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邪気

「涼…気分はどう? お水‥飲める?」


「あぁ、少し貰おうかな」


 と言って、上体を起こす。一口飲みほっと息を吐き、涼は話し始めた。


「俺は昔からひねくれた性格で、幼い頃から人の死や痛みが良く理解出来無かった」


 美咲は、涼が何を言わんとして居るのか解らず。曖昧に相づちを打つ。


「小学生の頃に友達が交通事故に遭った時も、中学の友人の母親が自殺した時も…死んだら魂はどこへ行くんだろうとか、そんな事ばかり考えていた。俺が医者に成ったのも家族が皆そうだったから従っただけで、この人を助けたいと思ってメスを握った事は一度も無かった」


「そんな俺が本気でミラルドの事心配するのは、アイツが人間じゃ無いから…。生きているのに生きようとしないから…。俺に得られ無いモノを持っているからかも知れ無い…。それも只の興味本意なのかな…。でも何故だか解らないけど、アイツの事は凄く気に成る」


 美咲は黙ったまま聞いている。


 コイツにも同じ気持が働いたのかも知れ無い。俺は人を愛した事が無い。いつも他人なんてどうでも良いと思って生きて来た。


 でも、コイツだけは気に成る。めちゃくちゃにしたい。抱き締めたい。その笑顔も、瞳も、唇も、髪の毛一本でさえ他の誰にも触らせたく無い。そう思えて来る。


 俺はおかしいのか…、どうにか成ってしまったのか…。



 急に押し黙ってしまった涼の瞳を見返し、美咲は心配に成る。


「やっぱりまだ具合が悪いのなら、ミラルド様呼んで来ましょうか?」


 と立ち上がった美咲の腕を取り、自分の方へ引き寄せる。


 美咲は不意に引っ張られ、バランスを失ってベッドの上に倒れ込んだ。


「あっ涼ご免なさい。大丈夫?」


 涼は何も言わず美咲を見つめる。


「涼?」


 首を傾げる美咲を抱き締め、耳元で囁いた。



「俺と結婚しろよ。…俺を選べ」



「えっ…、結婚なんて無意味よ…。私と貴方は生きる時間が違うもの…」


「煩い、言う通りにしろ。良いか、俺以外の男にもうお前を触らせない。俺が死ぬ時は、この手でお前の人生を終わらせてやる」


 この上ないプロポーズの言葉だった。美咲は嬉しくて、涙が溢れて止まらなかった。


 美咲も本気で人を愛した事は無かった。ミラルドへの想いも只の憧れだった。


「でも貴方は適合者じゃ無いから、貴方の子供を産む事は出来無いわ…」


 悲し気に俯く。


「子供が欲しいから結婚するんじゃ無い。傍に居て欲しいから一緒に成るんだ。そこんとこ間違えるな」


 と言って、激しくキスをした。













 銀牙は流輝と隼人の会話を、こっそりと茂みの中から聞いていた。


 ミラルドも流輝さんも、美鈴って人の事忘れてるのか。思い出せ無いってそんな事有るのかな…。もしかして誰かに記憶を消された?…まさかな…



 気付かれ無い様にこっそりと瑞希の家へ向かった。














 二人は葵邸に戻っていた。葵は銀牙の顔をまじまじと見つめる。


「なっ…、何だよ…」


「もしかしたら…生まれて来た子供の事も、記憶から抜け落ちているのかも知れませんわね」


「そうかな。親にとって子供って、とても大切なものだろ?忘れる何て事あんのかな?」



 それを聞いて、葵は考え込む。


「銀牙さんの父親は、ミラルドさんだとおっしゃった方がいらっしゃいましたわね。もっと詳しくお聞きしたいので、どの方か教えて頂けますか?」


「あぁ、俺と同じ庭係だから」



 二人は庭に出る。暫く歩くと、一人の女性が目に留まった。



「あの女だよ」


 銀牙が示した女性の方へ、葵は歩みよる。


「あの早苗さん、少しお話しが有るのですが。今お時間宜しいでしょうか?」


「はい。大丈夫です」


 女性は微笑み、小さく頷いた。


「では、私の部屋へ参りましょう」


 三人は無言のまま葵の部屋へ向かった。




 二人に座る様に促す。紅茶を手に葵が戻って来た。


「お嬢様にその様な事をさせてしまって、申し訳有りません」


 早苗は恐縮して居る。


「構いませんわ。今 貴方方は私のお客様なのですから、お茶をお出しするのは当然の事です」


 と、二人の前にカップを差し出す。


「単刀直入に申し上げます。早苗さんは、ウルフ族の本家の方で良いのでしょうか?」



 早苗は驚き、どう答えて良いのかと狼狽える。



「大丈夫だ。葵は俺の適合者で、もうマーキングも済んでいるんだ」


「えっ…、では葵様もウルフ族…」


「えぇ、そうです」


 と微笑んで


「早苗さんは、ミラルドさんの事ご存知ですわよね」


「勿論です。今の御当主ですから。それに五百年前はミラルド様の護衛隊の一員でした」


「護衛隊ですか…。あの、銀牙さんがミラルドさんの子供だと言うのは本当の事ですか?」


「はい、多分…。あの銀牙様、お子様に変化して頂ければ…」


 葵は銀牙に向き直る。


「銀牙さん。変化してみて下さい」


 と、命令口調で言う。


「えっ…、ガキに成るのかよ」


 と口を尖らす。



「しょっ中変化しているでしょう?」


「………解ったよ」


 渋々、意識を集中する。



「耳とシッポも、忘れ無いで下さい」


 と、慌てて付け足す。




 見る見る内に銀牙の身体が縮んで行き、可愛らしい耳とシッポが生えてくる。


 五歳ぐらいの子供に化けた。


 葵の顔が輝いて行く。


「わあ~~~。やっぱり可愛らしいですわ」


 と、子供を抱き上げ頬擦りをする。


「うわぁ…止めろ~。止めろってば~」


 短い手足をバタつかせる。



「あの…お嬢様。お話しを進めても宜しいですか?」


 早苗は、申し訳なさそうに口を挟む。


 葵は、ハッとして


「あっ…済みません…どうぞ」


 と頬を染めたまま、子供を離した。



「ここを見て下さい」


 と、耳とシッポを指差す。茶色い毛に銀のまだら。



「これが証拠です」


 と早苗はキッパリと言い切るが、二人は訳が解らずキョトンとしている。



「ウルフ族と言うのは、子供の頃母親の毛色を受け継いだ場合、大人に成るに連れ父親の毛色に成るのです。逆に、子供の頃父親の毛色を受け継いだ場合、大人に成るに連れ母親の毛色に成るのです」


 首を傾げている二人に説明する。


「ミラルド様は銀色、美鈴様は茶色でした。お二人のお子様は産まれた時に既に犬歯が生えて、毛色はなぜか、茶色に銀のまだらでした」


 銀牙は鏡の中を覗き込み、う~ん…確かに…と唸っている。


「おっしゃる事は解りました。でも決定的な証拠には成りませんわね。…あくまでも可能性でしか無い…」


 葵は、鋭く切り込む。


「でも…名前も、そう呼ばれていましたから…」



「…そうですか…。でもそれが本当ならミラルドさんは銀牙さんを見て、なぜ何の反応も示さないのでしょうか。…やっぱり記憶が無いと言う事でしょうか?」


 早苗は、その言葉を聞いてハッとする。


「あのっ!! ミラルド様をご存知なのですか?」


「はい」


「是非、会わせて下さい!」


 早苗は、切羽詰まった声でそう言った。







 数日後、二人は早苗と息子の恭弥を連れてミラルドの元を訪れた。


「ミラルド様!!」


 二人が同時に声を発する。



「二人共…無事だったか…良かった。…あの後の始末を任せてしまって‥済まなかった…」


 ミラルドは二人に謝罪する。流輝も隣りに立ち一緒に頭を下げる。


「顔を上げて下さい。ミラルド様も流輝様もご無事で何よりでした。私達は今葵様の元で働かせて頂いております」


「そうか…世話に成るな。葵ちゃん有り難う」


「いいえ、宜しいのですよ。お二方共に良く働いて下さいますし、早苗さんは皆さんの良き相談役で、慕われております。恭弥さんは少しやんちゃですけど…」


 葵にそう言われ、恭弥はそっぽを向く。そこへ美咲が入って来た。



「ミラルド様。お話しが有るのですが…」


 と言いかけ


「お客様でしたか。申し訳有りません。又のちほど…」


 と、出て行こうとした美咲を呼び止める。


「構いませんよ、美咲さん。涼に何かあったのですか?」


「いいえ、大丈夫です。別のお話しなのですが…」


 と言う美咲の顔を見て、早苗は顔色を変える。


「ミラルド様、お気をつけ下さい。その者は美鈴様のお命を付け狙っていたお雪です。我らの裏切り者です!」


 と、声を荒げた。


 恭弥は、母親の様子に驚いたが攻撃体制を取る母に習って同じ動作をする。



 美咲はハッとし、申し訳なさそうに身を縮める。ミラルドは美咲の前に立ち二人を止めた。


「なぜ庇うのですか?憎くは無いのですか!」


 その言葉は美咲の胸に深く突き刺さった。


 ミラルドは静かに微笑む。


「憎んでなどいないよ。美咲さんはもう十分に苦しんだ。罰も受けた。もうこれ以上苦しまなくて良いんだ。二人共美咲さんを許してやってくれ、頼む」


 深々と頭を下げる。



「おっ、お止め下さいミラルド様。…解りましたから…。ミラルド様がそうおっしゃるのでしたら、私達は…ねぇ、恭弥」


「あぁ」


 そう言って、身構えた鋭く延びた爪を引っ込めた。



「処で美咲さん、話しと言うのは?」


「あっ、はい。実は十月の中頃に樹海で凶族の者に襲われました」


「凶族に?」


「はい。凶族の者は愛情からでは無く憎しみや怒りから妖力を手に入れられると言っていました。それと、人間やウルフ族を食べて力を手に入れていると」


「なっ、何だって?人間やウルフ族を…食べてって…。何て事だ…」


 ミラルドは首をふる。他の者達も一様に驚きの顔を隠せない。


「私は昔、少年から透視の力を授けられたのです。その凶族の者を映し出してみましょうか?」


 と鏡を取り出す。


「そんな力が有るのですか? 是非お願いします」


 と言って、皆で鏡の中を覗き込んだ。



 樹海を通り掛かった車の前に立ちはだかった男が映し出される。



「コイツは…凶族の頭の邪気じゃないか! …生きていたのか…」



 車の中から人間を引きずり出し、襲い掛かろうとしている。


「流輝!」


 その声にすぐ様反応し現地に飛んだ。



「止めろ!」


 その声に振り向き邪気がニヤリと笑う。


「久しぶりだなぁ、ミラルド。五百年振りか?お前が逃げ回っている間に俺は力を蓄えた。紋章と命を貰う」


 ミラルドはグッと歯噛みする。


 今はこの人達の治療が先だ。


「流輝」


「はい」


 その場を去ろうとするミラルドに向かって



「又逃げるのか」


 と、馬鹿にした様に邪気が鼻で笑う。


「もう逃げない。俺はウルフ族当主だ、お前の好きにはさせない。首を洗って待ってろ。必ず決着を着ける」


 そう言い残し二人は消えた。


「小癪な小僧め…。俺にもあの力があれば…っ、あの力が欲しい。黒樹も、あの力を授けてはくれなかった…」


 ミラルド達は、気を失っている人達を病院に送ってから診療所へと戻った。







 その一部始終を盗み見ていた銀牙は、一人で邪気に会いに行った。


 今はもう騙されていたと解っている。でも…心のどこかで、まだ信じたいと訴える声がする。優しかったお頭。戦い方も、生き方も教えてくれた。なぜ生きているのか聞きたい。


 思い詰めて走るその後を葵がつけている事も知らず、ひたすら樹海を目指した。



 居た。


「俺は、あんたを親父だと思ってた」


 邪気がおもむろに振り向く。


「何だ…お前か…、裏切り者の銀牙か…。何しに戻って来た。又、仲間に成りたいのか…ワハハハ」


 高笑いが響く。



 俺を騙していた相手だ。俺を利用していた奴だ。…でも…でも…


「…くっ…」


 歯を食い縛る。


「昔、死んだ筈だろう?…なぜ生きている…」


「死んだと思わせて、お前にミラルドを殺させる為だ。お前みたいなガキ、誰が好き好んで育てるものか。まぁ、今は俺の敵だがな」



 突然妖力を叩き付けられ、それをかろうじてバリアで防ぐ。


 幼い頃からずっと信じてきた男だ、本気で殺せる訳が無い。


 銀牙も妖力を叩き付けるが迷いが有る。


 二人のやり取りを木陰で見ていた葵は


「危ない!」


 と叫びながら銀牙の元に駆けて行く。


 悲痛な叫びにとっさに飛び退くが一歩遅く、腹部をえぐられ血しぶきが飛んだ。


「…くっ…はっ…」


 膝を付く。



 邪気は、期を逃さぬ様に続け様に襲い掛かってくる。



 目の前に葵が立ちはだかる。


「あおい…なぜ…ここに…。早く…早く逃げろっ…」


 しかし葵は微動だにせず。ひたと邪気を見据えている。



「ワハハハ。女に庇われるなど、腰抜けがぁ」


と言いながら、葵に狙いを定めた。


 突進して来た邪気の延ばされた手を、葵は何の躊躇いもなく取り得意の合気道で投げ飛ばした。


 邪気は唖然とする。


 …えっと、お二人共妖力をぶつけて相手をけんせいしていましたわね。…どうやっているのでしょう…小首を傾げる。


 冷静だ。



 気合いを入れる様な感じですかしら…


 まだ悩んでいる。



「小癪な女め…」


 物思いにふける葵に、立ち上がった邪気が迫る。



「あおい!!」


 切羽詰まった銀牙の声に我にかえった葵は、自分の持てる力を爆発させた。


 不意に攻撃されて、邪気は木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされて行く。


 その隙に銀牙に肩をかし、葵はその場を立ち去った。



 その様子を美咲の鏡で見ていた流輝は、銀牙と葵を連れて消えた。



 邪気は一人残された。










「大丈夫か銀牙!しっかりしろ」


 ミラルドは治癒を始める。



「どうして邪気の元へ行った!」


 苛立った声でミラルドは問い詰める。


「…うっ…くっ…」


 銀牙の口からは苦痛の声がもれている。



「俺は…俺は…ただ…」


 それきり銀牙は気を失ってしまった。












 銀牙が大怪我をしたと聞き、瑞希と冴子が駆けつけた。


「葵ちゃん、銀牙君は?」


「今、ミラルドさんが治療して下さっています」


「そう…」


「葵ちゃん、気をしっかり持ってね。きっと大丈夫よ」


「はい、有り難うございます。冴子さん」


 葵は心配を掛けないように、柔らかく微笑んで見せた。



「あの…リビングでお茶でもどうですか?」


 待合室に居る三人に早苗が声を掛けたが、ここに居ますからと断った。


 一時間が過ぎ、更に三十分が過ぎた頃、中から流輝が出て来た。



「もう大丈夫ですよ。葵様中へどうぞ」


 と、葵だけ呼ばれて慌てて入って行く。



「流輝さん、本当に大丈夫なんですか?」


「はい。まだお目覚めには成りませんが、怪我の治療は完璧に」


「あ~良かった~」


 瑞希は、その場にへたり込んだ。



「あの…流輝さん、聞きたい事が有るんだけど」


「はい。何でございますか?冴子様」


「瑞希がミラルド君の亡くなった奥さんに似ているって本当? だいたい奥さんが居た事自体、初耳なんだけど…。瑞希は身代わりって事なのかしら?」


 冷静に話してはいるが、声に怒りの色が混じっている。



「…誰が…その様な事を‥」


「隼人って言う人よ!」


 流輝は愕然とする。


 なぜ瑞希様にその様な事を言ってしまったのだ…。流輝は頭を抱える。



「なっ、何か誤解をされたかも知れませんが、その様な事は断じて有りません。身代わりなど、とんでもない。ミラルド様は純粋に瑞希様を愛しておいでです。信じて下さい」


「…本当に?」


 恐る恐る瑞希が口を挟む。


「勿論です」


 キッパリと流輝は言った。


「でも…隼人って人が、私と美鈴さんを間違えたんです。それくらい似ているって事ですよね」


「それは…」


 流輝は俯く。


「ミラルド様も私も昔の事は、…美鈴様の事は、余り記憶に無いのです。不思議に思われるかも知れませんが事実なのです。…信じて下さい…」


 瑞希は真っ直ぐに流輝を見ている。流輝も瑞希を見つめる。暫くそうして


「解りました」


 と瑞希は言った。



「あの…瑞希様も冴子様も、この事はミラルド様には秘密にして頂けないでしょうか。瑞希様と美鈴様が似ていると言う事は、…ご存知で無いので。…これ以上あの方を苦しめたく無いのです…」


 お願いしますと頭を下げる流輝に、冴子は


「ちょっと、瑞希がどれ程苦しんだと思ってるのよ! 納得出来無いわ。だいたい、十八歳で結婚したとしても十年前よねぇ、顔を忘れるなんて有り得ないわ!」


 その言葉を聞いて、流輝も瑞希も微妙な顔をする。


 ん?何かしら、二人の表情は…


「これ以上苦しめたく無いって、もっと辛い過去を持っているって事なのかしら?」


「そっ、…それは…っ、はい」


 又、二人共何とも言えない顔をした。


 瑞希は何か知っているのかしら…。まぁいいわ。


「解ったわ。ミラルド君には話さないでおくわ」


 二人は安堵の表情を浮かべた。



「あっ」


 突然、冴子が大声を上げた。


 二人は、びくっとする。


「どうかなさいましたか?冴子様…」


 おずおずと流輝が声を掛ける。



「忘れてた! 急なんだけと、又、海外支店へ行かなくてはいけないの!全く、クリスマスだって言うのに…。心配だから、瑞希は診療所に泊めて貰いなさいね」


「うん」


「流輝さん、瑞希の事宜しくお願いします」


 冴子は流輝に深々と頭を下げた。


「お任せ下さい」


 流輝は、表情を緩め優しく微笑んだ。



「お母さん。見送りに行けないけど、気を付けてね」


「ええ、有り難う。直ぐに準備しなきゃ!」


「いつ立つの?」


「夕方の便よ。じゃあ行って来るわね」


 あっと言う間に冴子は出て行った。



 流輝は冴子が出て行って少しほっとしている様だ。



「危なかったですね…。母さん鋭いから…、何か有ると思ったかも…」


「えっ…、そうですか…。お戻りに成ってから、質問攻めとか…」


「…有るかもね…」



 ゾッとする二人だった。












いつも読んでいただき有り難うございます。


ジャンル別では恋愛で載せてますが、“ウルフ族の紋章”は、恋愛かファンタジーかいつも迷っていました。


三章に入ると同時に、ジャンルをファンタジーに変えたいと思います。


ファンタジーに移っても“ウルフ族の紋章”を宜しくお願いします(^^)。










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