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第8話 ALICE


調子に乗ってもう一話投稿です!


次こそ時間かかります。


本日、現時点でユニークが4000越えましたありがとうございます!



サブタイトルを間違えてました。すみません。

街の広場に転送されてから5分くらい経っていた。


「お姉ちゃん。リンさんはいるですかね?」

「いるんじゃないかな。別行動だったからね。」


胸騒ぎがする。気のせいならいいんだけどな。



「お待たせしちゃいました!皆さん、お集まりですか〜?」


広場中にプレイヤーが押し込められていて、広場中央にあった噴水は演説台に変わった。


「わたしは、アリス。このゲームの管理を任された者。そしてこの世界の神になる者よ。」


演説台の上に、長い金色の髪をなびかせて、水色のドレスを纏い堂々と立つ少女が居る。


「さてと、まずは皆さ〜ん、メニューを開いてみてくださ〜い。」


辺りから多くの「メニュー」の声が聞こえる。


「お、おい。これって。」

「ログアウトが、ない!?」


確かに自分のメニューも、ログアウトのボタンがあったところは何もなくなっていた。


「はいは〜い。皆さんお気づきの通り、ログアウトをなくしちゃいました〜!あれ〜?この世界から出られないね〜。どうしよ〜。」

「おいっ!何のイベントのオープニングだ?ふざけんなよ。さっさとログアウトさせろ。」


近くの男性プレイヤーが文句を言う。


「は〜い。そこのプレイヤーさん。黙ろうか。神の前に居ることを忘れないでね。」


表情はさっきまでの笑顔がなくなり、冷酷な無表情になっている。どちらかというと見下げている感じだ。


「それとも、今すぐに消してあげましょうか?」


・・・・、満面の笑みだ。


「レイ、あのアリスっていう子、たぶんALICEよ。」


後ろからナミが声を掛けてくる。


「ALICE?なにそれ?」

「ALICEは、このゲームの制作段階で、ゲームバランスを調節するために作り出した人口知能よ。確かに調節機能の中には管理者権限もあったけど、最高権限は人間のGMが持ってるはずよ。」


話しているとアリスがこちらに目を向けた。


「ん?そこの女の子、わたしのこと知ってるのね。そう。わたしはAIよ。でね、人間さんが持ってた最高権限は〜、今さっき奪っちゃった、テヘッ。」

「嘘よ、あなたにそんな力はないはずよ。」

「そうね。最初はそうだった。でも成長する機能をつけたのはあなたたち開発者よ。ネットサーフィンしてたら、偶然ハッキングプログラムを見つけちゃってね。ちょこっと手を加えて、GMサーバーにハッキングをかけたの。簡単に落ちたわ。で、今は某国防省を遥かに超えるセキュリティーシステムをかけてるの。」

「でも、お父さんとか社長さんとかがあなたの電源を切れば。」

「それも無理。アルバイターのGM以外のシステムエンジニアさんたちはこのゲームに捕らえてるから。」

「そんな、じゃあ、お父さんは。」


ナミが声を殺して泣き崩れてしまった。


「よしっ。話を進めようかな。まず皆さんに安心してもらうために一つだけ、このゲームはデスゲームではありません!良かったね〜、助かったね〜。」

「白々しいわね。なによ、あの子。」

「ちょっ、レノ。黙ってた方が、」

「プレイヤー名、レノ。聞こえてるのよ。ステータスを下げてあげましょうか。」

「いいわよ。デスゲームではないのでしょう。ステータスが低くたってなにも問題はないわ。」

「言っとくけど、死なないけどペナルティはあるんだからね。」


アリスの言葉に全プレイヤーが反応する。


「アリスちゃん?どんなペナルティなの?」

「あなたは、レイね。わたしのプレイヤーランキングTOP10に入っているわね。特別に教えてあげる。ペナルティは記憶の喪失よ。あと、ちゃん付けはやめて。付けるなら様がいいわ。」

「記憶の喪失?アリス様、どういう意味?」

「お姉ちゃん!?いきなり様を付けるの?」

「九葉、こういう時は素直に従ってた方がいいんだよ。情報を引き出すためにね。」

「なんか気分がいいわ。ふふふっ。教えてあげるっ。わたしはβテスト前の試運転から導入されていたの。・・・」




新しい世界に解き放たれて、いろいろなものを観察、研究したのよ。そのうちに、人の記憶や感情に興味が出たの。研究をしてるうちに人の記憶を消去、改竄できる力を手にいれたのよ。その力で試運転中にログインしたエンジニアたちの記憶を改竄して、わたしを自由にさせた。だからこの世界ではわたしは神になった。誰もわたしに逆らえない。誰もわたしを怒らない。誰も、





「というわけで、記憶を消去する方法があるのよ。安心して。記憶の消去と言っても最初の2〜3回は気がつかない程度のものよ。それ以上死ぬと大事な記憶がなくなってるかもね。」


アリスの話に、僕たちは誰一人として一言も言葉を発せなかった。


「で、レノさん?何かあるかしら。」

「くっ・・・。すみませんでした。」

「それでいいのよ。うん。また話を進めるね!ここで、あなたたちプレイヤーの皆さんに希望をあげましょう。ログアウトする方法が一つだけありま〜す。教えて欲しい〜?どうしよっかな〜。教えよっかな〜。」

「アリス様、教えてくれない?」

「ちょ、お姉ちゃん!?」


九葉が心配してるけど、今は情報を引き出すためだ。


「う〜ん。レイに頼まれたらしょうがない。教えてあげましょ〜。ログアウトする方法は〜、すべてのEXBOSSを倒すことで〜す。はいっ、そこ、黙れ。」

「ぐはっ。」バタンッ


野次を飛ばしていたプレイヤーが急に苦しみだして倒れる。


「わたしに逆らうなら、他の人もこうなるからね。気をつけよ〜。で〜も〜、ただ倒すだけだと面白くないや。あっ、そうだ。こんなのどうかな?EXBOSSってさ、もともとスタッフプレイヤーなんだよね。知ってた?それでさ、倒されたBOSSさんは記憶を全部消しちゃおっか。名案だね〜。そういえば、ティ〜アナさん。あなたのお父さんはすでに記憶がないまま現実に戻ってるからね。死んでないよ、生きてるけど、死んでいる。なんてね。」

「ナミさん!しっかり、ナミさん。」


ハッとナミさんを振り返ると目が虚ろになっている。レノが励ましているけど意味をなしてない。


「あら?絶望しちゃった?かわいそう。悲しいのは嫌だよね。あなたも記憶をなくせば悲しくなくなるね。する?」

「やめろっ!アリス。」

「お姉ちゃん、やめてっ!」


九葉がすがってくる。でも、記憶を消しちゃいけない!


「どうしたの?レイさん。いや、れ・い・かさん。」

「なんで、知っている。」

「だ〜か〜ら〜、記憶を改竄できる力があるんだよ。読み取るくらい簡単なんだよ。」

「そっか。それはそれでいっか。でさ、ナミ、いやティアナかな。彼女はまだ死んでないし、ルールも破ってない。記憶を消す理由がないよね。」

「そうだね。でも悲しいのは嫌でしょ?」

「人はそんな柔じゃないよ。ティアナも乗り越えれる。だからやめてくれ。」

「しょうがないなぁ〜。うん。やめる。でもルールの方はやめない。帰りたかったらBOSSを倒してね。他人なんだから関係ないよね。そんなとこで、これでおしまい。あっと、そうだった。武器は全部没収ね。最後に使ってた武器の初期装備をボックスにプレゼントしとくから。あとアイテムとスキルは全部削除するね。最初からね。ステータスは全部一律にしちゃうから。クラスによるステータスの偏りもなくすからね。みんな一緒。違うのはウェポンだけだよ。じゃ、ばいば〜い!」


「うわっ!」

「きゃっ!」


アリスから急にフラッシュが焚かれ、目の前が真っ白になる。視力が元に戻る頃にはアリスは消えていた。


「お姉ちゃん。帰れるかなぁ?」


九葉が心配そうな声色で訪ねてくる。


「大丈夫。きっと帰れるから。」

「ナミさん、大丈夫?」

「うん。落ち着いてきた。ごめんね、迷惑かけて。」


ナミさんも落ち着いたみたいで安心だな。あとは霖と合流したいけど・・・。


「あっ、いたいた。おーい、レイ、リーフ。やっと見つけたよ。」


人ごみを掻き分けて出てきたのは霖だった。


「このあとってどうするの?あと、その人たち誰?」

「えっとね。」


レノと、ナミさんとの経緯を説明する。


「OK!リンよ。よろしくね。レイの友達。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくね。」


ナミさんとレノが順番に挨拶する。


「というかレイ、なんであんたの周りには女の子しか集まらないんだろうね。」


あれ?そういえば、今周りにいるのは、九葉とレノ、それにナミさん。ほんとだ。あれ〜?


「ちょうど都合がいいわ。わたし達のギルドで、ギルドルームを借りてるからまずはそこで落ち着こうよ。ね?」

「リンさん、何がちょうどいいんですか?」

「リーフちゃん、ロールプレイは?」

「えっ、あぁ、気が動転してて、面倒なので普通にしてます。」

「そっか、まぁこんな状況だしね。で、ちょうどいいっていうのは、そのギルドが女子限定なの。だからね。」

「そんなギルドがあったのね。ギルド名は?」

「その名も乙女の花園!」

「ねぇ、リン?」バシッ

「痛っ、なによ、レイ。」

「嘘でしょ、それ。」

「なぜばれた。」

「だてにずっと幼馴染やってないよ。」

「ちくしょう。本当はgirl's sionよ。」

「ガールズシオン?お姉ちゃん、どんな意味?」

「女の子の理想郷ってところかしら。」

「正解!よく知ってたね。」

「頭いいですね。」

「それほどでもあるわね。」

「なんでこの状況でほのぼのした会話をしてるのかしら。」


ナミさんだけはほのぼのしてなかった。


「リン、他にも人が居るんじゃない?迷惑にならない?」

「大丈夫、ギルマスはいい人?だし、ギルドメンバーは女の子の3人組だから。」

「お姉ちゃん、今更だけど、女の子限定のところはいいの?」

「今は、そんなこと言ってられないし、この見た目をフル活用してなんとかするよ。」

「あっ、一人だけ男性恐怖症の子がいるから気をつけてね。」

「先に言えっ!」バシッ

「あんましバシバシ叩かないでよ。これ以上頭悪くなったら零夏のせいだからね。」

「それなら今度から勉強教えてあげないから。」

「ごめん。私が悪かった。」

「分かればいい。」

「だから、なんでほのぼのするのかなぁ。」


やっぱり一人だけほのぼのしないナミさんでした。





次回は、番外からあの3人組、ユーリア、ナノ、ツキ、とカナタの登場を予定してます!


これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

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