第三章『黄金(こがね)編』・・プロローグ・・
申し訳ありませんが、第三章から掲載方法を変えたいと思います。
「目次」9ページ
と載せていた物を
「目次(1)」3ページ
「目次(2)」3ページ
「目次(3)」3ページ
と言うように分けて載せます。
済みませんが、ご了承下さい。
総樹の森で 次々と生まれししもべ達
緑樹 紅樹 白樹……
様々な者が生まれる中で 我は生まれた
我が誕生したすぐは 真白い色をしていた
他の者達は森に集まる清浄な光りを吸収していたのに 我の身体の中には様々な感情が流れ込んできた
悲しみ 憎しみ 嫉妬 怒り 独占欲 破壊衝動……
我の中に溜まるそれらは 我の色を白から灰へ 黒灰へと変えて行った そしてやがて黒色へと変わってしまった……
総樹は我を異形の者とし 我の存在を無き物にしようとした
何千年もの間 我は戒めの中にいた
我は何の為に生まれ出でたのか
我はどうして存在するのか 考え続けた
そして一つの答えに辿り着いた
暗く 深い闇の中で 力を蓄えその時の為に備えた
人間と云う者は 昔から 欲深く 罪深く
何でも手に入れたがる
人類は滅亡する事が望ましい
そんな人間に成りたいと望んだウルフ族は 万死に値する
しかし ただ殺してしまうのは口惜しい
互いに憎しみ合わせて いがみ合わせて 絶望の中で命を失う
……望ましい最期だ……
六百年前から仕掛けてきた最大の作戦を実行する時が来た――――――