番外、霖視点、新ギルド
またしても、番外編です。
すみません。小説の編成ってよく分からないので。
勢いだけで書いてます。
お楽しみください。
∥霖∥
「さて、私は買いだしに行こうかな。」
「じゃあ、僕もここで。またね、リン。」
「はいはーい。じゃあね、レイ。」
(さて、零夏も行ったし掘り出し物を探しますか。まず市場に、っと。)
「らっしゃい、らっしゃい。安く買いたいならうちに来な。」
「回復薬、入荷しました。」
「パーティーメンバー募集中でーす。」
「どなたか、武器製作のスキル持ってる方。」
(結構、賑やかだな。)
「オーイ、そこの女の子。ちょっと。」
「えっ、私?」
「そう、あなた。」
「な、なんでしょう。」
「いきなり声かけちゃってごめんね。わたしはカナタ。」
「あっ、私はリンです。」
「今、私たち、女の子だけでギルドを作ろうと思ってるんだけど、やっぱり女子人口少なくて。」
「で、勧誘ですか。」
「そうなのよ。どう、興味ない?」
「一時的でもいいですか?」
「ええ、いいわよ。何かあるの?」
「いや、友人と約束をしてて。」
「その友人も女の子だったりしない?」
「残念ながら。」
「そう、しょうがないわね。」
(実際、二人ともいけるんだろうけど。面倒くさいのは嫌だし。)
「リンは、クラスは見た目通り魔導師でいいのかな?」
「うん。カナタさんは?」
「わたしは、盗賊よ。ついでに呼び捨てでいいわ。」
「わかった。で、カナタ。さっき私たちって言ってたよね。他の人は?」
「うっ、・・・いないわ。」
「なんて?聞こえなかったんだけど。」
「居ないって言ってるの。さっきは見栄を張ったんです。すみませんでした。」
「そんな、自虐しなくても。でも他にいないのね。」
「はい。すみません。」
「はぁー。じゃあ、わたしも協力するから。まず メンバーを集めよう。あと、3人。」
「良いの?私なんかの為に。」
「私のためにもなるからね。さっきの強気は、どこにいったの?ほら、元気出して。」
「うん。よし、やるぞー!」
「おー!」
・・・3時間後。
「くっ、またはずれか。」
「やっぱ、なかなか居ないよ。」
「かれこれ20人は聞いたよ。」
「誰か~。」
「あの~、すみません。この辺りで女の子だけのギルドを作ろうとしてる人がいるって聞いたんですけど・・・。」
「入ってくれるの!」
「あっ、はい。私たちも女子3人だけなんです。けど、一人男性恐怖症で。」
「3人!これで揃ったー!」
「待って。あと二人は?」
「今、広場の方で待ってます。」
「じゃあ、その二人に会いに行こうか。案内してくれる?」
「あっ、はい。こっちです。」
「うん。あっカナタ、行くよ。あれっ?」
「わたし、出番ない。」
道の端の方でいじけていた。
「ごめん。ギルマス、カナタなのに。」
「いいわよ。わたしなんかよりリンの方がこういうのむいてるもん。」
「だからそう卑下しないで。行こっ!」
手を掴み、引っ張る。
「キャッ!」
「ほら、走るッ。」
「じゃあ、ついてきてください。」
広場に着くと、噴水に二人の少女が腰かけていた。
「ナノ、ツキ、連れてきたよ。」
「お帰り~。」
「ルーちゃん!恐かったよ~。男の人ばっかだし、なーちゃんは頼りにならないし。」
「ごめんごめん。探すのに手間取っちゃって。」
「この人たちがギルドの人?」
「うん。えーと、名前は・・・。」
「あっ、忘れてた。私は、リンといいます。」
「わたしはカナタよ。」
「すみません、自己紹介もなく。私は、ルーシアです。」
「ナ、ナノといいます。よ、よろしくお願いします。」
「ツキだよ。ルーちゃんなーちゃんは、リアルで友達なんだ。」
「よろしく。でも、まだギルドの人じゃないんだ。」
「へ?」
「作ろうとしていたけど、まだ作れてないのよ。」
「そうなんですか。でもこれで五人。ギルド作れますね。」
「ナ、ナノも嬉しいですー。」
「まず、フレンド登録ね。」
「はーい。」
「じゃあ、ツキが最初に送るー。」
お互い、フレンド登録したあと、みんなでギルドステーションに向かう。
「カナタ。私、ギルステって行ったことないんだけど。」
「そうなの?クエスト受けるなら、絶対行かなきゃいけないのよ。」
「わ、私達も入ってすぐ、簡単なクエストに行ったんです。ね、ルー。」
「うん、本当に簡単だったよね。」
「まぁ、カウンターが違うけど、新ギルド設立の受け付けも隣にあるのよ。」
「全然見てなかった。」
「ツキ、あのときすごく浮かれてたもんね。」
「ち、違うけん。」
「あははっ。やっぱ大人数は、楽しいよ。」
「あなたも浮かれてるわね。リン。」
「そりゃそうだよ。」
「でも、私はここまでね。」
「どうかしました?」
「もうログアウトしないといけないのよ。あなた達もそろそろ時間じゃないかしら。」
「あっ、本当だ。どうする、ツキ、ナノ?」
「わ、私はもうしようかな。ご飯の時間だし。」
「ツキもやめるよー。」
「そうだね。じゃあ、リンさん、カナタさん、また会いましょう。」
「うん。じゃあねー。」
「私もお暇します。また入ったらメッセージ出しますわ。」
「わかったよ。ギルドには、みんなの名前、登録しとくからね。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「よろしくー、リンリン 。」
「それって、私?」
「うん。リンリン。」
(ちょっと嬉しいかも。)
「お、お願いします。」
「うん、ナノちゃん。任せて。」
「ばいばーい。」
ツキちゃんの挨拶のあと、順番にログアウトしていった。
(さて、ギルステに行こうかな。えーと、マップっと。)
道を見回す。
(あっちかなぁ?)
「・・・迷ってるの?」
「わぁっ!」
いきなり後ろから声を掛けられて驚いてこけてしまった。
振り向くと、背の小さい巫女さんが立っていた。
「・・・大丈夫?」
「う、うん。いけるいける。」
「・・・良かった。」
微笑まれる。
(可愛いー!)
「えっと、あなたは?」
「・・・私?」
「うん。」
「・・・ミュイ。」
「あっごめん。こういうときって私からだよね。私はリンっていうの。」
「・・・迷ったの?」
「うん。恥ずかしながら。」
「・・・どこ?」
「ギルドステーションなんだけど。」
「・・・案内してあげる。」
「良いの?」
「・・・うん。私も用事ある。」
「じゃ、お願いします。」
「・・・こっち。」
ミュイと名乗った少女は、腰に長い太刀を差していた。
「ミュイちゃん。太刀ってことは剣士なの?」
「・・・ううん。戦巫女。」
「いくさみこ?」
「・・・これ。」
ミュイは、左腕の腕輪を見せる。腕輪は、透明な赤と透明がマーブル状に交ざっていた。
「きれーい。ユニーククラス?」
「・・・うん。」
「条件は?」
「・・・最初に、巫女服を着る。」
「そのままだね。」
「・・・うん。」
・・・・・。
「あのさぁ。」
「・・・何?」
「いや、今、どこかのギルド入ってる?」
「・・・ううん。ソロ。」
「私たちのギルドに入らない?」
「・・・嫌。」
「女の子だけのギルドなんだけど。」
「・・・遠慮する。」
「そう。わかった。あっ、あの建物?」
「・・・うん。あれがギルステ。」
(あれ?どっかで見たことあるような・・・あぁ、国会議事堂か!あれ、ミュイは?)
ミュイはすでにエントランスに入ろうとしていた。
「・・・入る。」
「うんっ。ちょっと待って!」
中に入るとどこかの役所みたいだった。
「ギルド設立の受付は・・・。」
「・・・あっち。」
「ありがとう。ミュイ。」
「・・・ここで、お別れ。用事ある。」
「うん、またどこかで会えたらよろしくね。」
「・・・じゃあ。」
ミュイは人混みの中へ消えていった。
(可愛い娘だったなぁ。うちのギルドにもあんな娘が居たらいいのに。)
考えながら受付へ向かう。
「こんばんは。ギルド設立受付です。」
「ギルド設立をしたいんですけど。」
「はい。では、こちらの用紙メンバーの名前を記入してください。」
五人の名前を書き込む。
「はい。記入された五名の方にメッセージを出します。全員から承諾が出ましたら改めて、ギルドマスター欄の方に来ていただきます。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「さて、私も落ちるかな。ログアウト。」
眠気が襲ってくる。
・・・、プツンッ
二作、番外が続いたので 次は、零夏視点ですね。
一応、本編は、零夏視点でお送りします。
コメント、評価、感想など待ってます。