ!


男4: 俺も知らんな。


女1: へえ。そんなのがいたのか。通知が発信された時、ログインしてなかったのかな。


男2: 『悪魔の舌』ははっきり言ってよく分からんな。


男4: ああ。


女2: そうですねぇ。


女1: なにはともあれ、強いやつはいいよな。私はいまだに荒野でレベリングだ。


女2: 私もです。


男3: 俺のパーティは今日から森にいくぜ!


男4: そうか。


女1: ふうん。


女2: へえ。


男1: ……。


男3: 反応薄ッ‼‼



***********


「苦いッ!!」

コーヒーを全て飲み終え、テーブルにお代を置いて席から立ちあがる。


ふむ。既に荒野や森の先まで攻略の手が伸びているのか。


なかなかいい情報がきけたな。


僕はかなり満足して、喫茶店を出た。



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