四種の装備
あけましておめでとうございます。
本日から連載再開します。
お正月もずっと仕事だったため書き溜めが無いので投稿ペースはあまり良くないかもしれませんが2日に一回を目指していきますのでよろしくお願いします。
-夏織視点-
「んっ・・・」
私はふと目が覚めた。
というか何故私は眠っていたのかしら?
ただ、気になるのは妙に気持ちがいいことで、まるで高級な枕を使って寝ているかのような心地よさを感じるわ。
あの真実の睡眠のあれね。
「・・・ぱいー、せーんぱーい!」
るかくんの声が聴こえる。
夢でもるかくんの事考えてるとか私も相当にアレかもしれないわね。
「んー?るかくんすきー」
夢だと思い込んでいる私はるかくんについ好きだなんて言ってしまった。
どうせ夢だろうし、ついでに抱きついちゃってもいいわよね?
夢でくらい、存分に愛でさせてもらうわ。
キス・・・とかしたらどんな反応するのかしら?
-流華視点-
「先輩ー?先輩ー?」
先輩が意識が戻ってきたようなので僕の膝の上で寝ている先輩に声をかけました。
「んー?るかくんすきー」
いきなりそう言いながら先輩は僕に抱きついて来ました。
ただ体格差のせいで僕が押し倒される形になっています。
「あぁーやっぱりるかくんはさいこぉよぉねぇ・・・」
先輩は口が回っていない状況で更に僕の事を褒めてきます。
状況がうまく掴めていません。
情報量が多すぎます。
「せんぱ、いぃ!?」
おもむろに先輩は僕にキスをしてこようとこちらへ顔を近付けてきます。
「うへへぇ・・・るかくんとちゅー・・・」
いつもの先輩と違います!
一体何が起きているんでしょうか!?
「先輩・・・」
僕は覚悟を決めて先輩に身を任せます。
「あ?」
先輩の目に光が戻ってきました。
それと同時に先輩の顔が真っ赤に染まりました。
「せ、先輩、やっと目が覚めたんですね?」
「うぁ・・・ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
先輩の顔真っ赤です、まるで林檎のように真っ赤です。
「大丈夫だった!?るかくん!?怪我してない!?あああああ私ったらなんて事を・・・!」
「ぼ、僕は大丈夫ですよ!」
ちょっと残念だったなぁ、なんて思ったりしましたが、不本意なキスは良くないですし、気不味くなるのも嫌なので結果よかったと思いましょう。
「そ、そう?ならよかったわ・・・」
「(寝ぼけたフリしてそのままキスしちゃったほうがよかったかしら・・・)」
「先輩?何か言いましたか?」
「き、気のせいよ?」
「ならいいんですけど・・・」
「そ、それで他の二人は起きてるのかしら?」
「「じー・・・」」
クレア先輩と絵美先輩がじーっと夏織先輩を見つめていました。
「ま、まさか?」
「「後でじっくりと?」」
「わ、分かってるわよ・・・」
一体何があるのでしょうか?
僕、気になります。
「そういえば、さっき兵士さんがそこに四つの装備を置いていったんです、それを持てば自分の力がどういうものなのか分かるはずだって言ってましたよ?」
僕はなんとも言えない空気を変えるために先輩達の意識を別の物に向ける事にしました。
「それがここに置いてあるやつって事?」
「そうですね、何でも先代の勇者も使っていたそうです、そんなに長い事使って壊れないって凄いですねぇ。」
絵美先輩が聞き返してきたので僕も聞いた部分を説明します。
「先代って事はそれも私たちみたいに地球から来たのかな?」
「あり得るわね、むしろそうなんじゃないかしら?」
「流石に先代がどういった人たちなのかまでは聞いていないですけど、とりあえず適当に持ってみますか?」
「そうね、るかくん持ってみたいものあるかしら?」
「やっぱり、剣ですね!」
「ふふ、じゃあ持ってみたらどうかしら?」
「それじゃあ、いきます!」
僕は無骨な剣を手に取ってみました。
そしてその剣を手に取った瞬間剣が一瞬眩しく輝き、光が収まったかと思ったら無骨な剣が透き通った水晶のような剣に変わっていました。
それに力が湧いてくるように感じます。
「「「「綺麗な剣・・・」」」」
「あれ?るかくんの髪色、変わってない?」
クレア先輩が僕を見ながらそう言いました。
「あれ?本当だ?」
「流石異世界、不思議ね。」
鏡を見せてもらうと透明感を感じられるホワイトシルバーに髪色が変化していました。
「ふわぁ・・・綺麗・・・」
思わず自分の姿に見惚れてしまいました。
剣を鞘に戻すと姿は元に戻りました。
これまた不思議です。
「じゃあ次は私、魔法使いっぽいしこの杖持たせてもらうね?」
全員絵美先輩を見ながら頷きました。
「よーし!」
絵美先輩が杖を持つとポンッと音がして絵美先輩の周りに煙が上がってきました。
煙が晴れたと思えばそこには魔女帽子のような帽子を被り、可愛らしい衣装に身を包んだ絵美先輩が立っていました。
「ええっ?私は変身しちゃうタイプなの!?しかもフリフリすぎて私には似合わないような?」
自信がなさそうに絵美先輩は言いますが、似合っていると思います。
「絵美先輩、似合ってますよ!」
「そ、そうかな?えへへ・・・」
恥ずかしそうにしている仕草も可愛らしく見えるのはちょっと狡いと思います。
「次は私が行くね?」
クレア先輩が残ってい装備の一つ、ロッドを手に取りました。
無骨な見た目のロッドは一瞬輝いたかと思うと、綺麗な薄いピンク色の大きな大きな宝石が先端についたロッドに変化していました。
「うーん、私のは地味だねー。」
「でもその先端の宝石結構綺麗じゃない?」
「私もそう思うー、ただ思ったより宝石大きすぎない.....?」
「まるで殴れ、と言わんばかりね。」
「えっと私一応治療系魔法使えるみたいなんだけど、ちゃんと守ってよね!?」
「多分、その役目は私になりそうね。」
最後に残った盾を夏織先輩が持ち上げると
宙に何枚かの盾のようなものが現れました。
「役割、完全に決まったようね?」
「先輩、王様に報告した方がいいんじゃないですか?」
僕がそう言うと夏織先輩は部屋の外にいたメイドに国王へ繋ぐように手配してくれた。
メイドさんはそのまま着いてきてくれればいいとの事で、僕等は再び王様と面会する事になりました。
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