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学校放浪記  作者: アカマツ クヌギ
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第2話 しの匂い

第1章 生の重さと死の軽さ

 第1節 かよわい命の使い道

  第2話 しの匂い


現在時刻9:00 緊急学校集会後 体育館


 10分という短い時間だったが、男の演説は確実に私たちに恐怖を植えつけた


泣き叫ぶ人、頭を抱えたまま動かない人、失神している人・・・

まさに地獄絵図と言うにふさわしい状況が目の前に広がっていた

「あれ?おい!先生は⁈」

誰かが声を上げた


いない


教師席に座っていたはずの教師が一人もいない

体育館に残っているのは全校生徒と腹部からどす黒い血を流している、教頭だけであった


「おいおい、勘弁してくれよ」

緊張からか、激しい頭痛と眩暈(めまい)を伴いながら杉原はつぶやいた


「どうするよ」

大分が隣にでそう言った

「お前、なんでそんな平気なんだよ、すごいな」

(こっちは気を抜いたら、泣き出しちまいそうなのに)

「状況を動かすのは行動だよ」

どこから引っ張ってきたのか、全く似合わない言葉を発した

「お前・・・」

「ん?」 

(数秒だが大分の手が震えた・・ような気がした)

「いやなんでもない、とりあえず・・・」


「アアぁぁぁぁぁぁ!」

突然耳の奥を、断末魔とも言える声が貫いた

「こんどはなんだよ!」

 全校の視線が一つに集まる


そこには明らかに人間ではない何かが、女子生徒の腹部を鷲掴みにしていた

『それ』は、漆黒の体に四つの青い目玉、直立二足に鞭のような長い腕を携えている


『それ』はすこし周りを伺い


「グシュ‼️」


今まで誰も聞いたことない異音を体育館中に響かせた


その音は、『逃げなければ殺される』という生存本能を全校生徒に植えつけた

一斉に入口に群がる、その後ろで起きている惨状を誰も見ようとはせずに




やっとの思いで体育館を抜けた杉原は吸い込まれるように生徒会室に駆け込んだ

その瞬間全身の力が吸い取られるかのようにその場に倒れ込んだ


「おい!杉原!起きろ!」

(大分・・・・か?)

「はっ!」

「起きろ!寝てる場合じゃねぇ!」

「今・・・何時・・・?」

「9時半くらい!いいから起きろ」


「おい・・・どう・・なってるんだ」

目の前の廊下から血生臭い匂いと共に、倒れ込んでいる肉の塊が飛び込んできた

「ゲェ・・・・」

杉原は今すぐにでも意識が飛びそうな頭を抱えて嗚咽した

「・・・やられた、あの怪物に・・・」

「他の・・・生徒会員・・・は・・・?」

「お前本当に生徒会好きだよな・・・」

杉原自身も咄嗟に出たその言葉に驚いた

「わからない・・・けど 京子と西華はさっき廊下で見かけた」

「クソ・・・・」

体の中の内容物が漏れないよう口を押さえながらゆっくりとその場に立ち上がった
















私生活がひと段落ついたので、また少しずつ書こうかなと思います!


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