そちらの世界に行く条件は…
「条件はいくつかあります。まずは、私が残していってしまった家族が幸せになるようにしてほしいです。私が死んだことをいつまでも悲しむのではなく、前向きに生きてほしいです。次に、これから行く世界のことを教えてください。何も知らないで行くのは困るので。最後に、生活に困らない程度の能力が欲しいです。最低限でもいいので。」
「わかった。条件を叶える。だから、来てもらってもいいか?」
「条件を叶えてもらえるのなら行きますよ。それが約束ですしね」
叶えてもらえそうでほっとしました…。お願いして正解でしたね。この後どこに行くのかもわからない状態で、この人の世界に行くのは困りますし。まあ、この神様なら悪いことは言わないでしょうし。
「俺たちの世界について教えてほしいってことだったよな。俺たちの世界は1番世界という。お前さんがいたところは7番世界だ。俺たちの世界は、剣と魔法の世界。7番世界の小説によく出てくるような異世界だ。だから魔物も出るし、命の重さも軽い。盗賊も出る。王政だから貴族とかもいる。人間以外にも、獣人やエルフ、ドワーフとかもいる。まあこの辺は転移するときに知識を植えておこう。」
「ありがとうございます。…私は人間として転移するということでいいですか?」
王道な異世界に行くんですね…。剣も魔法も気になるので、どちらも扱えるような種族がいいんですけど、そうなると人間しかないような気がするので人間がいいんですよね。…違う種族にされても別にいいですけど。
「いや、お前さんがすごくいいやつなのが分かったからな、神になってもらうぜ。俺たちの上司にな。とはいえ、世界に降り立ってもらわないといけないから、唯一神にして現神人となるけどな。」
「神!?…私がですか?無理ですよ。私、一般人だったんですよ?そんなことができるような能力とかありませんし、何より責任ある立場になりたくありません!」
何がどうしてそうなったんですか!ただの一般人に神になれだなんて重荷すぎます。私が神として生活できると思ったら間違いだと思うんですけど。…何かメリットあるんですかね?
「責任は持たなくていいぞ、俺たちの勝手で神になってもらうしな。よろしくなー!」
「ちょっと待ってください!もう少し説明を…!」
って、説明をまだしてほしいのに何でいなくなるんですか!それに、なんだか目の前が真っ暗になってきたんですけど…。絶対に、まだ説明をこの後にでもしてもらいますからね!