13話.遠足前夜
更新が滞っておりまして、申し訳ありませんでした。
最近執筆不調が続いておりまして、読者の皆様にお見せできるような作品ができません。しかし、活動は続けておりますので、カメのようなのろのろペースの更新になると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします。
「水でしょ、食料でしょ、マントに寝袋に、それから・・・えっと・・・」
いちいち声に出して持ち物を確認する。
一時間前からはじめて、かれこれ三回目の確認だ。
「えっと、えっと・・・・・・、あとは何が必要なんだっけ?方位磁石?お菓子?あ、バナナが必須アイテムだって聞いたことがあるけれど、持っていくべきかしら。」
「・・・・・・何やってんだ。」
途中から眺めていたアレックスがついに口を挟んでくる。
「何?・・・何って。明日の準備よ。」
「荷物はさっき確認までして、まとめたじゃないか。なんでまた散らかしてるんだよ。」
「だって、入れ忘れているものがなかったか心配で眠れなかったんだもの。だから確認しなおしているの。」
これを聞いたアレックスは何かに気づいたようで、目を細め、そして呆れたようにため息をついた。
「もういいだろう?そんなに心配しなくたって足りないものは俺のを使えばいいし、どうにでもなる。」
むぅぅ~。
わかってるわよ!
そんなことくらい!
ただ、最後の確認をしていただけじゃない。
そんな風に呆れた声で小さい子に言い聞かせるみたいに言わなくてもいいでしょ!
こんな心の中の不満が顔に現れていたのか、アレックスはくすっと苦笑いすると、その手を頭の上にのせた。
「いい子だから。今夜は早く寝てくれ。明日は朝が早いんだぞ。俺はもう少ししてから眠るから。いいな?」
不意打ちの優しい声に思考がストップし、思わずこくり、とうなずいてしまう。
それを見たアレックスは満足そうに微笑むとくしゅくしゅとあたしの髪の毛をかきまわした。
「おやすみ。いい夢見ろよ。」
そして、魔法の呪文を置いて闇の中に消えていった。
おやすみ。
今日はきっと素敵な夢を見られるわ。