設定資料─異能型録書─
□異能とは
異能は特異能力の略称である。悪魔や天使の超霊能力に起源を持ち、その血を引く超人種や長命種いわゆる霊超類の末裔として、現生人類にも特異能力は備わっている。だが、現代ではほぼ休眠状態にある。一部の悪魔や天使と魂を担保に契約を交わした魂約者や誓約者いわゆる結能者を除いて。
人の能力は産まれながらのものとする生得説に基づき、休眠状態の能力を先天的に発現させた異能児は、天からの授かり物として能力を結能品や神通力、魂動力と呼んだ。対して、能力は人間的・社会的環境などが原因とする経験説に基づき、獲得能力として後天的に能力を発現させた拡超能力者やpsi(ψ)borg(Psychic organism の短縮形)及び人造超人は、拡超能力やエクステと呼ぶ。
□異能系統
異能は、感覚、運動、認知など人体の機能を拡張することで、存在から空間果ては世界そのものを拡張する超能力である。通常の機能を超え、新たに獲得した獲得能力は、異能二因子説により、遺伝的に備わっている生得的な基礎因子と基礎因子が、複合的な能力として、開花した固有の特異因子に分けられる。
以下の三つの基礎因子系統と特異因子系統である万能系を合わせ、四大系統に体系づけられる。
基礎因子系統
1:氣功系
生体維持拡超能力系。生命エネルギーである霊氣や氣などを免疫系、自律神経系、内分泌系に帰還し、恒常性の維持機能を拡張する。三大基礎因子系統でも根幹となり、内氣功型(身体強化型)と外氣功型(物体付加型)に大別される。
霊的エネルギー保存則(霊魂不滅原理)に基づき、物界相の肉体は、物質の三態で言えば、液体に当たる幽界相へ相転移しながら、霊念波即ち霊気の影響する霊場と念気の影響する念場が、相互に空間を伝播する現象として、氣光エネルギーを放射している。
肉体を覆い、無意識に放射される氣光を吸収し、氣光起霊力効果で、霊氣に変換する。これを氣吸法と呼ぶ。これにより、通常はエネルギーの最も低い状態から高い状態に移行(励起)しながら、氣功系能力者は、
①起功(励起)
②帯功(帯氣)
③変功(変精)
④発功(発現)
という四段階を行う。氣光吸収で生じた励起状態は安定的ではなく、何れ基底状態に戻る。その為霊氣を帯び維持した(帯氣)状態で、栄養物質<精>に霊圧かけることで、物質化還元反応を起こし、幽機化合物として、霊氣分解合成物質<霊氣粘性流体>を練る(変精)。よく練った氣(霊氣粘性流体)や霊氣で能力を発現させる。
2:念動系
運動拡超能力系。人体の運動機能の拡張し、念動として、遠隔で物体操作や自然現象操作を行う。
電磁気のように、生命エネルギーである霊氣と思念エネルギーである念氣は、相関関係にある。物体は、大なり小なり念氣や霊氣を帯びていて、物体が近づくと、力が働く。念力の作用する空間いわゆる生体思念の力場は微弱で、物を動かす程の力はない。そこで念動系能力者は、
①念起(励起)
②念着(帯氣)
③放念
④凝念
という四段階を行う。帯氣状態で蓄積した霊気エネルギーを瞬間的に放出(放念)し、流れた大霊流は、新たに発生した霊流との反発力で、人体が持つ微弱な生体念場の念束(念の強さ)を高速収縮する。この念束濃縮(凝念)により、超強力な念場を発生させ、物体や自然現象の操作が可能となる。
3:霊能系
物質の三態で言えば、気体に相当する星氣相や電離気体に相当する霊離氣体(霊子を失う或いは得るかして霊氣解離した星氣体)を扱う。霊離系とも言う。感覚拡超能力系で、人体の感覚機能を拡張し、知覚するいわゆる超感覚的知覚(ESP)が属する。身体で受信する受動型(精神感応型)と身体から発信する能動型(精神操作型)に大別される。
無意識に構築されたブレインネットワークいわゆる霊脳空間は、物質相、幽液相、星氣相、そして霊離氣体の存在形態いわゆる霊魂が相転移を繰り返し(霊魂不滅原理)、幾つかの界層を構成する。霊能系能力者は、
①受識(励起)
②変識(帯氣)
③供識
④移識
星氣体の念場の振動を肉体に受身(受識)する念氣共鳴により、交流霊流の霊圧変化いわゆる変性意識状態(変識)に移行する。流れた高霊圧の霊氣の霊氣抵抗で、上昇した魔力を変換し、周波数の高い星氣光を放射する。肉体と星氣体と同調(供識)後、霊離氣体念射により、霊氣解離した自己組成念射操像体いわゆる魂動人形に意識を移し(移識)、遠隔操作する、という四段階を行う。
特異因子系統
4:万能系
霊脳皮質拡超能力系。基礎因子系統以外の特異能力が属する。霊脳空間の霊脳皮質により、重なり合った状態の幽子ビット情報を並列演算することで、演算能力は勿論、深層学習能力、記憶能力、制御能力など脳の高次機能を拡張する。
基礎因子系統の連合・統合など万能系は複雑な処理が必要とされるため、基礎因子系統修得後、複合能力として発現することが多い。特異能力型、空間操作型、物体顕現型の三類型に大別される。何でもありの強力な能力であると同時に、色を混ぜれば黒に近づくように、複合を繰り返す度に、無能力系能力喪失型いわゆる非能力者に陥る危険を常に孕んでいる。
また四大系統は、五つの能力因子で成立する。これを五大能力因子と呼ぶ。五大能力因子に記憶拡超能力を加える場合もある。
□:生体維持拡超能力
ESPカードの□を象徴とし、生体の内部環境を維持し、恒常性を保つ恒常性維持機能を拡張する能力因子。病気や怪我など生体自己制御や物理攻撃に対する耐性に大きく影響する。
〻:感覚拡超能力
ESPカードの〻を象徴とし、感覚機能を拡張する能力因子。霊能系に属し、五感を拡張することで、霊脳空間の物体の位置などを認識する霊脳空間認識力いわゆる第六感として知覚する。
○:運動拡超能力
ESPカードの○を象徴とし、運動機能を拡張する能力因子。念動系に属し、出力した運動信号を中枢神経系から念動として遠隔・拡張する。
☆:演算拡超能力
ESPカードの☆を象徴とし、霊脳皮質の並列処理により、演算機能を拡張する能力因子。異能発動などの処理に不可欠で、難度の高い異能ほど複雑な処理が必要になる。重なり合った状態の幽子ビット情報を並列演算処理することで、実行処理速度を超高速化する。
+:制御拡超能力
ESPカードの+を象徴とし、霊脳皮質の制御機能を拡張する能力因子。万能系に属し、他の能力因子を連合・統合することで、異能を制御・調整する。低いと制御不能になり暴走、高いと安定する。無意識即ち自動的に異能を最適化することで、処理性能や容量が向上する。
□異能十二類型録
万物は情報である。魂源情報いわゆる霊魂は、あらゆる存在の情報源にして異能の力の源である。魂源の色相や四大系統、五大能力因子を元に、カツノリ・ココノエ博士は、多重異能理論を提唱した。通称九重理論は、基礎因子系統を六類型、特異因子系統として、万能系を三類型の九つの類型に分けた。更に無能力系統の三類型を加えた分類方法を異能十二類型録と呼ぶ。
基礎因子系統六類型(六能力系)
霊魂は、霊離氣体で構成され、様々な波長の霊念波により、発光している。この霊念波(氣光)の各波長ごとに、強度の分布を調べ、強度の一番高い魂源色相を有彩色の六色(赤、橙、黄、緑、青、紫)と正六角形で類型化したいわゆる有才色能力者の類型。一つの類型を極めた者は極才色能力者と呼ばれる。
類型1:念動系物体操作型
能力者名:物操能力者
魂源色相:黄
知能適性:論理・数学的知能
複合適性:
→◎念動系自然操作型(右翼型)
○氣功系物体付加型(左翼型)
△氣功系身体強化型
△霊能系精神操作型
X霊能系精神感応型(補合型)
○万能系物体顕現型(昇格型)
△万能系空間操作型
X万能系特異能力型
主要能力:
→○念動操作能力
○念力投射
○霊念加速能力
○念動補助能力
○感念転写能力
○微細念動操作能力
○反念能力
○念氣浮上能力
能力概要:
→念動操作能力で、物体をイメージ通り念力で動かす物体操作能力を持つ型。遠隔物体攻撃だけでなく、肉体の念動補助による近接攻撃、空中機動や物体加速などの機動力、反念による物理防御など走攻守のバランスが良い。
類型2:念動系自然操作型
能力者名:然動能力者
魂源色相:緑
知能適性:博物的知能
複合適性:
→◎念動系物体操作型(右翼型)
○霊能系精神操作型(左翼型)
△霊能系精神感応型
△氣功系物体付加型
X氣功系身体強化型(補合型)
○万能系空間操作型(昇格型)
△万能系物体顕現型
X万能系特異能力型
主要能力:
→○炎隔操作能力
○重力操作能力
○光子操作能力
○氷隔操作能力
○水動操作能力
○地隔操作能力
○電子操作能力
○風隔操作能力
○操植能力
能力概要:
→物操能力者の微細念動操作能力から派生し、量子レベルやナノレベルの精密な微細念動操作を広範囲に行うことで、自然現象に干渉する自然念動操作能力型。また操植能力など植物の操作は、霊能系精神操作型と被る要素があり、相性は良い。精密な操作を必要とする微細念動操作能力の集中力とそれを広範囲に行う念力の強さが要求され、総じて遠隔範囲攻撃に優れる。
類型3:霊能系精神操作型
能力者名:心操能力者
魂源色相:青
知能適性:言語・語学知能
複合適性:
→◎霊能系精神感応型(左翼型)
○念動系自然操作型(右翼型)
△氣功系身体強化型
△念動系物体操作型
X氣功系物体付加型(補合型)
○万能系空間操作型(昇格型)
△万能系物体顕現型
X万能系特異能力型
主要能力:
→〻霊離層結界能力
〻立体虚像念射能力
〻霊離氣体念射能力
〻精神憑移能力(幽撃型操像能力)
〻精神心禁拘束能力
〻思考操作能力
〻記憶操作能力
〻認識操作能力
〻感覚共有(共感)操作能力
〻感覚共有操獣能力
能力概要:
→霊離氣体念射により、自己組成念射操像体いわゆる魂動人形に意識を移し、魂動制御で、遠隔操作する能動型。没入した霊脳空間を通じて、他者の脳に侵入し、身体感覚や記憶、更には思考の共有により、精神操作を行う。
類型4:霊能系精神感応型
能力者名:感応能力者
魂源色相:紫
知能適性:霊性・実在知能
複合適性:
→◎霊能系精神操作型(右翼型)
○氣功系身体強化型(左翼型)
△氣功系物体付加型
△念動系自然操作型
X念動系物体操作型(補合型)
○万能系特異能力型(昇格型)
△万能系空間操作型
X万能系物体顕現型
主要能力:
→〻除霊能力
〻感識走査能力
〻遠隔観測能力
〻透視能力
〻未来予知能力
〻霊念波通信能力
〻霊念波傍受能力
〻身体憑変能力(憑変型操像能力)
〻身体憑移能力(憑添型操像能力)
〻感覚共有(共感)能力
能力概要:
→自らの星氣体との感覚共有により、霊脳空間の霊脳皮質から超感覚的知覚(ESP)情報を受信する。
類型5:氣功系身体強化型
能力者名:強身能力者
魂源色相:赤
知能適性:身体・運動知能
複合適性:
→◎氣功系物体付加型(右翼型)
○霊能系精神感応型(左翼型)
△霊能系精神操作型
△念動系物体操作型
X念動系自然操作型(補合型)
○万能系特異能力型(昇格型)
△万能系空間操作型
X万能系物体顕現型
主要能力:
→□氣康能力(自律神経系拡張能力)
□氣抗能力(免疫系拡張能力)
□氣昂能力(内分泌系拡張能力)
□氣恒能力(自然治癒拡張能力)
□氣硬能力(硬化攻防能力)
□氣厚能力(筋力補助能力)
能力概要:
→霊氣粘性流体、霊氣、氣により、生体維持機能を拡張し、身体能力や健康状態を高める内氣功型。六つの氣功能力<六功>化に特化している。霊力供給の源である霊源を歯車のように、回転数を段階的に上げる過程で、霊能系精神感応能力が開発される。その為、霊能系精神感応型とも相性はいい。
類型6:氣功系物体付加型
能力者名:付加能力者
魂源色相:橙
知能適性:対人的知能
複合適性:
→◎氣功系身体強化型(右翼型)
○念動系物体操作型(左翼型)
△念動系自然操作型
△霊能系精神感応型
X霊能系精神操作型(補色型)
○万能系物体顕現型(昇格型)
△万能系空間操作型
X万能系特異能力型
主要能力:
→□氣康能力(自律神経系拡張能力)
□氣抗能力(免疫系拡張能力)
□氣昂能力(内分泌系拡張能力)
□氣恒能力(自然治癒拡張能力)
□氣硬能力(硬化攻防能力)
□氣厚能力(筋力補助能力)
□氣高能力(高霊圧能力)
□氣晃能力(発光能力)
□氣膏能力(癒着促進能力)
□氣膠能力(接着能力)
□氣広能力(感知能力)
□氣工能力(加工能力)
□氣向能力(帯氣推進能力)
□氣交能力(輸氣交換能力)
能力概要:
→霊氣粘性流体、霊氣、氣を付加し、他人の肉体を含め外部の物体に働きかける外氣功型。輸氣交換による霊氣治療がいい例である。
万能系(特異因子系統)三類型
魂源色相を三色の金属色(白銀、白金、黄金)で分類し、正三角形で表される。万能系物体顕現型は、万能系空間操作型の空間創造から派生したと言われる。逆に万能系物体顕現型から万能系空間操作型が派生したとも言われるように、三類型間の複合適性は高い。
類型7:万能系空間操作型
能力者名:空操能力者
魂源色相:白金
知能適性:視覚・空間的知能
複合適性:
→○念動系自然操作型(昇格型)
○霊能系精神操作型(昇格型)
△氣功系物体付加型
△念動系物体操作型
X氣功系身体強化型
X霊能系精神感応型
○万能系特異能力型
○万能系物体顕現型
主要能力:
→+空間返装能力
+空間転装能力
+空間置換能力
+空間跳躍能力
+空間結合能力
+空間創造能力
+時空操作能力(時間操作能力)
能力概要:
→いわゆる権能使い。現実空間を上書きする現実歪曲空間(reality distortion field)能力により、人・物を規制する規制の権能や物理法則などを自由に決定できる使用の権能を行使する。セカイ系とも。亜空間の空間創造をはじめ、空間跳躍、空間置換や空間接続などの空間操作全般をを扱う。因みにドミネーター同士の戦いは制空圏の争いとなる。制空圏の<神取り合戦>を制した者が勝者となる。
以下の四つの類型がある。
・対物型
人体の固有念場自己領域<念氣圏>を拡張し、念射した微細念動操作能力で主に物体を操作する型。いわゆる制空圏内の物体を個人の財産として、規制する型。制空圏の物に対してのみ、規制や使用の権能を行使できる。いわゆる万能系物体顕現型の念物型はここから派生したと言われる。
・対人型
霊脳空間の立体空間映像<虚像>を空間一帯に念射し、現実空間との相互作用を強化・複合することで、拡張された現実として、制空圏を形成する。主に人に対して、規制や使用の権能を行使できる。霊能系精神操作型が、昇格し、発現する。
・空間型
対人と対物を兼ね、全ての人・物・事実即ち空間そのものに対して操作を行い、空間そのものを支配する型。夢の中で「これは夢だ」と認識し、夢を自由自在にコントロールする明晰夢に似た感覚と言われる。
・接触型
接触型制空圏と呼ばれる物質界との門を開き、領主代理として、外来魔物或いは精霊などを召喚・使役する型。万能系物体顕現型の操像型はここから派生したと言われる。
類型8:万能系特異能力型
能力者名:特異能力者
魂源色相:白銀
知能適性:内省的知能
複合適性:
→○氣功系身体強化型(昇格型)
○霊能系精神感応型(昇格型)
△念動系自然操作型
△霊能系精神操作型
X氣功系物体付加型
X念動系物体操作型
○万能系空間操作型
○万能系物体顕現型
主要能力:
→☆概念操作能力
☆運命・確率操作能力
☆異能干渉能力
能力概要:
→万能系のその他の特異能力が属する型で、隣合う万能系空間操作型や万能系物体顕現型に特異な物理法則や特異な能力を与えることが多い。
類型9:万能系物体顕現型
能力者名:顕現能力者
魂源色相:黄金
知能適性:芸術的知能(音楽的知能)
複合適性:
→○氣功系物体付加型(昇格型)
○念動系物体操作型(昇格型)
△氣功系身体強化型
△霊能系精神感応型
X念動系自然操作型
X霊能系精神操作型
○万能系特異能力型
○万能系空間操作型
主要能力:
→☆次元立体物像化能力
能力概要:
→取り込み記憶保存した虚像を念射し、粉末状の霊氣粘性流体を粉末氣膏として層を積み重ね、物理的かつ立体的に次元立体物像化させる型。付加能力者の付加能力や物操能力者の物操能力が複合し、発現することが多い。顕現した物体に対し、付加や操作が可能。
万能系物体顕現型には主に二つの型がある。
・念物型
想像上の道具を肉体の拡張・補助器具として立体物像化させる型。顕現した物体<装心具>は願具や念物と呼ばれる。念物崇拝の獲得,接触,所有により、本人の倒錯的な欲望が異能として発現する。
この念物崇拝により、粉末状の霊氣粘性流体<粉末氣膏>が持つ立体物像化度いわゆる念度係数が非常に高く、物質的な影響を与える武器としての側面も強い。装心具は宝装心具型、武装心具型、衣装心具型、奇装心具型の四つの型がある。
・操像型
物ではなく、自己組成念射操像体いわゆる魂動人形を次元立体物像化することで操る。
霊能系精神感応型の憑変型、憑添型、霊能系精神操作型の幽撃型のように、操像能力は多岐の類型に渡る。特に万能系物体顕現型の操像体は、自律操像型として、本体から完全に切り離して行動し、距離は近距離から遠距離までこなす。単純な命令しかこなせない式神型操像体と本体の願望を暴走して叶えようとする複製型操像体の二つの型に分けられる。
無能力系三類型
有彩色系六色の魂源色相を持つ有才色能力者いわゆる六能力者や万能系三能力者などに対し、無彩色(白、灰、黒)系の魂源色相を持つ者は、無才色能力者と呼ばれ、以下の三類型がある。
異能類型:無能力系潜伏型
能力者名:未能力者
魂源色相:白
知能適性:知能全般
複合適性:なし
主要能力:なし
能力概要:制限行為能力者と呼ばれる。無彩色系の白の魂源色相を持つ型。五つの能力因子が潜伏状態にあり、何らかのきっかけで能力が発現するが、そのままで一生発現しない可能性もある。能力の発現には個人差があるため、単に人より遅れてるだけとも考えられる。
異能類型:無能力系障害型
能力者名:不能力者
魂源色相:灰色
知能適性:知能全般
複合適性:なし
主要能力:なし
能力概要:発現不能症とも呼ばれ、能力の維持などに欠かせない五大能力因子のいずれかが欠けてなど満足に能力が発現できない型。能力喪失の際、能力因子の一部が残った場合や、生得的に能力因子の一部が欠損するなど黒の非能力者と白の未能力者の中間に位置する。
異能類型:無能力系喪失型
能力者名:非能力者
魂源色相:黒
知能適性:知能全般
複合適性:なし
主要能力:なし
能力概要:無彩色系黒の魂源色相は、能力を含め能力因子も完全に喪失した型。複合適性が悪い類型を複合したり、魂源色相の複合を繰り返すことで、能力喪失を起こす危険性が高まると言われる。一度、能力因子を喪失すれば、元に戻らないため、非能力者は喪失能力者と呼ばれる。
□複合能力
通常、異能は一人につき一つの型が大原則である。これをメイン型と呼ぶ。メイン型の隣り合う二つの型は、メイン型と相性が良く、習得しやすい傾向にある。メインを補助するサブ型として機能することが多い。
サブ型の能力を開放し、メイン型に複合することを突然覚醒変異<覚変>と呼ぶ。複合した能力を複合能力と呼ぶ。複合能力は、魂源の色相環により相関関係があり、複合の相性がいい型と相性が悪い型がある。
・補合型
メイン型と反対の型と複合する型。補合型は、補色のように、戦闘で互いに補うには相性がいいが、複合能力として修得するには相性が悪い。強迫観念や悪夢など劣等感を抱き、能力の失調から最悪、喪失の危険を伴う。
・左翼型
メイン型と隣の類型が複合する二重型。特に左回りの隣の型の場合、左翼型や左旋型と呼ぶ。例えば、赤の強身能力者が、紫の感応能力と複合し、赤紫の複合能力を形成する場合、左翼型と呼ぶ。
・右翼型
二重の中でも、複合する型が右回りの隣の型の場合、右翼型や右回型と呼ぶ。同系統なので、◎即ち最も複合適性がある。例えば、氣功系で赤の強身能力者が、同じ氣功系の橙の付加能力と複合し、赤みがかかった橙の複合能力を形成する場合、こう呼ぶ。
・比翼型
三色旗のように、メイン型の左隣と右隣の型をバランス良く三重に複合した型。例えば、赤の強身能力者が橙の付加能力と紫の感応能力と複合した場合、こう呼ぶ。
・全能型
一つの異能が複数の型の異能を兼ねる型を全能型と呼ぶ。四重、五重、六重、七重、八重、そして九重の中でも、特に六重以上を指す。万能系空間操作型に多い。
・変移型
精神ショックなどの人生経験を通じて突然、最も離れた反対側いわゆる補合型とメイン型が完全に入れ代わる特殊な型。例えば赤の強身能力者が、補合型の緑の然動能力者になり、サブを赤の強身能力とする場合、こう呼ぶ。精神的に不安定になり、複合能力の暴走や能力喪失など悪影響を及ぼす。
・昇格型
基礎六能力修得後、同じ基礎系統ではなく、万能系として複合する型。基本的に万能系は基礎系統が複合により、昇格する形で第二の異能いわゆる拡超能力として発現する。
□異能の能力値
異能は五つの能力因子を元にした能力値でその能力を五段階評価する。以下の五つである。
○殺傷力
人を殺し傷つけることが可能な値。ESPカードの○を象徴とする運動拡超能力により、異能の出力が増加することで、攻撃速度や威力即ち殺傷力が高まる傾向にある。
〻射程
ESPカードの〻を象徴とする感覚拡超能力に関わり、異能が効果を発揮する有効範囲の値。拡張された感覚能力により、瞬時に間合い及び敵の位置情報を遠隔観測し、定位することで、異能攻撃の精度や命中率或いは回避率が高まる。また間合いを把握しても出力即ち運動能力の拡張がなければ、攻撃は届かないため、運動拡超能力と感覚拡超能力の二つがあって初めて射程は伸びる。
□持続力
ESPカードの□を象徴とする生体維持拡超能力に関わり、異能が効果を発揮する有効時間を指す値。高いと異能の持続力が高くなる傾向にある。
+反映度
ESPカードの+を象徴とする制御拡超能力に関わる。異能のイメージをどれだけ正確に現実に反映出来るかを示す値。拡張された制御能力は、自分の思い描くイメージ通り、正確に異能を現実に反映する。反映度が低いと自分のイメージと現実の間に乖離が起きるため、異能を使いこなしているとは言い難い。逆に反映度が大きいと、相手に異能が与える影響力や異能の効果が全体的に増す。
☆潜在度
異能の潜在的な可能性を表す値。ESPカードの☆を象徴とする演算拡超能力に関わる。拡張された演算能力は実行処理速度を速め、異能が出来る自由度の増加に伴い、異能の可能性が広がる。
□異能の等級
国が管理する特異能力検定いわゆる異能検定では、異能は五段階評価される。五つの能力値の合計により、五つの等級に分けられる。あくまでも戦闘を前提とした等級なので等級が低いから便利でないとは言い切れない。
等級として、超級、特級、上級、中級、下級の五つの区分がある。単一等級のみの戦闘職種及び支援職種もある。上級や単一異能等級の異能検定合格者は、戦闘職種や支援職種などの当該職種の戦闘訓練指導員免許の取得が可能である。
中級の異能検定合格者は、戦闘訓練指導員試験の実技試験が免除される。また異民受け入れ政策により、異民研修制度や異能実習制度が整備され、異能研修生や異能実習生に対し、基礎級として基礎上級、基礎中級、随時下級が与えられる。
等級に応じて合格証書の交付と異能士章が以下の等級ごとに与えられる。
超級:白金九星章に異の文字が金色。
特級:金色九星章に異の文字が白色。
上級:金色九星章。
中級:銀色九星章。
下級:銅色九星章。
1超級(S級)
エクシードクラス。能力値の合計点が、二十五から二十点の等級で、一部ではS級と称される。人の形をした災害として通称、災能と呼ばれた。大地震や大型台風などの大災害と同一視され、災能警戒レベル五に相当する。
2特級(A級)
スペシャルクラス。能力値の合計点が、十九点から十五点の等級。一部ではA級と呼称される。自主的な避難開始要請を出す災能警戒レベル四に相当する。
3上級(B級)
ハイクラス。能力値の合計点が、十四点から十点の異能は、この等級に位置する。一部ではB級と呼称される。災能警戒レベル三に相当する。
4中級(C級)
ミドルクラス。能力値の合計点が、九点から五点の異能。一部ではC級と呼称される。災能警戒レベル二に相当する。
5下級(D級)
ロークラス。能力値の合計点が、四点から零点の異能。最下位の等級。災能警戒レベル一に相当する