表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/19

7話.ああ、神様


私たちは休息を終えて、再び森の中を進んでいた。  

私はまた長時間の乗馬になるだろうことを考えて、少々・・・いや、かなりげんなりしていた。


「止まれ」


不意にアレックスがそう呟いた。

突然の静止の声に怪訝そうな顔をする私に、彼は近寄ってきながら「動くなよ」と声をかけてきた。


「隠れてないで、出て来いよ」



目の前の草むらに向かって彼は言う。

すると、わらわらと5・6人の盗賊の身なりをした者が一斉にそこら辺から出てきて、私たちを囲んできたのだ。



「おいおい、兄ちゃんよぉ。なかなか良い勘してんじゃねぇか。だけどな、運が悪かったぜ。なんたって俺たちの餌食にされちまうんだからな。」


げへへへ、と男たちは下品な笑い声をあげている。

続けてリーダー格の男が口を開く。


「兄ちゃんよ、金目の物を置いてとっとと失せな。今なら特別に逃がしてやるぜ。命が惜しいもんなぁ?俺って寛大だろう?おーっと、そこのお嬢ちゃんは置いてけよ。俺たちが可愛がってしっかり躾けた後にご主人様の元へ売ってやるからな。その頃にはきっと従順に腰を振って啼くイイ女になってるだろうよ。」


・・・中身もしっかり下品だった。


なによ、この人たち!

とっても嫌なかんじ!

だけどこっちは普通の青年とか弱い少女の二人に対して向こうは大勢、尚且(なおか)ついろいろと武器を持ってるし、場数もそれなりに踏んでいるみたい。

アレックスは武器を持っているようには見えないし、そもそももちろん私は戦力外なわけだから、アレックス一人でこの人数を相手をするなんて無理だわ。


どうしよう・・・。

このままだと本当に男たちの餌食になってしまうわ。


そう思うと背筋がぞっとしてガタガタと体の震えが止まらない。

怖い・・・

やめて・・・っ

結婚から逃げたのがいけなかったの?

ああ、神様。

わたしはただシンデレラのような甘い恋がしたかっただけなのよ・・・





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ