第1話、はじめての世界
二話です。
間違いなく、自己満足のためなので、つまらなかったらコメください。
目が覚めると街の広場に立っていた。
「よし、たしか門に集合だったよね。どっちだろう?」
周りを見渡すと結構閑散としている。
「たった千人なんてそんなものかな。」
(メニューってどう開くんだろう?)
と、歩きながら考えていると
「お、ね、え、ちゃん!」
「うわっ!」
何かに後ろから飛びかかられた。
後ろを振り向くとうしろで束ねた青い髪、ローブを羽織り、スタッフを持った妹が立っていた。
兄として言うのもなんだがそこら辺のアイドルより断然かわいい。
「何考えてたですか?」
「うん、メニューの開き方がね…。」
「あっそれならですね。」
ポンポンと左腕を指で叩く。
「このプレイヤーリングに触れて、メニュー、と言うだけなのです。」
「えっ?」
驚いて左腕を確認すると、確かに黒い珠のついた腕輪がついていた。
「こうやるですよ! メニュー!」
リーフは自分の淡く光るリングに触れながらメニューを開く。
「あれ?何でリーフのリングは白の珠なの?」
「それはですね、クラスの問題ですよ。例えば、私のような魔導師は白色、お姉ちゃんのようにアサシンなら黒色です。」
他にも
騎士なら青、
剣士なら赤、
盗賊なら緑、
弓使いなら黄、
など、多種多様の色が有って、
例外として、メタルカラーやクリアカラーなどユニーククラス特有の色も有るらしい。
「ついでに、このリングに触れながら安全地帯でのログアウトや所持アイテムの確認もできるです。」
「で、そのしゃべり方って何?」
「うっ、今聞くですか?一種のロールプレイみたいなものです。」
「へぇー。メニュー。」
「聞いといてそれですか!」
ブワンッ
目の前に仮想端末?が現れる。
(他に何ができるんだろう?)
「マップ、アイテム、ステータス、ヘルプ、ショートカット。」
ブワンッ ブワンッ
と、開いていくなかに変なものを見つけた。
「なんだろ、これ?」
「どうしたですか?」
と覗き込んでくる。
「ショートカットメニュー?説明書にも載ってないです。」
「何か、登録してみようか。」
画面内にアクションとリザルトを決める欄がある。
(試しに、えっと右手を挙げるっと。リザルトは、武器を手に持つかな。よしっ、登録完了。)
右手を挙げてみる。
ウィンッ
弓が空中に出てきた。
「すごいですよ。お姉ちゃん!どうやったらその画面出るですか?」
「触りながら、ショートカットって言ってみたんだけど。」
「やってみるです。ショートカット。」
しーん
「出ないですよ?」
「何でだろう。ショートカット。」
ブワンッ
「出るよ?」
「お姉ちゃんだけずるいです。」
「でもなー、あれ、なんかスキル覚えてる!」
所有スキル
・ショートカット
ユニークスキル。ショートカットが使えるようになる。パッシブ。
「ユニークスキル?」
「ユニークスキルッ!だからですか!」
「何が?」
「ユニークスキルはゲーム内で最初にそれをした人だけ使えるスキルなのです。だからお姉ちゃんが一番最初にショートカットを言ったから覚えたんです。」
(そんなのがあったんだ。確かに便利だし。みんなが使えるなら、説明書に載ってるだろうしね。)
「ずるいですー。お姉ちゃん。」
「まあまあ。そういや、霖を放置してない?」
「あっ。……走るです!」
「ちょっ、待って!」
「先に行ってるですよー。」
「はぁはぁ。って速いよ~、リーフ~。」
「ごめんです。お姉ちゃん。」
「やっほー。ネーム、レイなんだ。そのままだね。」
「お前に言われたくない。」
「あはは。」
「まずは、フレンド登録するです?」
「そうしようっ!」
ピコンッとメッセージが届いた音がする
リーフさんからフレンド申請が届いています。
承認しますか?
YES・NO
迷わずYESをタッチ?する。
「これでオッケーです。」
「それじゃ、よろしくってことで。」
「よし、私たちもフィールドに行こう。」
「レイ。」
「何?リン。」
「いつも言ってるけどその一人称変えないの?」
「これで慣れちゃって。」
「お姉ちゃん。ロールプレイで、僕、にしてみたらどうですか?」
「いいと思うよっ。男の娘みたいでっ。」
「そうかな?男っぽいかな?」
「うんうん。僕っ娘。ありです。」
・・・・・
「リーフ?何か言った?」
「いやっ。何のことです?」
「妹ちゃん。同感っ!」
「そうですっ。分かりますかリンさん。」
「そりゃそうでしょ。」
「やっぱ何か言ったんでしょ。」
「何の話?」
「お姉ちゃんには関係ない話です。」
「レイには関係ないよーだ。」
「ずるいよ、二人とも。」
「はいはい。行くよっバカ姉妹。」
「姉妹じゃないっ。」
「バカは否定しないんです?」
「うんうん、そうだねー。」
(相手にすらしてくれないよ。霖め、覚えとけ。)
「はい、まず武器屋に行かないと。」
「何でです?リンさん。」
「今、βテスト記念でくじ引きでレアな武器が当たるんだって。」
「へぇ、で、何で知ってるんだ?」
「二人を待ってたとき前を通った人が話してたんですよーこれが。」
「立ち聞きですか?」
「人聞き悪いなー、妹ちゃん。聞こえてきたの。」
(きっと嘘だ。)
「リン。武器屋はどっち?」
「あっ、あっち。」
霖が指差したほうへ進むと確かに武器屋があった。
中に入ると、いかにも鍛冶屋です、という感じの男がいた。
「いらっしゃい。俺は店主のレックだ。よろしくな。嬢ちゃんたちはくじ目当てか?」
(何かとても人っぽい。プレイヤー?)
「いや、俺はNPCだ。」
「人じゃないですか!」
「普通に会話できるんだっ。いいね~、こういうの。」
「まっ、そろそろ商談といこうや。くじだろちょっと待て。」
レックさんは後ろの棚をごそごそと漁っている。
「さっき使ったんだが、おっ、あったあった。」
大きな箱がカウンターに置かれた。
「お嬢さんらのウェポンはなんだ?」
「はいはーい。私、太刀でーす。」
「私は、魔導書です。」
「僕は、弓矢ですね。」
「よっしゃ。誰から引く?」
「はいっ、私からー。」
箱の中に手を突っ込む。
「おりゃっ。」
赤いボールを掴み出した。
「よしっ、四等か。ランクCだな。」
「えぇっ、そんなー。」
リンは赤い刀身の刀を受けとる。
・鮮血の太刀
ウェポン:太刀
ランク :C
属性 :なし
装備補正:ATK-100
移動効果:なし
特殊効果:吸血
相手にダメージを与えれば与えるほど攻撃力が上がる。
「補正マイナスなんて無しでしょっ。」
「しょうがないだろ、嬢ちゃん。Cなだけ感謝しとけ。さっき来た奴らなんて全員Eランクだったぞ。」
「そうですよ。初期装備だとしたら相当ハイスペックです。」
「ありがと。次リーフちゃんも引きなよ。」
「ハイです。」
箱に手を入れたあと、勢いよく引く。
「紫です。何です、これ?」
「紫は、・・・。あっB+だな。ほいよっと。」レックさんから黒色の分厚い本を差し出された。
「ありがとうです。ええっと。」
・深闇の魔術書
ウェポン:魔導書
ランク :B+
属性 :闇
装備補正:ATK+1000
DEF- 50
CRT+ 100
移動効果:なし
特殊効果:漆黒の力
闇属性の上位呪文をひとつ習得、光属性の呪文の使用不可。
「うわーん。リーフちゃんに裏切られた。」
と、いきなり僕に飛び付いてきた。
「ちょっ、離して。」
(ざまぁみろ。)
「やったです。B以上はまだ全然出回ってないのです。」
「確かに、珍しいな。運がよかったな嬢ちゃん。」
「ずるいー。それ寄越せっ!」
「やめてです。リンさんっ!」「ちくしょうっ。レイ、早く引け。」
「私より下を引けっ。」
「わかったから。一回離れよう。」
リンは一歩下がって早くしろ、と睨み付けてくる。
(はぁー。)
心の中でため息を吐いて、箱の中に手を入れる。
(うーん。これにしようかな?いや、こっちかな?あれ?)
ひとつに触れたとき何か他のボールとは違う感じがした。
(これだっ!)
掴んでひっぱり出すと透明なボールを掴んでいた。
「ま、まさか。それを引いちまうなんて。嘘だろっ。」
なぜか、レックさんが慌てふためいている。
「あの、どうしたんですか?僕、なにか悪いことしました?」
「い、いや違う。その玉は大当たりも大当たり、最高ランクSS++の玉だ。」
・・・・・・・・・・。
空気が固まる。
「弓矢だったな。これだ。」
カウンターの下から出てきたのは、真っ黒の巨大な弓だった。
「あ、ありがとうございます。」
「ああ。大事に使ってくれ。」
「お、お姉ちゃん?その武器のステータス見たいです。」
「わ、私も。」
「ちょっと待って。」
ウィンッ
・堕天使の破壊弓
ウェポン:弓
ランク :SS++
属性 :天
装備補正:ATK+65800
DEF+34000
SPD 0
CRT+ ∞
SP + 100
移動効果:装備時移動不可
特殊効果:スキル獲得
固有スキルを習得します。
使用制限
再装填に10分かかります。
「ステータスおかしいです。」
「私、思うんだけど、装備時に動けないなら要らなくない?」
「大丈夫、考えがあるから。」
ちらっと、九葉のほうを見ると目で答えてくれた。
「で、何のスキルを覚えてるです?」
「気になるっ。」
「ええっとね。」
所有スキル
・絶焔の矢
矢による全ての攻撃に天属性が付与。パッシブ
・輪廻の矢 SP?
SPを使い、矢の代わりにエネルギーを射出する。
・永遠の矢
止まっている限り矢が尽きない。パッシブ
・誘導の矢 SP 2
矢が相手に向かい追尾する。
(これはもう只のチートじゃない?)
「なんだか、何でもありなの?って気がしてきた。もうここまで来ると羨ましいとかじゃなくて、呆れるわね。」
「凄いです。としか言いようがないのです。」
「ま、まぁフィールドに出ようか。」
「大丈夫だとは思うが、気を付けてな。」
「はーい、ありがとうございました。」
ドアをくぐり外に出る。
「この後、どうするです?」
「フィールドに出るんじゃないの?」
「そうなんだけどね、レイ。準備とか色々あるでしょう。」
「回復薬とか買っておきたいです。それに今の防具だときついと思うです。」
「そっか、じゃあ僕もそうするよ。」
「私、行きたいとこあるから別行動でいい?」
「そうですね。いっそこのまま別行動するのはどうです?フィールドに出るのを明日にして。」
「そうしようか。じゃあ明日も休みだし、AM.8時00分に朝の門のところに集合で。」
「オッケーッ。」
「了解です。」
「じゃあまた。」
こうして僕たちは始まりの町で解散した。
小説って難しいです。
更新、頑張ります。