六話
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教育実習生は通常授業日に実習を受ける。
学校行事等で本来休日である日が実習日となれば参加は必然になるが、生徒に割り当てられた休日は実習生も休みになる。
休日、朝。
特に学校行事はなく部活動の指導に参加していなかった八千代は自宅で睡魔に負けていた。
自室のベッドの上で俯せの状態から「起きろ」と脳内で自分に言い聞かせて続けているが、指先がぴくりとも動いてくれない。
学んだ事の復習。実践授業の反省。そこから教諭達から受けた指摘・意見・改善点をまとめて、指導案の見直し。割り当てられた授業範囲の予習。次の週の準備。
手をつけたい事は山程あったが身体が重たくて動かない。
想像以上に疲労が溜まっていたらしい。
瞼が開かない。
今日は一旦このまま眠ってしまうしかないようだ。
自己管理が出来ないなど情けないと自分を叱責しても睡魔が和らぐ事はない。
今日はくるの見舞いに行きたいとも思っていた。
窓から差し込んでいる日光が当たっている部分が布団越しでも暖かいと感じる。
きっと今日は快晴なのだろう。
午後には見舞いに行けるだろうか。
そんな事を考えながら、八千代は睡魔に抗おうとしていた意識を手放した。