表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/19

4話.押して押して!

「なぁ、俺、そろそろここを出るつもりだけど、お前はどうするんだ?」


6日目の朝、アレックスはそう切り出した。


うーん・・・

どうするのかしら。


城にはもちろん帰れないし,かと言って行くあてもないのよね・・・


だって私、城からほとんど出たことがないのよ。

城にはなんでも揃っていたし、買い物だって私が行ったりするなんてことは有り得なかったもの。


はーぁ・・・

困ったなぁ・・・



黙ったままの私を見かねたのか、アレックスは「お前、家は?」と言ってきた。


家・・・ねぇ・・・。

これはまた適当に誤魔化すしかないわよね・・・。


「あの、ね、アレックス。私、盗賊に襲われたって言ったじゃない?それ、村ごと襲われたの。それで逃げたんだけど、何故か私だけ執拗に追われて・・・。どうやってか、村からずっと追いかけてくるの。それでついこの間もまた追いつかれて、命からがら逃げていた所でアレックスが助けてくれたみたいなの。でも、怖いの。家に帰ったらきっとまた捕まって売り飛ばされてしまうわ。帰りたくない・・・」


上目遣いでアレックスを見上げてみる。

最近一緒にいて、アレックスは結構押しに弱いことがわかった。

今だって「う゛っ」ってなってるもの。


あと一押しね・・・


「ねぇ、アレックス。一緒に連れて行ってくれないかしら。」


お願い、と懇願してみる。


私ってば女優になれちゃうかもしれないわ。

この作り話だって(あなが)ちウソじゃないし。

だって結局は知らない人の所に嫁に行くってことは売り飛ばされちゃうことと同じじゃない?

ちょっと規模が大きくなって国の話っていうだけの違いよ。


「アレックス・・・?」


返答を渋るアレックスを呼んで催促してみる。


「わぁーったよ。連れて行ってやるよ。」


渋々といった顔で了承の言葉を口にするアレックス。


「本当!?ありがとう!」


騙しちゃってごめんね。

いつか事が片付いたら、きちんと説明するから。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ