3話.そんなこんなで
そんなこんなで、私が拾われてから5日が経った。
私が拾われた日、アレックスは親切なことに
「俺もあと一週間くらいここに滞在すると思うから、粗方の怪我が治るまでこの部屋使っていいぞ。俺はソファーベットで寝ればいいし。」
なんてことを言ってくれた。
もちろん、私は断ったわ。
これからどうしよう、って考えていた矢先のこの言葉はまさに天から手を差し伸べられたように感じたわ。
だけど、アレックスをソファーで寝かせるわけにもいかないでしょう?
アレックスはアレックスで怪我をしているんだからちゃんと治せって言うし。
それで揉めていたら宿主さんが簡易ベットを用意しましょうかって申し出てくれたの。
それで一先ず解決。
私も宿にいさせてもらえることになったの。
5日が経ってもともとそんなに大きな怪我も無かったし、体中の傷も大分治ってきた。
はじめの3日は宿のお風呂に入るたび地獄だったけどね・・・
お湯が傷に当たるたびに染みるのが半端なく痛くて「ぐぁー」って叫んだら、叫び声を聞きいたアレックスが慌てて駆けつけて来ちゃったの。
だって痛かったんだもの。
ピリピリする、なんてものじゃないのよ!
全身が針で刺されているように痛いんだから!
でも、そんなアレックスも3日目には慣れたみたいで、見向きもしなくなっちゃったわ。
つーまーんーなーーい!
もしお風呂場の扉を開けたりなんかしたら、洗面器を思いっきり投げつけてあげようと構えてたのに。